この作品はいかがでしたか?
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「辞められない自傷行為」
💎病み
自傷行為、号泣、嘔吐表現あり
※本作品でのメンバー間の“好き”はBL(恋愛)ではなく友達としての好きを表しています
苦手な方は🔙
💎side
今日も僕はメンバーにバレないように自傷行為を繰り返す
バレたらきっと怒られてしまうだろう
暗くなった僕の部屋に鳴り響くふたつの音
皮膚を切り裂く音、そして血を拭き取るためのティッシュを取る音
なんで辛いのか
それは僕にすらわからない
でもきっかけが中学生の時だったことはわかる
「お前ってほんとにバカだよなw」
「まともに運動もできないしデブスだしw」
そんな心無い言葉をかけられ続けた
僕は成績が悪かった訳でもなければ運動が出来なかった訳でも、太っているわけでもなかった
顔は某アイドル事務所にスカウトされたことがあるレベルだった
でも当時の僕は心無い言葉をずっと浴びさせられていたせいか最初こそ気にしていなかったけれど1ヶ月が経つ頃には真に受けてしまっていた
そこで僕が出会ったのが自傷行為だった…
ぴろんっ
1件の通知で目を覚ました
どうやら腕を切ってそのまま寝落ちてしまっていたようだ
何も考えずにスマホを取りメッセージを確認する
トーク画面
🐇「いむくん?起きとるー?」
[不在着信]
🐇「会議始まんで」
うわ…これやらかした感じだ
💎「今から行く」
ほんとに最悪
机も血まみれで拭かないといけない
🐇side
今日も遅刻したいむくん
遅刻という意味では普段通りだったけれど少し様子が違う気がする
🍣「んで、いつ来るって?」
🐇「ん〜わからへん」
🐇「でも多分遅なるな」
🦁「え、あいつ今起きたん?」
🤪「そうやろ」
🐇「なんかいつもと違う気がする…」
🐤「え、いつもと違うって?」
🐇「元気なさそうというか」
🐇「まぁ寝起きやったからってのもあるとは思うねんな」
気のせいだと信じたい
いつも通りのテンションやったらきっとあの時
「えまって会議?忘れてたちぬ」
とか送ってくるはず
だから今日の元気のない単調なメッセージは少し違和感を感じた
🍣「…見てきていいよ」
🐇「んぇ?」
🍣「会議っていってもすぐ終わるような簡単な話だし」
🍣「いむハウス行ってこい!!」
🐇「…えぇ」
🐇「気のせいやったらごめんな」
🤪「俺らは待ってるか」
🐤「そうだね」
💎side
どうせ遅れるんだし少しくらいさらに遅くなったって何も変わらない
そう思って手首にカッターを突き刺す
皮膚を切り裂く音、ティッシュを取る音
1人きりだからこそ、この音がよく聞こえる
ケロイド状の傷跡に再びカッターを押し当てて思い切り引く
これだけで相当深く切れる
でも今日はいつも通り手首を切るだけじゃ満足できない
どうせなら腕の外側も切ってみよう
腕の外側なんて学生の頃以来だ
あれから30分ほど経っただろうか
腕の外側や内側の全てを切っても満足できなくて右手首まで切った
そろそろ片付けようと思った瞬間久しぶりに聞く音が聞こえた
ぴーんぽーん
インターホンなんて普段は鳴らない
宅配便だって身バレしたくないから宅配ボックスに入れてもらってる
インターホンが鳴るということは家族かメンバー、友人が来たということだ
ぴっ(インターホン確認)
あ、初兎ちゃんか
どうせ家上がってこないだろうしこのままでいいや
💎「はーい…」
🐇「まだ準備中?」
💎「うん…w」
🐇side
やっぱり何かがおかしい
声に抑揚がなかった
🐇「玄関の前まで行ってもええ?」
💎「…いいよ」
🐇「はーい」
そういってオートロックを開けてくれた
…多少の間があったのは不自然だったけれど
いむくんのマンションに来ること自体久しぶりだ
とりあえずエレベーターに乗り階数を選んだ
このマンション地下があるのにエレベーターでいけないんやな
なんてどうでもいいことを考えてしまう
いむくんのことが大切なのに、
そう考えてるうちに到着した音がした
いむくんの部屋は右だったか左だったか
記憶を辿る
…きっと左だ
とりあえず歩こう
そう思っていた見慣れた名字が目に入った
あ、ここの部屋や
ぴーんぽーん
10秒ほどで寝起きの髪が乱れたいむくんが出てきてくれた
