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奏斗の後頭部に手を添え、軽く口付けを落とす。
「っ?!..ひ、ひばっ…..」
「痛いとか、怖いとかあったら絶対言ってな」
「っ、はいはい、わかった!!」
キスに驚いたのか、動揺した姿を見せる。先程より頬が、耳までも赤くなっていて、可愛いと思ってしまう。
白くて、綺麗な首筋に、優しく噛み付く。噛み付いて、その上をペロッと舐める。
「…ふ、ははっ、くっすぐったい!」
犬みたい、と笑う奏斗。
くすぐったい、…..か。そう思いながら、今度は耳を舐めてみる。
「ふふっ、…..ふ、…..あははっ!」
時折笑いを堪える様子もあるが、それでも全然耐えられず、普通に笑い出す。このままでは、奏斗がえっちな気分になれないかもしれない。
そう思い、その笑い声を消すように、奏斗の唇を塞いだ。
「っんぅ………」
笑いで潤んだ奏斗の瞳。キラキラして、いつもより更に綺麗だ。お互い、目を瞑らないままキスをする。が、奏斗は恥ずかしくなったのか、すぐに瞼を下ろしてしまった。
角度を変えながら、少し長めに食らいつく。苦しいのか、気持ちいいのか、奏斗の眉が下がっている。そんなのお構い無しに、今度は舌を入れた。
「んっ…..ん…….はっ…..はぁっ…..」
酸素を求めて、たまに口を開ける奏斗。必死に受け止めようとしてくれている。舌を入れた事なんて無いから、きっと驚いているだろう。
奏斗の舌と絡ませながら、今度は手も使っていく。奏斗の腹に触れると、ピクっと動いた。ツーッと、優しい手つきで撫でていく。
腹から、徐々に下へ。手を動かすと、その度ピクっと反応する奏斗。これも、くすぐったいのだろうか。
それとも……………。
「んんっ…….」
奏斗のソレに触れた時、甘い声が漏れた。後ろでイけるかなんて、経験がお互い無いから分からない。先にこっちを触ってやった方がいいのかと、考えてしまう。
そのせいで、キスが疎かになる。その隙を見て、奏斗が唇を離した。
そして、腹に触れていた俺の手を掴む。掴んでそれを、後ろへ回した。
「、奏斗…..?」
「…こっちで、いいから」
「えっ、でも…..」
「いいからっ、!」
強引にグイッと、所謂お尻に俺の手が持ってかれた。触ったことなんて無い、というか、そもそも行為自体初めてだ。一応調べたことはあるが、しんどいと聞く。準備もたくさんある。
ごちゃごちゃ考えているうちに、痺れを切らした奏斗が口を開く。
「準備、済んでるから」
急かすように、言う。いつの間にそんな事をしていたんだ。と、思いながら、言われるがまま、行動する。
ごくり、と、喉仏が上下した。
奏斗のズボンをずらし、自分のも同じようにずらす。
「後ろ、触るぞ」
「っは?!いや、準備してあるって」
「いやでも、不安やん」
ゆっくりと、指を入れていく。傷付けないように、そーっと。優しく。ゆっくり、中へ入れていく。
「っぅ、…..んっ…..」
「痛い?」
「や、…….ちがっ、…」
びく、びくっと、俺が指を動かす度、奏斗の身体は反応していた。表情はというと、眉を寄せ、綺麗な瞳は瞼で隠れてしまっている。
準備を済ませてあるとはいえ、どちらも初心者。慣れは必要だと、確信した。
「動かしてもええ?」
「き、聞くな…..っ」
入れた時奏斗が痛くないように、と、広げるように解していく。準備してある、と言っていた割には、あまり柔らかくない感じがする。
多分、少し怖かったんだろうな。初めてだし。
俺もそう。嬉しい方が勝っているが、怖いも少しある。傷付けてしまったら、嫌な思いをさせてしまったら、という思いからそれはきている。
「ふっ…….んん…..っ、」
「もう少し、頑張れそう?」
「ん、…..」
ベッドのシーツが、奏斗によってしわくちゃになっていく。ギュッ、と強く握っている。身体に力が入りすぎている。
この時、力んでいるから広がりにくいのかもしれない。と、俺は気付く。
「奏斗、力抜ける?」
「…..も、いいから…」
「でも、これじゃまだ…..」
「っだいじょぶ、だから…..」
「…….分かった。信じるぞ」
よく分からないが、奏斗は何故か焦っているよう。さっきから、ずっと急かしてくる。何が、そんなに彼を焦らせているのだろう。
理由は全然分からなかった。けど、奏斗がそんなにも早く、したい理由があるなら。俺はそれに答えてやりたいと思った。
「嫌だったら、絶対言えよ」
「嫌じゃ、…ないから…..」
「っ…….」
素直に、嬉しい言葉だった。奏斗が自分から進んで下になること自体、結構意外で。驚いていたから。
嫌じゃなくて、良かった。
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