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心地の良い室温の部屋。目を覚まして、すぐさまばっと起き上がる。
今日はそう‥
「転入する日っ‥!!!」
おとといから準備していたリュックの中身を改めて確認し、テーブルに置いていた制服を身に纏う。姿見を確認し、その新鮮さを味わったのち、階段を駆け下りた。
「おはよーっ!」
『あら‥ふふ、れいらー、もう制服着てるの?今日からグレープアカデミー、張り切ってるわね』
母に掛けられたその言葉を「ふふ、そうでしょっ。」と流し、行く時間を今か今かと待っていた。
ピンポーン
「!」
『あら‥れいらー、出てちょうだい』
軽快な金の音が響き、玄関に駆けてゆく。
ドアを開けると、そこには白い髪をなびかせ紫色のスーツを身に纏った、優しそうだが気品のある男性が、紙袋片手に突っ立っていた。
「ごめんください。」
「入学案内が送れてしまい、申し訳ございません…私はグレープアカデミー校長のクラベルと申します。」
『あらー、校長先生直々に…!せっかくなので是非、お茶でも飲んでいってください。』
「…それではお言葉に甘えて」
『れいらー、お母さん達はお話してるから、バックと帽子、着てきたら?』
そう促され、階段をゆっくり上がった。
ベッドフレームの突起に掛けてある帽子とリュックを机にどかし、それぞれ身につけた。先程のように姿見でそれを見た後、これでここもお別れかと思い出の詰まった家具達をぼんやり眺めた。
「…あっ、下おりなきゃ」
いそいで階段を駆け下りて、ソファのある大部屋にひょっこり顔を覗かせる。
『あ、れいらー。ばっちり決まってるわね。』
「どこからどう見ても我が校の立派な生徒ですね。」
「…おっと、私としたことが、一番重要なものを渡し忘れていました。」
「ここではなんですし、お外へ行きましょうか。」
そのまま校長先生に着いていき、玄関前の階段、校長先生は三つのボールを投げた。
「我が校の生徒には、入学時ポケモンを渡すという決まりがあるのですよ」
左からニャオハ、クワッス、ホゲータというらしい。タイプに合った色をしていて、皆こちらを純粋な目で見ていた。
「せっかくですし、みなさんとお散歩しましょう。」
「私は向かいの…あちらの家にいますので。」
私は花壇を見つめているニャオハ、髪?をケア?しているクワッス、木になっている果物を、よだれを垂らしながら見るホゲータを連れて、向かいの大きい家まで歩く。
「あっ、そっちじゃない…こっち、ほら!」
坂道を走って、お向かいさんの大きい家の門の前まで来た。改めてみると、やはり豪邸…。
すると校長先生が中から出てきて、こちらに気が付いたのか駆け寄ってきた。
「もう到着なされたのですか。どうでした?ニャオハさん達とのお散歩__あれ?」
そう言い足下を見ると、いたはずのポケモン達が居ないではないか。見渡しても、草木の近くにもいない…ということは。
ニャオハは花壇の中へ入り込み、花の匂いをかいで嬉しそうにし、クワッスは噴水へ、ホゲータは木の実を燃やして…
「うぇぇっ!?ちょちょちょ、なにしてんのみんな…っ」
すると、木の実を燃やしてしょんぼりしていたホゲータの頭が、グローブ付きの手で撫でられる。
「あなたがこの子達のトレーナーですか?」
紺色の長い髪をなびかせて、左手に赤いグローブを付けた、水色の瞳の女性。
その女性はこちらに歩み寄り、にこっと笑って見せた。
「私はめめんともり。めめ、とでも呼んでください。」
「あっ、はいっ‥!!」
「めめんともりさんは生徒会長で、チャンピオンランクでもある凄い方なのですよ」
「えっ、称号多っ…」
生徒会長でチャンピオンとか、夢を詰め込んだような属性してるじゃん…。しかも顔がいいとか…。
「では改めて…草タイプのニャオハさん、水タイプのクワッスさん、炎タイプのホゲータさんの中から一匹、選んでくださいね」
私は三匹のポケモンの中から一匹を選び出すことに、凄く迷っていた。
相棒になる…と思うから、あとで後悔とかはしたくないし、なにより皆可愛いし。
「んん~~…」
「あの、校長先生、私も選んでいいですか?れいらーに合わせて、私もポケモン育て直したくて…!!」
「…なるほど。熱心ですね、良いですよ。」
「やったー!」と跳ねて喜ぶめめを横目に、ホゲータの頭を撫でる。嬉しそうにもっと、とねだる顔を見て、心を撃ち抜かれた。
「…ホゲータにしますっ!!」
「ほんとー!?じゃあ私ニャオハっ!」
「…ふふ、あなたは私と行きましょうか。」
腕に乗ったホゲータを撫でて、「1戦戦ろう!!れいらーのデビュー戦!」と騒いだめめに承諾をし、ビーチのバトルコートに走っていった。
「れいらーとこの子のデビュー戦!本気で戦ろう!!」
バトルの事になると騒がしくなるめめに、私も本気でかかる。
「ニャオハ、はたく!」
「ホゲータ、ひのこ!」
2000文字超え…!!!
どうも、作者ことらいむです。
自分はバイオレット勢なので…スカーレット派閥の皆様申し訳ございません…。
主人公は転入でうきうきしてるrir-さん、ライバル枠はバトルの素質があるとわくわくしてるmmさんですね。
グローブはわざとです。
次回はサンドウィッチとアギャッスさんと先輩ですかね。