💎「ほんとにごめん…w」
🐇「いや全然!!」
少し笑う割には元気がなさそうだった
🐇「いむくん?体調悪い?」
💎「別に」
🐇「とりあえずないちゃんの家行こ」
そういっていむくんの腕を掴み歩こうとした
💎「ぃ”ッ、」(腕を振りほどく)
🐇「うおっ、」
💎「あ、あぁ…ごめん」
やっぱり何かおかしい
おかしい、でも理由が思いつかない、見つからない
とりあえず謝ってないちゃんの家に行こう
それまでにきっと理由が見つかるはずだ
🐇「痛かった?ごめんな」
💎「…大丈夫!!」
🍣side
🤪「ん〜暇やな」
🐤「んね〜」
🍣「とりま1回初兎に連絡取るわ」
🍣&🐇 トーク画面
🍣「初兎ちゃんー?」
🐇「ん?」
🍣「いむどうなった?」
🐇「まぁ元気そうやで!」
🍣「りょかい」
🍣「今俺の家向かってる感じ?」
🐇「おん!」
🍣「気をつけて来てね〜」
🐇「はーい」
🦁「ん、どうや?」
🍣「今向かってるって」
🤪「んであいつ体調どうなん?」
🤪「元気なさそうみたいなん言ってたけど」
🍣「あ〜なんか大丈夫らしいわ」
🐤「でも最近収録頑張ってるみたいだし疲れてんのかもね」
🦁「そうやな」
ぴーんぽーん
🍣「あ、いむしょーだ」(確認しながら)
モニター越しだけど確かに元気なさそうだ
まぁ会議できればなんでもいいと思う
🍣「開いてるから入ってきな」(インターホン出る)
🐇) 「りょかーい」
💎) 「ん、…ありがと」
確かに声に抑揚とかないし眠そうな雰囲気だな
実際寝起きっぽいし
早く会議終わらせてあげるか
がちゃ
🤪「Welcome to The…」
🤪🐤🦁「ないこはーうす!!!!」
💎「うわぁっ」(驚)
🍣「んふ、w」
🐇「そのセリフちょっと久しぶりやな」
🤪「まじ?w」
🦁「んー…でも久しぶりやな」
💎「確かに久しぶりかも!?」
急に元気になるほとけ
あれは気のせいだったのかと思う
🍣「お前はあんま俺の家来てないだけな」
🐤「いつもりうらと遊びに行くもんね」
🍣「え〜俺も誘ってよ」
🐤「ないくん忙しいじゃん」
🍣「誘ってくれればどうにかするから!!」
🐤「じゃあ今度めっちゃバズってるカフェ行こ」
🍣「奢ってやるよ…りうらぁ…」(イケボ)
🐤「やっぱきもいから却下」
💎「はいないちゃんの方が僕よりきもい〜w」(煽)
こいつ普通にうぜぇ…w
正直元気ならなんでもいい
🦁「てかもう昼やん」
🍣「え、あ、ほんとだ」
🤪「まろお腹空いた〜」
🤪「あにきのご飯食べたいなぁ…」
🦁「ないこ?冷蔵庫とか借りても大丈夫か?」
何でこいつら俺の家で食べる気満々なんだよ…
という気持ちは置いといてメンバーと食べるのは俺も好きだ
冷蔵庫にエナドリしか入っていないのは完全にやばい
🍣「ん〜別にいいけど…多分エナドリしかないよ」
🦁「まじ?確認してもええ?」
🍣「全然好きに使って」
💎「え、ないちゃん家の冷蔵庫勝手に使っていいの!?」
💎「なんか食べよーっと」
🐤「えーりうらも」
🍣「お前ら人の話聞いてた?w」
🤪「エナドリやったら俺貰うわ」
🍣「ちょっとだけならいいよ?w」
🦁「お、チャーハン作れるわ」
💎「がてぃ!?」
🐇「中華料理店バイトのいむくん行ってこい!!」
💎「はいー」
🤪「いればとみたいなノリやめてやWWW」
やっぱこいつらおもろいと思う
俺の人選神すぎないか?
こんなおもろいメンバー集められて…
なんて自画自賛をしていたら突然叫び声が聞こえた
💎「ぎゃぁぁぁっ」
🦁「うおw」
🐇side
🤪「どないしたん?」
💎「初兎ちゃんがくすぐってきたの!w」
🐇「僕やないで」
💎「え、誰!?」
🍣「おれ〜!」
🦁「今包丁使ってて危ないからやめ、」
🍣「ごめん…」
💎「え、ないちゃん家って絆創膏ある?」
🤪「は?怪我したん?」
💎「人差し指切っちゃった…w」
🦁「心臓より上あげとき」
💎「なんかそれ聞いたことある」(軽く手あげる)
🐇「ん、いむくん?腕どないしたん?」
雑に巻かれた包帯が見えた気がした
いむくんの事だからまぁ転んだのだろう
💎「え、あ、えぇ…いや別に!?」(焦って腕下ろす)
🦁「なんやねんその反応w」
🍣「絆創膏持ってきたけど要る?」
💎「ありがと」
🍣「どこ切った?」(絆創膏開けながら)
少し焦っている
なんでだ?
