ご本人様とは関係ありません
💡視点
今日は大型任務の日だった。Dytica以外のヒーローたちも参加するほどの。そういう任務の時は憂鬱で決まって行きたくないなぁ、なんて思ってしまう。
「あいつだよ、なんの術も使えないおもちゃばっか使ってるやつって」
「なんであいつがDyticaにいんのかね」
ほら、また言われてる。これがあるから行きたくないと思ってしまう。オレみたいに機械を使うヒーローは西では受け入れられない。Dyticaに所属することになってから言われる回数や言われる言葉がどんどん重くなってきている気がする。なぜならDyticaはみんな強いから。こんな時いつもなら「オレだって強い!」って思えたしなんなら言い返すことができた。でも今日は言えなかった。何故かその言葉が響いてしまったからだ。いつもなら気にしないようにしてるし忘れようとしている、けど今日は無理だった。
「あいつなんかDyticaにいらねぇだろ」
この言葉が頭から離れなかった。どうしよう、これから大事な任務なのに、だとか足を引っ張ったらどうしよう、だとか悪い思考が頭を巡る。
「ライ、どうしたんですか?」
「ほ、星導。…なんでもないよ!早く行こ!」
「…そうですね。行きましょうか」
心配させたかな。星導が話しかけてくれてもいつもみたいな笑顔が作れなくて、オレが弱いのが悪いのに仲間を心配させるなんて、それが情けなかった。
「ライ?」
「っ、なに?」
うまく、笑えてるかな。
「全然ダメですよ。顔、引きつってますよ?
何があったんですか?何も無いなんて嘘ですよね。」
「え、っと…」
「ライ?…ライ!!」
なにがあった?星導は?
「人の事なんて心配しとる暇あるん?」
「お前が足引っ張ってんだぞ」
「ライがいると連携取りずらいし」
何、言って
「そろそろ自覚せぇよ」
カゲツが、ロウが、ショウが何を言ってるのかオレには分からなかった。信じたくなかった。
やめてよ!!
オレの声は届いているのだろうか。
「ライ…?ライ!」
現実じゃなかったのか。オレのメンタルが弱ってたから。だからあんな悪夢見ただけ。みんなが本当に思ってるわけじゃない。そうだよね
「ライ、動けますか」
「星導、うん。動けるよ」
そうだ、さっき敵の襲撃があって。オレは意識がなかったのか。また、足を引っ張った?
「行きましょう、かなり被害が大きいですね」
「そうだね、2人はどこだろう」
「2人は俺たちの反対側に配置されているので恐らくあちらはあちらで対応できてるんじゃないですかね」
「そうだったね、…じゃあ、2人でこのでかいの倒すのか…」
「そうなりますね」
ほかのヒーローは先程の襲撃で戦えそうな人が少なかった。ほぼオレたち2人しか居ない。オレががんばらないと、オレが
「ライ!」
星導のおかげで攻撃を避けられたが1歩遅ければあの瓦礫のように粉々だったかもしれない。 あ、あ?けがしてる、星導が、
「星導っ!けが…」
「大丈夫ですよ、動けるので」
大事な仲間に怪我をさせたのか?ただでさえ役たたずなのに。
アイツらの言う通りだ。オレは、Dyticaに居ない方がいいのかもしれない
その敵をなんとか倒したところだった。星導が視界の隅で倒れたのが見えた。
「星導!!」
助けに行かないと。たすけないと。オレが戦闘中庇ってもらったせいだ。オレのせいで、おれのせいで、
「ショウ…!」
なんとかオレのメカで星導を避難させて周りの援護もして、とにかく精一杯だった。
メカを使うたびに今までオレやオレの作ったものをバカにしてきた言葉が蘇る。オレはもう、限界だ
👻🔪視点
敵はほぼ倒した。が、少なすぎる。敵の数は想定していた半分もいない。今回いちばん厄介なのは精神干渉してくると思われる敵がいることだ。まぁそれは俺の読みだが。ここの反対側には伊波と星導がいるから大丈夫だろう、とは思うがどこか不安が拭えない。
「敵の数が少なすぎるんちゃうか?」
「そうだな。カゲツはここに残ってろ、俺は反対側に行ってくる」
「僕も行く!」
「お前は残ってろ、万が一ここに敵が来たらどうすんだよ」
「…わかった」
ここからは少し距離がある。急がないと。2人は大丈夫だろうか。
🐙🌟視点
ライの様子がおかしかった。今日だけでは無い。ここ最近ずっと心ここに在らず、という感じだった。
「ライ?どうしたんですか?」
「ほ、星導。…なんでもないよ!早く行こ!」
なんでもないなんて嘘だ。彼のチャームポイントの笑顔がこんなに引きつっているのに何も無いわけが無い。今日の任務についての資料で見た敵。おそらく精神干渉系の敵がいる。もしかしたら
「いて…」
ライを庇った時の傷が先程より痛く感じる。しかしまだ敵は多い。
「そうだ、ライ!」
どこだ、どこにいるんだ?辺りを見渡してもあの特徴的なハンマーが、大きな目が、笑顔が見えない。
もしかしたら敵はライを狙っているのかもしれない。長い間敵はライに精神干渉し続けていたのかも。それなら納得がいってしまう。ライが最近暗かったのも、反応が遅かったのも。もっと気遣っていればよかった、もっと
「星導!!」
「小柳くん!?」
「ライは?」
「…分かりません。俺がさっきまで意識なかったので」
「あのいちばん厄介なやつか…」
「おそらく、まぁ精神干渉系だと思うんですけど」
「そうだろうな。お前はもう動けるか?」
「はい。とりあえずこの辺りを探しましょう」
「あぁ」
「こちらはいませんでした、そっちは?」
「いない。連れ去られたか?」
「そうかもしれないですね。」
「カゲツにも応援要請しよう」
『2人は!?』
「星導は無事だ」
『なに、なんや、それ…ライは?』
「…ライはいない、連れ去られたかもしくは」
『ライは生きとる!!』
「…あぁ、そうだな。それなら多分ライは」
「長い間精神干渉する敵に攻撃されていたんだと思います」
『星導、…だからあいつなんかおかしかったんか』
「そうかも」
「まぁ今は伊波を救出する策を考えよう」
『「了解」』
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