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これみて、泣いちゃった
あぁ、またか。またこの世界なのか。
なんて醜く残酷な世界線に生まれ堕ちたのだろう。
教室を開ける君が居て。笑って私に挨拶をくれる。
でも、今回は違う。
ガラガラ…
「悟~。おは……」
、、、
私を見た瞬間、彼は顔を歪ませた。
その顔は私が離反した時に見た顔とそっくりだった。
ああ、そういうこと。君も生まれ堕ちたんだね。
可哀想だよ。ほんと。報われないね。君は。
どうして神様は君に対して厳しいのだろうね。
「…早く座れよ。五条。」
硝子…君もか…顔は見えないけど、声でわかるよ。
皆、みんな生まれ堕ちたんだ。
この世界は厳しいね。
「悟。早く「うるせぇ。」」
「もう俺の名前を呼ぶな…俺に寄り添うな。俺の隣に……座るな…」
「っ……、」
あぁ、私は君に酷いトラウマを植えてしまった。
「違う。落ち着いてく「落ち着いてられっかよ。」」
「なんでそんなに寄り添うんだよ。そんなに俺が嫌いなのかよ。……なんで…」
「……」
私は何も言えなくなった。
確かに、私は君から離れて行く。
君は私との時間を楽しんでくれた。
なのに私が離れた時、君は辛かったのだろう。
どうせ離れるのなら初めから絡まないで欲しい、
その気持ちはとてもわかる。
痛いくらい分かる。
でも……それでも、君にも記憶があるのなら、
私はやり直したい。
「あのね、悟、私は今回「もういいって。」」
「聞いてくれ。「いいんだよ!」」
…聞いてくれない。やっぱり、酷いよな、私って。
「出来もしねぇことせこせこやって。俺に殺させてよ…俺が……どれ程御前が好きだったのか…知らねぇのによ……」
「……」
本当だよね。出来なかった。私が望む世界は夢のまた夢。否、それ以上だったのかもしれない。
なのに、何故私は出来ると思ったのだろう。
なぜ私の理想論を君に押し付けたのだろう。
今となっては後悔でしかない。
「今の私は…違うんだ。」
「……」
「生まれ変わって思ったよ。私が馬鹿だった。出来ないことを、理想論を、君に押しつけて、生き方は決めた、なんて君を突き放した。非術師に手を出すなと言った私が手に掛けて、挙句の果て君に殺してもらった。君は偉いよ。挫けず前を向いて進んで。私は君に置いていかれたのだと思った。そう思いたかった。君の力と私の力は別だったんだ。術式も違えばメリットデメリットも違う。私はただ、私の弱さを認めたくなかったんだ。ほんと、弱虫だよね。弱さを認めたくないから君を突き放した。君はちゃんと私が着いてこれてるか振り向いてくれてたのに。私の思い込みで遮断した。ほんとに……ごめん、」
「……馬鹿。」
硝子が俯きながら私の背中に拳を押し付けた。
「悟…硝子……良かったら、今世は私と過ごしてくれないか…?私にはやっぱり、君たちが必要なんだ。」
……やっと言えたよ。ごめんね、苦しめたね。
「……」
悟からの返事はなかった。
「…悟?」
改めて悟の顔を見たら ─
─ 悟は泣いていた。
「っ、馬鹿!心配させんな!俺は…御前の為なら…なんだって出来るくらい、御前が好きだったんだよ……!なのに!踏みにじりやがって!馬鹿!馬鹿前髪!」
悟は泣きながらも胸の内を明かしてくれた。
その後いっぱい叩かれたけど。
「ごめんね…2人とも。……大好きだよ。」
これまでも、これからも。