ピュウウウウ
冬の風が木々と私の頬をくすぐった。
鼻水をすすりながら、道を歩く。
私は、乾燥した手をポケットに入れ、一歩一歩踏み出してゆく。
静かになったトンネルに、何か背後で妙な声が聞こえた。
「みゃあ」
猫のような声だ。
「みゃあああ」
2匹の違う声が重なる。
「みゃあっ」
振り返ると、そこにはやっぱり猫が2匹いた。
白猫と三毛猫だ。
2匹は寂しそうな顔をしていた。
「っ。」
か、可愛い・・・
心を打たれてしまった。
2匹の猫は、私に駆け寄ってきた。
まさに、飼ってよおって感じの甘えた顔。
決めた。私、猫を飼う。
親に口止めされる理由もないし、家もマンションじゃないから、飼える。
私は、2匹の猫を抱いて、自分の家へと向かっていった。
「みゃあお」
2匹の猫が鳴いた。







