その日、オトメは暗かった
何回話しかけても抜け殻みたいに返事しないし、普段は刺繍をしてるのにそれすらしてなかった
(何かあったのかな?)
「悠里マスター」
『なんだ?』
「オトメ、何かあったんですか?」
『あぁ、要が死んだ』
「うわぁお……そりゃ落ち込みますね」
「ま、どうでもいいですけど」
『……お前ほんと薄情だな
いつもの明るさとは程遠いぞ』
「そう教えたのはマスターでしょ 」
《いつも明るく、好かれるように》
「一応私、あれ守ってんのよ?」
『ははっ、確かに』
「……それで?」
『は?』
「本当はどうなのかって聞いてんのよ」
「 生きてんでしょ、要」
『……お前ほんと俺だな
さすが俺の分身』
「いいから答えなさいよ、どうなの? 」
『ああ、率直に言うと____』
……雨か
うるさいな、黙って欲しい
……そういえば要ちゃん、まだ来てないな
いやそうじゃない
昨日も、一昨日も、三日前も居なかった
(……どうしよ死んじゃってたら
任務は千代崎研究所の要について調査することなんだけど、私がクビになるかも)
まぁいいや、死んでいても
どうにかするし
『山田さん!俺と付き合っ____』
「今そういうの間に合ってるからごめんなさい」
『う”ッ……』
だけど死んでたとして誰が殺した?
実験体ではないだろうな
殺した所で他の研究員に殺されるだけだし
同じ研究員?前調べた時、あのカタコトの外国人が1番仲良さそうだった
あいつか?
そんな事を脳内で張り巡らせていたら
ドアが開いた
もうホームルームの時間か
だけど本当はホームルームまで5分ある
つまり、ドアを開けたのは
『おはよー』
『おはよう!』
『要ちゃん!』
『珍しく遅いじゃん』
『あ〜そう、珍しく遅刻寸前だった』
『どーせゲームでしょ?』
『バレた?w』
要が来た、死んでいなかったのか
だが三日間の空白はなんだ?
体調不良ではないだろう、人一倍そういうのには気をつける子だった
じゃあ、なんで?
脳内ならバレないことをいい事に
私は要に近づいて
「おはよう要ちゃん!
3日も休んでたから心配したよ〜!」
今日もいい子の皮を被る
『おはよう、山田』
この子がこころを開いて
岩音一家殺戮事件の事を話すまで
コメント
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クローン説が頭をよぎった 流石にないか
オォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン…………
うーん…死んだって言う理由、 何なんだ? 上層部から守るためか…?