テラーノベル
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🌸→🌸←🫖みたいな
🌸🌸は兄弟(初期兄、原作弟)、行き過ぎた兄弟愛みたいなものがあります。
大遅刻バレンタイン♡🍫
注意
未成年喫煙、その他諸々
真似は絶対にしないでください🙇♀️
今回はいつにも増して日本語がおかしいです。
なんでも許せる人向け🙆🏻
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あたりはすっかり暗くなった今は午後17時手前あたり。寂れたアパートの階段をカンカンと登っていく桜の両手にはぱんぱんに詰まった袋たち。
今日は二月十四日。俗に言うバレンタインである。朝から町はピンク色の装飾で覆われ、そこらじゅうから甘い匂いが漂っていた。町を一歩歩けば、いつものお礼にとバレンタイン限定商品を包んでくれたり、助けてくれたお礼にと真っ赤な顔でチョコレートを贈られたりと、今まで全くの無縁だったことだらけに、忙しなく赤面をし続けた。そんなこんなでドギマギとしながらも何とか一日を無事に終えたところだ。
騒がしかった今日に反して、物音ひとつしない寂れたこのアパートは安心感を感じると共に、もの寂しさを覚える。少し息の詰まる感覚を誤魔化そうと頭を横に振り、鍵のかかっていない玄関扉に手をかける。
なんの抵抗もなく開いた扉の中には、桜の履くスニーカーとよく似た一組のスニーカー。すんと鼻を鳴らせば、町で香った匂いとはまた別の、鼻にこびりつくような甘ったるい匂い。いま、間違いなく部屋に誰かがいる。その事実に固まっていると、奥の引き戸がゆっくりを開かれる。
「 おう、おかえり 」
目を見開き、凝視した扉の奥には自分と全く瓜二つの容姿を持つ人物。
電気ひとつつけていない部屋。開けられた窓から差し込む月明かりによって照らされ、キラキラと輝く神秘的な姿に反して、手には未だ煙をあげるタバコ。 そんなミスマッチな感じがどこか妖艶さを感じさせる人物には見覚えがあった。
「 あにき…… なんでいんだよ…… 」
「 なんでって…… 可愛い弟が心配で帰ってきてやったんだよ 」
にへらと怪しく笑う顔に心配なんて文字はひとつもない。それどころかどこか品定めをするような視線に半歩身を下げれば、我が物顔で廊下をスタスタと歩いて近づいてくる。
「 はーっ、これ全部バレンタイン? モテモテだな 」
「 ばっ! 別にそんなんじゃねぇし! 」
顔を真っ赤にする桜を放っておいて、桜の抱える袋からひとつ丁寧に梱包されたチョコを取り出す。雑に梱包を剥がし、中を見てみればハート型のチョコが数個入っていた。
「 へー、こんな丁寧なもんが義理ってか? そりゃねぇだろ 」
「 ぅ、うるせぇ! お前には関係ねぇだろ! つか勝手に人のもんとんなよ! 」
返せと言わんばかりに手を伸ばす桜を軽くいなしながら、その中の一つを口に放り込む。舌の上で転がせば、端からどろりと溶けていき、それに比例するように甘い味が口いっぱいに広がっていく。まるで恋する乙女の淡い妄想のような 甘ったるさに思わず眉間に皺を寄せる。
「 あっま…… やっぱオレの口には合わねぇわ…… 」
「 だったら最初から食うなよ!! 」
桜の意見はごもっともであるが、それを聞くような兄なら最初から人のものをとったりはしない。
「 そんなカッカすんなよ、可愛い顔が台無しだぞ? 」
全くと思って反省の色はなく、けらけらと笑いながらも口直しと言わんばかりに煙を吸う。
「 可愛くねぇ!! つか、勝手にタバコ吸ってんじゃねぇ!! 」
「 別にいいだろ、これそんなタバコらしい臭いしねぇんだから 」
口いっぱいに吸った煙を桜の顔めがけて吐き出す。その煙は妙に甘ったるく、普段のタバコとはまた違う、嫌にこびりつくような匂い。
「 バレンタイン使用なんだとよ 」
「 げほっ、けほっ…… 関係ねぇよ!つか毎回オレの顔めがけて煙かけてくんのやめろよ! 」