今日のいむくんはやっぱりおかしい
何かが違う
💎「左手の人差し指」
🍣「手出して」
💎「ん、」
🍣「消毒するよ?」
💎「お願い」
🍣「痛かったら言って」(消毒しながら)
💎「っ、いた”…」(反射で腕逸らす)
🤪「えお前ほんとにどうした?」
肘の近くまで捲れた袖
見えるのはいむくんの肌やない
包帯やった
角度的にもメンバー全員に見えているだろう
💎「いや、ちがっ…」
突然涙目になるいむくん
泣くほどのことじゃないはずだ
🦁「ほとけ?一旦隣の部屋行こ」
💎(無言で頷く)
着いて行った方がいいのか待っていた方がいいのか
迷っていた
🤪「見に行くな」
突然まろちゃんが耳打ちしてきた
🤪「初兎とりうらは待っとき」
🤪「特にりうらやな」
🍣「俺は…?」
🤪「…行ってこい」
🤪「ーーーーーー?」(🍣に耳打ち)
🍣(頷く)
なんの話や?
全くわからんかった
🤪「俺はお前らと待ってる」
🍣side
まろから言われた
「ほとけが暴れたりパニックになったらすぐ戻って俺を呼べ」
その言葉に少し怯えつつも隣の部屋へと向かう
隣の部屋はほとんど使っていない
それをあにきも知っていたから隣の部屋を選んだのだろう
🦁「ここ、自分でやっちゃった?」
💎「…」(無言)
🍣「…あにき?」
🦁「ん、ないこか」
🦁「ほとけ?俺らも怒るつもりはないで」
💎「こんな、ことッ…きもい…よね」
🦁「別にきもくないで」
💎「ッ、はっ…ん”〜ひぐっ、泣」
🦁「泣かんといてや」
🦁「大丈夫やから」
💎「げほっ…ん”ぇ…はッ」
ぴしゃっ…べちゃっ
突然の嘔吐、理解が追いつかない
💎「はッ、ごめんさぁッ..や”っ、泣」
🍣「いむ?大丈夫だよ、落ち着こっか」(近寄る)
💎「やぁっ、」(近くの物を投げつける)
ごっ…(🍣に当たる)
何が起こったのか全くわからない
頭の痛みしか考えられなくなった
何が当たった?何が起こった?
🍣「ッ、」
🦁「ないこ?大丈夫か?」
🍣「だい、じょぶ」
あぁ、そうだった
まろを呼びに行こう
🤪side
隣の部屋から物音がした
向かった方がいいのだろうか
🐤「ん、」(🤪に近寄る)
🤪「ん?」
🐤「あ、いや…」
🤪「んーどないしたん?w」
🐤「物音にちょっとびっくりしただけ」
🐇「…はぁ」
🤪「何が起こっとるかわかったん?」
🐇「大体察したけど…なぁ」
🐤「りうらも…うん、」
がちゃ
🍣「ま、ろ…」(頭抑えながら)
びっくりした
俺を呼びに来たないこが頭を抑えていた
🤪「物投げられたんやな」
🍣「なん、で…わかる…..の?」
🤪「音聞こえたし…話さんかった?」
🤪「学生の頃の話」
🍣「…?」
🤪「まぁ後で話すわ」
🤪「りうらと初兎は氷用意してあげて」
🐇「おん」
🤪「ないこは氷で冷やしとき」
🤪「あと…ないこが吐いたり意識失ったら呼んでや」
必要最低限の指示を出して別室へと向かった
💎「ッ、泣」
🤪「ほとけ?」
💎(顔を上げる)
興奮状態は静まったようだった
周りに吐瀉物が広がっている
恐らく泣きすぎたせいで吐いてしまったのだろう
幸いにも服には付着していないようで手だけが汚れていた
🤪「あにき?」
🦁「なんや?」
🤪「こいつのバッグ持ってきて」
🤪「あと掃除用具も」
🦁「了解」
俺がバッグを持ってきて欲しかったのは薬の確認だった
🦁「これ、ほとけのバッグ」(渡す)
🤪「多分もう暴れたりせんから掃除してほとけの様子見といてや」
🦁「了解」
バッグの中を見る限り薬はなかった
薬どころかほとんど物が入っていなかった
こんなに症状が重いのに病院にすら行ってないようだった
ほとけは確かに馬鹿でアホだ
でも流石にここまで酷いのに病院に行っていないとは思いもしなかった
🤪「薬ないな」
🦁「なんの薬探しとるん?」
🤪「抗不安薬」
🤪「ここまで症状酷いんだったら病院にも行ってるだろうし何かしらありそうだったんだけどな」
🦁「やっぱこいつ…」
🤪「すぐに病院連れていってあげんと…怖いな」
🦁「…まろの友達やっけ?」
🤪「そうそう」
学生の頃今のほとけと同じような状態の友達がいた
