「本日の朝食はほうれん草のポタージュ、エッグベネディクト、付け合わせにはソーセージをご用意いたしました。エッグベネディクトは、こちらのイングリッシュマフィンにのせてお召し上がりください。」
見るからにおいしそうな料理たち。だけど咲月さんの説明はほとんど分からなかった。どう聞いてても日本語じゃなそうなことだけは分かった。
「命、安心しろ。全部ちゃんとした食べ物だ。だから匂いをかぐな。」
「は、はい。」
昨日教えてもらったフォークを握り料理を食べていく。やっぱり美味しい。お父さんとお母さんにも食べさせてあげたかったな。
「且功様、本日は11時頃に麗亜(れあ)様がいらっしゃいます。」
「またか……許嫁だから失礼のないもてなしはしろ。」
「御意。」
麗亜様って誰だろう……。許嫁って言うのは何だろう…?
知らないことが多すぎて頭がついていかない。
「命、後で説明するが、麗亜が来たら僕の傍を離れるなよ。」
「はい、分かったです。命ある限り離れません。」