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「○○~・・・」
「なぁに、」
後ろから抱きついてきた彼の頭をくしゃりと撫でながら、読んでいた本を閉じる。
「・・・ん?ピアスの穴開いてたか?」
「開いてたよ」
うちのゾロも開いてんだよなー、と懐かしむように話してくれる。
「ゾロさんは、剣士さんだよね」
「そうだ!三刀流ですげーんだぞ!」
「三刀流!?どんなの?」
「両手と口に咥えてよ、すげェ強ェんだ!」
「すご・・・」
彼が話してくれる仲間の話は、すごく面白くてずっと聞いてられる。
なにより、仲間の話をしてるときのルフィくんの顔が本当に楽しそうで。
彼が向こうの世界に戻ったとき、私もこんな風に話してもらえるのかな、なんて。
「いいね、海賊」
「だろ!?」
彼が語る航海の思い出は本当に楽しそう。
仲間の人達は、毎日この笑顔が見れるんだと思うとほんのちょっとだけ羨ましかったり。
「会ってみたいなぁ・・・」
「連れてってやるよ、いつか」
「ほんとにルフィくんなら出来ちゃいそうだね」
「当たり前だ!絶対連れてってやる!」
こういうとこにみんな惹かれたんだろうな、と思う。
根拠がなくても、本当にやり遂げちゃいそうな気がする。
「ルフィくん」
「ん?・・・ッ、」
振り向いて、背伸びしてキス。
不意打ちに顔を赤くするルフィくんが可愛くて、思わず笑ってしまう。
「・・・今のすげェびっくりした」
「そりゃあ、不意打ちだもん」
仕返しだ、と深いキスのお礼をもらったのは、また別のお話である。
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コメント
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今回最高です…。。