「 へーへー、お子ちゃまの遥にはまだ早かったなわるいわるい 」
「 誰がお子ちゃまだ! いっぺん表出ろ! 」
胸ぐらをつかもうとする手を絡め取り、静かに桜の目を見つめる。最初こそ訝しんでいたが、少しずつ意図が伝わってきたのか、純粋にもじわじわと顔を赤く染める。そんな桜の様子に気を良くし、雰囲気に流されるまま顔をちかづける。
「 さくらくん、入ってもいいかな? 」
二人の動きがピタッと止まる。後ろの玄関扉から三回のノックと控えめの声がする。扉の前に誰がいるのかは、すぐにわかった。
「 っ、す、すぉっ……! 」
「 遥、オレを見ろ 」
流されそうな思考を引き戻され、逃げるように扉に向かおうとする身体を強引に引き止められる。見つめる兄の瞳は有無を言わさぬ圧があり、その奥では欲の灯火がゆらゆらと揺れていた。
そんな兄の様子に唇をぎゅっと締めれば、触れるだけのキスを数回され、舌先で口火を舐められる。まるで口を開けろと言わんばかりの動きだが、今あける訳にはいかないとより固く口を紡ぐ。
「 さくらくん……? いないの? 」
さらなるノックと少し弱々しい蘇枋の声が聞こえる。早く扉を開けないと…… そうして思考が兄から一瞬離れた隙に、兄の手が桜の背中を伝う。
「 っひ、 ! 」
「 どーも 」
突然背中に感じた冷たい指先に短い悲鳴をあげれば、狙っていましたと言わんばかりに、小さな隙間から舌をねじ込まれる。タバコの特有の苦みと先程のチョコの甘み。
「 っ〜〜゛〜 !! んっ、 ぁ ……!! っはぁ…… 」
「 っはは、 かぁわいい 」
ピクピクと肩を揺らす桜をどろどろとした欲を隠そうともしない瞳で見つめる。背筋をなぞるように手を動かせば、顔を真っ赤にしながら漏れそうな声を必死に抑える。
「 ばっ、かが……! 見られたらどうすんだよ! 」
「 見せつければいいだろ、遥が誰のもんなのか分からせてやるよ 」
涙目になりながら抗議する桜に背筋がゾクゾクとする。そのまま背中から下腹部まで指を動かし、軽くぐっと押せばさらに顔を真っ赤にさせ、息を詰まらせる。
「 さくらくん? ごめんけど開けるよ? 」
いつまでも返答のない家に痺れを切らせた蘇枋が、玄関扉に手をかける。
カチャリと言う音とともにゆっくりと扉が開かれる。もう蘇枋が部屋に入ってくる。その事実に焦りを感じ、目の前の兄をキッと睨んでも放っておけと言わんばかりに、再度顔を近づけてくる。そんな兄の様子にブチッと何かが切れる音がした。
「 さくらくん? 」
「 だぁーー !! 離せってんだよこのクソ兄貴!! 」
桜を呼ぶ蘇枋の声に重なるように、桜の怒号と何かを殴る音がアパート中に響いた。
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「 まさか桜くんに兄弟がいるなんて…… 」
居間へと案内され、申し訳程度に出されたお茶に口をつけながら、目の前の二人を交互に目を通す。まるで鏡の中から出てきたかのように瓜二つな容姿に驚きが隠せない。唯一違うといえば、桜はいつものように赤面をしていて、兄と言われる方は殴られたのかように片頬のみを赤く染めている点だ。
「 それで…… 桜くんのおにいさん?はなんでここにいるんですか? 」
「 あ? 弟の家にいたらダメなのかよ? 」
こちらをジトっと睨む兄の瞳には警戒の色が滲んでおり、それはまるでこの町に来た頃の桜のようだった。
「 そもそもお前こそこんな時間に人んち来るとか常識ねぇの? 」
「 おい、蘇枋に噛み付くなよ…… 悪いな蘇枋、それで何の用だ? 」
兄の言うことは真っ当ではあるが、蘇枋も今日でなければならない理由があったので、そこは目を瞑ってほしいと思うばかりだ。
「 いや、おにいさんの言うことは正しいよ、こんな時間にごめんね桜くん。それで本題なんだけど…… 実は桜くんに渡したいものがあってきたんだよね 」
