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「gnちゃーん!」
浴衣姿のmnがりんご飴を持って駆け寄る。
まぁ僕も浴衣なんだけど。
mnは紺、僕はグレーの浴衣。
夏休み勉強やら部活やら忙しいけど、
「この日は絶対一緒に花火見よう」って決めていた。
「…おかえり、りんご飴?いいね!」
「はい、これgnちゃんの!」
「え、ありがとう!」
そう言って僕に1つりんご飴を渡すmn。
屋台のライトが反射し、りんご飴はより艶やかになっている。
「…もーせっかく浴衣着たんだから、りんご飴より僕のこと見てよー!」
「…お、おいそんなこと大声で言わないでっ…」
「ふふっ…あ、花火始まるよ!」
大輪の花火が無数に咲く。
また来年も、こういう時間が当たり前にあったらいいな。
りんご飴をかじる音も、花火にかき消されていく。
「…好きだよ、mn。」
聞こえないと思ってボソッと言ってみる。
「…知ってる。僕も。…え、誘ってる?w」
聞こえていた。
花火が終わっても、夜は長くなりそうな気がしていた。