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ある日のこと。オレの背中に突如、違和感が起きた。
「ない…オレの翼が…!?」
自分の背中を見やると…本当に黒い翼が無くなっていた。決して消されたとかちぎれたとかではなく、そんな感覚は一切ない。
だけど一体誰が……?
ナチュレの元に急ぎ足で廊下を歩き渡っていく。
「おい、入っていいか?緊急事態だ!」
「んぅ?朝からなんじゃ?騒がしいのう…」
「ってそなた!!翼…翼はどうした!?あの真っ黒な天使の羽は…」
「オレにも何が何だかさっぱりなんだ。ナチュレの仕業じゃあるまいな?」
「あ、アホか!わらわがそのようなことするわけがなかろう!恥を知ればいいわ」
初手からそんなこと言われる筋合いはないんだけどな。
「話を変えるが、なにか心当たりはあるか?これじゃ、ピットに笑われるのも今のうちだ。あの女神の野郎にもな」
「ふむ…そうじゃな。」
「普段、地上界に出向く時は人間にバレぬよう、予め翼を奇跡で隠すようにしておる。それとこれとなにか関係があるのではないかとわらわは考えるのじゃが…」
「奇跡はお前ら、女神の得意技だろ?
おそらく…違うとオレは思うぜ?」
「となると…」
「あぁ……」
“詰んでる”としか言いようがない。
どの道、結果オーライとはなるだろう。勝手な想像だが。
しばらくの間、外出は取りやめ、自室で自身の翼が復活するまで待ち焦がれていたのだ。決してこの姿だけはピットに見せびらかさぬよう、警戒を解かずにじっとしている。
「はぁ……今回は飛べそうにねぇな。ちくしょう」
「こんな退屈してたら身体が訛っちまう…クソっ。今回だけは我慢か」
その瞬間、ついにブラピの背中に本当の違和感が近づいてきていた。そう…黒い翼がイキイキと背中へと広がっていくこの感覚…戻ってきたような思いをこの身で味わう。
「一体どういう現象だったんだ?今回の件は…」