「 渡したいもの……? つか、それ学校じゃだめだったのか? 」
「 うん、出来れば二人きりの時って思って今来たんだけど…… 」
兄の方をちらりと見れば、オレはどかねぇぞと言わんばかりの視線を向けてくる。その視線にニコッとわざとらしい笑顔で返してやれば、オエッと舌を出してそっぽを向く。
「 まじか…… 一旦兄貴追い出すか? 」
「 はぁ?オレよりこんな胡散臭いやつを優先すんの? 」
「 いや、いいよこのままで。いずれは”義兄さん”にも言わないといけないことだったし 」
兄の眉間がピクっと動く。蘇枋の呼ぶ兄という言葉に明らかな違いを感じたからだ。桜の兄ではなく、自分の義兄であるかのような。
ずっと後ろ手に抱えていたひとつの箱を桜に差し出す。中が見えるように上が透明になっている箱の中には焼き菓子が綺麗に並べられていた。
「 はいこれ、バレンタインのお菓子、せっかくだから手作りしてみたんだ。味見はちゃんとしたから味は保証するよ? 」
「 蘇枋…… お前も物食うことあるんだな…… 」
「 そこには引っかからないでほしかったな…… じゃなくて、桜くん 」
お菓子を取ろうとする手をすくいとり、その手にキスをひとつ落とす。ガタッと奥で人が勢いよく立ち上がる音がしたと思えば、生半可ではない殺気が蘇枋を刺激する。ただそんなもので引く程蘇枋も弱くない。
「 オレ桜くんのことが好き。 桜くんが良ければオレとお付き合いしてくれませんか? 」
「 ……は? 」
驚きで固まっている桜を愛おしげに見ていると急に視線の中から桜が消え、胸ぐらを掴まれると同時に素早い拳が飛んでくる。
それを大人しく受け止めれば、片頬に鋭い痛みがする。
「 それをオレの前で言った度胸は認めてやる。だから今、冗談と言うならこれで済ませてやる。
……言えよ、冗談って 」
ひとつも隠そうとしない殺気に肌がピリピリと刺激される。最初から空気が良かった訳では無いが、蘇枋の発言で空気はさらに重苦しいものになり、体感二、三度室内温度が下がった。
「 冗談なんかじゃありませんよ。オレは本気で桜くんのことが好きなんです。撤回なんて一生しません 」
「 そうか、じゃあ歯食いしばれよ 」
再度腕を振り上げる兄。明日顔腫れないといいなとどこか他人事のように考えていると、その振り上げた腕を第三者の腕で止められた。
「 おい!やめろよ兄貴!蘇枋もっ、なんで大人しく殴られてんだ…… 」
第三者とはもちろん桜のことで、先程まで赤みを帯びた顔が一転、青い顔になっていた。だって 桜にとって蘇枋の行動はあまりにも意味不明だったから。 蘇枋であれば簡単に躱すことができたであろう拳を、簡単に受け入れていたから。
「 離せ遥、これはこいつが望んだことだ。お前は引っ込んでろ 」
「 別に望んだことではないですけどね。 ただ殴られるだけで認めてもらえるなら安いものかなって 」
「 誰も認めるとは言ってねぇぞ?てめぇをボコしてそのまま外に捨てる 」
「 認めてもらえるまで帰りませんので安心してください 」
「 だから喧嘩すんなっつってんだよ!これはオレの問題なんだから兄貴は関与してくんな!蘇枋は兄貴を煽るな! 」
桜の言葉に渋々ながら手を離す兄。掴まれた胸元は酷くシワのよっていて、それだけ兄が本気だったということが伺える。
「 悪いな蘇枋…… 兄貴が迷惑かけた…… 」
殴られた頬に手をあてがい、まるで自分が痛みを感じているかのような苦しげな表情をする。
「 ううん、桜くんのことを思えばこんなのどうってことないよ。それよりオレはさっきの告白の返事の方が聞きたいな? 」
あてがわれた手に自分の手を重ね、すりっと頬擦りをすれば、また桜の顔は赤く染まる。隣からチクチクとした視線を感じるが、もはや気にしたら負けとすら思えてきた。
「 っ…… 別に、蘇枋のことは嫌いじゃねぇ…… でもっ、いいのか……? オレなんかで…… 」
「 “なんか”じゃない、桜くんじゃないといけないんだ 」
