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「おはようございます」 と綺麗な声が聞こえた。振り向くとその声は、世木奈 陽香(ヨギナハルカ)だった。陽香は僕の幼なじみだ。家が近く仲良くさせてもらっている。 スタイルが良く、皆からモテモテだ。この前も告白されているのを見た。僕の初恋でもある。
陽香が僕に近づいてくる。
「俊おはよー」
「あ、おはよ…」
「元気ないの?笑」
内心、ドキドキしまくっている。バレないか心配で、声が小さくなる。
「元気あるよ。陽香が元気なだけじゃない?」
「そんな事ないからー」
「へーー」
「何、その声!!」
「なんでも?笑」
この、たわいもない会話が好きだ。この時間がいつまでも続けばいいなと思う。
‐キーンコーンカーンコーン‐
チャイムがなる。皆、席につく。先生が
「出席とるぞー」
と言うのが、朝のホームルームだ。僕は、まだ陽香の事を思い浮かんでいる。
「沢田 俊……沢田!! 」
「あ…は、はい!」
陽香の事を思い浮かんでいて、先生の声が聞こえていなかった。クラスメイトはクスッと笑っている。最悪だ。熱が顔全体に広がっているのが分かる。
「ちゃんとしろよー笑」
(…早く次の人の出席とれよ…)
陽香の方を見るとこっちを向きながら、笑っている。陽香が笑っているなら、まあいいやと思う僕もどうにかしたい。
「世木奈陽香」
「はい」
…今日も声が綺麗で透き通っている。陽香の声を聞いて顔が赤くなっている人もいる。好きなんだなと思う。だけど、僕も時々顔が赤くなる。
一時間目は国語の時間だ。国語は、眠くなることが多く、授業があまり聞けていない。そのせいで、テストは散々だ。昼休憩になり、食堂へ行く。僕は、いつものパンを買い教室へ戻る。窓の外を見ながらパンをムシャムシャと食べる。陽香の事が気になったので、陽香の方を見る。陽香は、友達と笑っている。笑っている顔が僕は1番好きだ。あの、えくぼが出る所がほんとに愛おしい。誰にも取られたくない。だけど、僕はアタック出来ないから、見守っている。 視線に気づいたのか、陽香が近づいてくる。僕は、視線をすぐに外し外を見る。
「俊ー?さっき私の事見てたでしょ!笑」
「み、見てないよ…」
「何ー?好きなの?笑」
その瞬間、顔が赤くなった。熱が体全体に広がって頭が破裂しそうだ。
「ち、違うから」
チラッと陽香の方を見る。
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