最初は普通だった
でもいじめが原因で精神病を患い入院した
そんな友達のことを思い出した
別に俺は看護師や医師を目指していた訳では無い
親友の為にどんな対処を行えばいいのか勉強していただけだ
🦁「ほとけ寝たけど…どうすればええん?」
🤪「一旦そのまま床で寝かしといて」
🦁「了解」
🤪「あにきは怪我ない?」
🦁「おん」
あにきはほとけのことを押さえつけていた
俺みたいに何か勉強していた訳ではない
完全に脳筋だ
実にあにきらしい
🤪「ほとけのこと見てもらえる?」
🦁「全然大丈夫やで」
🤪「ないこ怪我しとったやろ?様子見てくるわ」
そういって再びリビングへと向かった
🐇side
がちゃ
🤪「遅なったわ」
🍣「いむは?」
🤪「ん〜落ち着いて寝た」
🍣「そういえば学生の頃の話って?」
まろちゃんは学生の頃の話を全部話してくれた
でもそれと同時にいむくんの精神状態が良くないことがわかった
心配で仕方がない
🍣「え、だからあんな冷静だったの?」
🐇「…」
🤪「初兎?」
名前を呼ばれて思わずびっくりしてしまった
🐇「ん、?」
🤪「安心し、その友達今は元気やで」
このままやといむくんはどうなるのか
そんな心配をしていた僕のことは全てお見通しだったようだ
🐇「…良かった、」
🐤「…じゃああの腕って」
🤪「…まぁ自傷やろ」
🍣「だよね…」
がちゃ
💎「ないちゃん…?」
💎「ほんとに…ごめんなさい」
🤪side
🍣「ん、いいよ」
🤪「ほとけ?話があるんやけど…聞いてくれるか?」
💎「ッ、…いいよ」
💎side
あぁ…きっと怒られちゃう
こんなことしてるなんてきもいもんね
学生の時だってみんなにきもがられたもん
🤪「病院、行ってないやろ」
💎「んぇ…?」
🤪「…辛くないん?」
辛いは辛いけど理由はわからない
本当になにもわからない
💎「…わかんない、辛いけど」
🤪「きっと家でもあんな感じで過呼吸になることあるよな」
いふくんはなんでこんなに僕のことを知っているのか
本当に驚いちゃった
💎「結構…あるかも、」
🤪「そのままやと…まずいんやない?」
🦁「俺らは少なくともまずいと思う」
🐤「いむのことが大切だからね」
びっくりした
こんなことをしてる僕が大切だなんて
思いもしなかった
🤪「病院行って治さん?」
🤪「俺もな学生の時あってん」
💎「…いふくんが?」
🤪「俺やなくて俺の友達やけどな、ほとけと同じような状態の友達がおって」
🤪「…控えめに言ってあの状態はやばかった」
💎「どうすれば…いいの、?」
🤪「病院に行ってちゃんと治療受ければ大丈夫やで」
💎「治る…?」
🤪「ほとけが頑張ってくれたらちゃんと治んで」
🤪「病院いける?」
💎「うん、」(頷きながら)
🤪side
思っていたよりも大人しく俺の提案を受け入れてくれた
🤪「あんま聞いたら良くないかもやけど…」
🤪「いつから切っとった?」
💎「んー…」
💎「…中学生くらい?」
🐇「え、今まで1回も辞めてないん?」
💎「うん、…」
🤪「そうなんやな…」
💎「え、てか僕お腹空いた」
🍣「さっき吐いてたもんな」
💎「それ関係なくない!?」
🐤「え、吐いてたの?」
💎「気持ち悪かった訳じゃないんだけどね〜w」
🤪「まぁ泣きすぎたんやろうな」
🐇「まぁ今は大丈夫そうやし良かったわ」
🦁「よーし…んじゃご飯作って会議しような」
𝑒𝑛𝑑
あとがき
ちなみに7000文字超えてます
ここまで読んでくれて本当にありがとうございます😭😭😭😭
コメント、いいね、フォローはめちゃくちゃモチベに繋がるのでぜひ!!
モチベ上がると投稿頻度も上がります🙄
コメント
3件
本当に神作すぎます😭まじで大好きです😭
まじで豆腐さんのお話だいすきです ほんまにお話の構成神ってるし、おうと表現めちゃんこうまいしまじで最高でした これからも頑張ってください^ ^
はい!!先生💎裙の気を失わせて欲しいです((( 今回は、🍣ちゃんに当たったけどそこを自分にあたって頭から血が出る的な((( あと、精神科医ってパニクっちゃう的な…(((