「 そう、か…… じゃあ…… その…… よ、よろしく……? 」
「 ありがとう、こちらこそよろしくね 」
先程までの重苦しさはどこへやら。部屋は瞬く間に甘い雰囲気に包まれた。顔を赤く染め上げ、唇を尖らせている桜。その唇を奪ってしまおうかと言わんばかりに顔を近づければ、桜の後ろからにゅっと手が伸びてきて桜の唇を覆い、そのまま後ろへ倒す。
「 オレの存在忘れてねぇか? それにオレ許可してねぇんだけど? 」
「 オレと桜くんはもう恋人同士なんですよ? なのに何故義兄さんの許可がいるんですか? 」
「 義兄さんって呼ぶんじゃねぇ!つか、そもそもお前らが付き合うこともオレは認めねぇ! 」
「 義兄さん…… 往生際の悪い男は嫌われますよ? 」
「 お前が言うな! 」
倒された桜の上でまたバチバチと喧嘩をする二人。再三喧嘩をするなと言っているのに全く聞く耳を持たない二人に、桜もたまるものがある。
「 だぁああー!! 喧嘩すんなっつってんだろ!! 聞けねぇなら外出て勝手にやってろ!! 」
何度目かの桜の怒号がボロアパート内に響き渡った。桜はこの時初めて、このアパートに住んでいて良かったと思えたのであった。
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兄 (初期🌸)
🌸の二個上。容姿は初期設定の姿。
女、タバコ、酒が己の三種の神器。ひとつでも欠けたらすこぶる機嫌が悪くなる。
弟と付き合っているわけではないが、ブラコンみが強く色々と手は出している。彼氏ができようとそれは変わらないのかもしれない。
弟 (原作🌸)
概ね原作🌸と設定同じ。🫖のことは(友としての)好意はありつつ別になんとも思っていなかった。今回は流されたけど、徐々におとされていくだろう。
兄には強く出れないこともないが、あとのしっぺ返しが怖い。今回一番の被害者。
この後二人を外に追い出して鍵閉めて寝る。翌朝外に出たら兄は消えていて、身なりが少し崩れた🫖に謝られて、改めてちゃんとキスされる。溶かされる。喰われる。
🫖
概ね原作🫖と設定同じ。最近🌸への恋心を自覚した人。バレンタインが近かったので、それを機に告白しようと企てていたのに、兄に邪魔されて内心かなり機嫌が悪くなっている。
外に出たあと、ちょっと兄と取っ組み合いにはなった。だが🌸の前でもないし、🌸の返事を貰っていたから殴られなかったら、兄がすぐに飽きては闇に消えていった。🫖は帰らずそのまま🌸の家前待機。🌸に謝って仲直り後、昨日の鬱憤を🌸で晴らす(🌸を喰う)。そしてまた追い出される。
後々🌸を一人にすると兄が喰いに来ると気づき、🌸の家に居座るようになるかもしれない。3Pだけは絶対にしないと心に誓ったが……?という展開があるかもしれない。
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長文お疲れ様でした。
皆さんバレンタインはいかがおすごしになりましたか?
最初は🌭🌸を計画していましたが、颯爽とボツになり、この話が出来ました。バレンタインはほぼ無理やり絡めた感じです。本当は🫖の前で兄と🌸がキスし始めたり、それに怒った🫖が🌸を兄からひっぺがして消毒キスをしたり、そもそも最初の段階で🌸にウィスキーボンボンを食べさしたり、ほろ酔いの🌸に🫖が翻弄されたり、などのシーンも入れたかったですが、諦めました。収拾つかなくなりました。誰か書いてください。
それではここまで読んでくださりありがとうございました🙇🏻♀️՞
約5000文字ちょっと
(2026/02/23 20:49:16)
コメント
1件
今回もとても良作でございました 🙏🏻✨ 兄🌸メロいです‼️兄が居ようと告白はするすおさんも漢だ ‼️ シグの🌭🌸見たいですいつか書いてください バレンタインは誰にも作らず貰わずで全くバレンタイン要素のないパンケーキを食べて終わりました 😇