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・ 交際済み
・ 軽い喘ぎ表現有り
・ 口調迷子気味
* 大昔に書いた駄作を再掲したものです 。 配信 、ボイス等全て把握している訳ではありません。 事実との乖離や解釈違い、地雷が必ずありますことをご了承の上本編にお進みください。
「 「 ……… 」 」
狭く閉鎖された空間に、2人分の息遣いが響く。
部屋…とすら言えない。もはや箱と形容していい程小さく、下手に身動きが取れない中で、人間が2人収容されていた 。
身を固くして、なるべく端で縮こまっていようと自分の身体を壁に押し付けるカゲツ 。
それと、カゲツよりも身体が大きく、膝を曲げて箱の中の半分以上の面積を有してしまっている星導が、箱に閉じ込められていたのだ。
「 星導 … 狭く、ないん ? 」
「 大丈夫 、カゲツ は ? 」
「 ぼく も 、 大丈夫 、 」
そっか 、と涼しい顔で返事する星導とは対照的に 、カゲツの顔が真っ赤だった 。距離が近い 。星導と目を合わせないように逸らしている顔を向ければ 、互いの息が当たってしまう程 、この空間は狭かった 。
一体何故こうなってしまったのだろうか、と思い返すも至ってシンプル。
起きたら星導と人揃って軟禁されていた。ただそれだけである。
星導はもちろん、カゲツもこの状況に酷く困惑していた。
それからどうにか抜け出せないかと2人で四苦八苦するも、薄暗く、狭いせいで互いの足が絡まったり、星導がカゲツの胸元に手を滑らせたり、星導の胸元に突っ込んだりが続いた。
「 カゲツのえっち 笑 」
「 うるせぇ !!!!! 」
きゃ〜 、 と 小さく黄色い声を出しながら星導に揶揄われ 、一発殴った後大人しく助けが来るのを待つ方向に方針をシフトさせた 。
なんとか2人で丁度いい体勢を見つけて、カゲツは壁の端に硬直状態に至ったのだ。
ちなみにその間 3回位星導と身体が密着した気がする 。
「 … んん ゛…… 」
「 ……… 」
気まずい 。
この狭い空間に2人っきりという状況もそうだが、今のカゲツにとっては何よりもこの沈黙が長く続くことに耐えられなかった、沈黙が辛い。
普段なら一緒にいても会話が途切れる事は無いくらい話題が出てくるのに、何故か今の状況は何を話せばいいのか分からなかった。
なんとかこの気まずい状況をなんとかせんと、ぐるぐると思考を回しているとそれをスパッと切るかのように星導は口を開けた。
「 カゲツ 、そんな 縮こまらずに 楽な体勢 に したら ? 」
「 え 、いや 、このままでいい … 」
「 … ふ 〜 ん ? 」
星導からの気遣いを僕はふるふる、と首を横に振って断ったが、正直こんな狭いところで膝を降り続けるのはかなり苦しい。
一刻も早く楽な姿勢になりたいと身体の節々が訴えかけてくるが、僕はそれらを必死に押さえつけた。
ここで折れたら、また星導と身体が密着するかもしれない、ただでさえ今の状況でも顔が近いのに。
そういった理由で中々楽な姿勢になれないカゲツに、ついにはため息を吐く星導。
諦めてくれたんか … ? そう思ったカゲツに次の瞬間、何か強い力に引っ張られて体勢を崩した 。
「 うわっ ?! おい なにするんや 、 ! 」
「 どうせまた距離が 〜 、 とか 遠慮してるんでしょ ? そういうのいいよ 、もう 」
カゲツの腕を引っ張ったのは、当然星導である。
そして星導は、その勢いのままカゲツを自分の腕の中に覆い隠すように抱きしめた。
驚き、星導の肩に顔を埋めるようにして固まる 息を吸えば、星導から香っていた優しい柔軟剤が鼻腔を通り過ぎた。
思わず口から息を吐けば、僕の吐息がくすぐったかったのか、「 ん っ …… 」と 艶のある声が耳元に届いた。
「 ほしるべ … ? 」
「 今は 俺らだけだし 、癒させて 」
囁くように呟き、片方の手でカゲツの頭を撫でながら 「 あったか ‥ 」ともう一方の手で強くカゲツを抱きしめる。
