心には君が

阿部の視線の先を見ると。目黒と渡辺とラウールが仲良く話してる。何度も「阿部ちゃんが1番」と言われているけど、いつも胸がチクッとしてしまう。2人を見るたび嫌な気持ちを持つ自分がいや。目黒に素直になれない自分がいや。

以前、目黒に「阿部ちゃんの友達全部捨てて」って言えばどうする？と聞かれた。捨てられない。なのに、渡辺を捨てろと言った自分。勝手なのは分かっている。渡辺は嫌いじゃない。だけど2人が揃うとだめ。自分と付き合う期間より長く一緒だった2人。

渡辺も、向井と付き合っている。

それは分かっている。だけど、目黒と渡辺の間には立ち入れない絆がある。向井もあの2人は諦めてると言う。

向井が宮舘が気になると言ったとき、目黒が聞いたことないような声で泣いた渡辺。

目黒は向井に怒り、会うなと言った。大事な友達を泣かせるから。

阿部も向井の話は聞いていたが、目黒がそんなに怒るとは思ってなかった。不安になる。阿部は、目黒の渡辺に対する態度が友達を超えてる気がする。向井に言わせると、「友達以上恋人未満」らしい。

阿部は、それが一番いや。

阿部ー康二はいいの？

向井ーもう諦めとる。

阿部ー俺はいや。

向井ー阿部ちゃん、めめに言うたか？

阿部ーううん。

向井ー友達以上恋人未満、言うんは俺の考えや、阿部ちゃんはどう思うん？

阿部ー俺も、そう思う。

向井ー翔太くんは俺と会わんかったら痩せるさかいすぐ分かるし。

阿部ーめめは忙しくて、俺に会えない日あっても変わんないし。

阿部は向井が羨ましいと言う。

渡辺は忙しくしてても、向井に会いたい。こんな不安なとき、あの日を思い出す。

向井が宮舘を気にしていると聞いた渡辺。控え室で小さな声で泣いていた。目黒に抱きしめられて。