僕は頭を撫でる手の温かさにこの上ない安堵感を覚えた。
こんなに狭い空間だからか、星導の匂いが色んなところがする。まるで星導に全身を包まれているみたいだ。
最初は気恥ずかしさを感じていたカゲツだったが、気付いた頃にはもうすっかりリラックスしていた。緩く星導の服を掴むように、抱きしめ返す。油断したら今にも船を漕いでしまいそう。
「 今は 俺らだけ 、か … 」
「 カゲツ ? 」
「 … じゃあ 、ちょっとくらい ええよな 」
カゲツが何かしようとしているのかを察した星導は、抱きしめていた手を離す。
離れ難い拘束から逃れたカゲツは、少しだけ上体を起こして星導と同じ視線になれば、彼の瞳には自分しか映っていないことに気が付いた。
不思議そうに見つめてくる星導に、溢れんばかりの愛らしさが込み上げてくる。
( 星導はいつも忙しい。皆に頼りにされとって、愛されてて、ぼくが星導を独占するなんて 図々しい。やけど … )
自分だって、僕だって、星導を求めたい。理由がなくても星導に会いたい 。しつこいと言われてもいいから 、ずっと一緒にいたい 。
そんな人並みの欲求が僕にもある 。あった 。
そっと、星導の頬に手を添えては
「 ん っ 、 ふ … 」
星導に見つめられるまま 、その唇に啄むように口付ける 。
しっとりと潤んだお互いの唇が重なり 、ちゅ、とリップ音が響く 。
目を見開いている星導から少しだけ離れては 、なんだか甘く感じた気がする 、味なんてしないのに 。
「 え 、カゲツ … 」
「 …… ん ? 」
「 今さっき 初めて カゲツから キスしてくれた ?? 」
「 … した 、 嫌 やった ? 」
「 全然 、寧ろ 嬉しい 」
「 うん 、 」
驚いた表情からすぐに、にへっとした表情に戻した星導は、嬉しそうに俺を見つめてくる。
僕からしたことではあるけれど、大分恥ずかしいんやな、なんて思い目を逸らそうと顔を下げようとした途端、次は星導が俺の頬に手を添えてきた。
「 じゃあ 、 お返し ね 」
「 え ? ぁ 、んン ッ !? 」
また唇が重なれば、上唇で星導が俺の唇をこじ開けて、その中で舌先を侵入させては、好き放題に口の中を荒らされる。
「 ン 、ぅ ッ … ほし 、ぅべ … 」
びくッと肩を震わせたカゲツはまだ戸惑ったまま、そんなことに星導は気にとめず。
口の端から、どちらのものなのかもわからない唾液が垂れる。息が熱い。視界がぼやけて、脳みそが茹だっていく。
苦しいくらい息が上がっていくのに、やめたいなんて微塵も思わない。
頬に添えていた手は、気付けば互いの指を絡めるようにして繋がれており、時折弄ぶように指先で手の甲を撫でられる。
キスに夢中になり、無意識につぶっていた目を開ければ星導と目が合った。
その瞳の色は情欲。下がった目尻と潤いを帯びた目が、鏡のように俺を捉えている。
「 っん 、は ッ … ぁ 」
「 … 甘 、 」
やがて限界が来たのか、どちらからともかく唇を離し、星導がぺろっ、と舌を出した。それすら自身の欲を掻き立てる。
「 舌 入れる って 聞いとらん ‥ 」
「 お返しは 倍の方が いいでしょ ? 」
おいで、と星導が腕を広げ、僕はそれに答えるように、もう一度その胸に抱かれ、また気持ちが安らいでいく。
「 また カゲツから キスして欲しいな 」
「 …… 要検討 っすね 」
箱の外から聞き覚えのある同期の声が秘かに聞こえてきた。
箱が開けられる寸前、星導の唇が僕の頬に振ってくるのを、僕はただ見つめていた。
〆
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如何だったでしょうか 。
初心者故温かい目で拝読して下さると幸いです
ここまで見て下さり有難う御座いました。
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