皆様こんにちは!
今日からせーむとなりました。
せーむと申します。
もう話すことがないのでどうぞ〜↓
初っ端からベラ日です。
⚠️政治的意図やはございません。
ご了承された方は、お進み下さい。
ロシアの広大な執務室は、相も変わらず静謐な冷気と、窓から差し込む冬の光に満ちている。
ベラルーシは厚地のカシミアコートを纏っているのに、どうにも心がざわついて落ち着かない。
その原因は、ロシアの隣で楽しげにお茶を飲んでいる、あの島国にある。
日本「ロシアさん、この蜂蜜入りの紅茶、格別でございますね。私も、自分の家で試してみたいです。」
日本は優雅な所作でカップを傾ける。ロシアはそれを見て、普段の無愛想さが嘘のような、柔らかい表情を見せた。
ロシア「そうか、気に入ったか、日本。お前にそう言ってもらえると、俺も嬉しい。」
ベラルーシ「……ふん。紅茶に蜂蜜など、お子ちゃまのお前にしか通用しない幼稚な嗜好ですわね。わたくしは、そのような甘ったるいものは結構ですわ。」
ベラルーシは憮然とし、プイと顔を背ける。
ロシアはベラルーシに対して少し呆れるだけで、特に何も言ってこない。もうそれは、一種の諦めも混じっていた。
日本「ふふ、そうでございますか。ですが、ベラルーシさんのご自宅の紅茶も、さぞかし美味しいのでしょうね。いつか、貴方のお国のお茶もいただいてみたいと存じます。」
日本はにこやかで穏やか、まるで波一つ立てない湖面のような態度でベラルーシに話しかけてくる。
その態度が、またベラルーシの神経を逆撫でする。
‹いつもそうやって、穏やかに、優しく接してくる。それが兄様を惹きつけている要因に違いない。›
ベラルーシ「どうしてわたくしなどと。お前はどうせ、兄様とご一緒の方が楽しいに決まっておりますわ。……というか、お前のような者をわたくしの家にお招きする義理はございませんわ!」
声が少し大きくなってしまった。ロシア が、のっそりとベラルーシの方へ向く。
ロシア「ベラルーシ。いい加減にしろ。日本に失礼だぞ。」
ベラルーシ「……すみません、兄様。でも……!」
「でも」の後に続く言葉が見つからない。
「だって、兄様は最近、こいつのことばかり気にかけて……」
なんて、ベラルーシのプライドが許さない。この胸の奥にある、醜い感情を知られたくはないのだ。
日本「ロシアさん、ベラルーシさん。お気になさらないでください。私は、ベラルーシさんのご心中、お察しいたしますから。」
日本は、ベラルーシの張り詰めた空気を和ませるように、静かに言った。
日本「私も、貴方の大切なロシアさんを、大変尊敬申し上げております。ベラルーシさんの、ロシアさんへの想いが強いからこそ、私のような者が側に参りますと、面白くないのは当然のことでございましょう。」
その言葉に、ベラルーシは息を飲んだ。まさか、日本が、ベラルーシのロシアへの感情を、このように冷静に言い当ててくるなんて。
ベラルーシ「な、何を勝手に……! わたくしは、別に兄様のことが大好きな訳じゃ……!」
慌てて否定しようとするが、言葉は途中で詰まり、心臓が五月蠅いほど高鳴る。
「ベラルーシさん。」
日本の声にはっと顔を上げる。
日本は、いつもの笑顔ではなく、真剣な瞳でベラルーシを見つめた。その視線に、ベラルーシは酷く動揺してしまう。
日本「私は、ロシアさんの大切なご兄弟として、貴方にも敬意を持って接しております。貴方は、ロシアさんにとって大切な存在でいらっしゃるのですから。」
その言葉が、ベラルーシの胸にチクリと刺さる。
ベラルーシ「、うるさいですわ! お前になど、わたくしの気持ちが分かってたまるものですかっ! ……もう私は行きます! 寒いところに長居なんて毒でしょう!」
ベラルーシは、扉を閉めるのも忘れ、勢いよく部屋を飛び出した。
「全く、手のかかる奴だ」と、兄様の呆れたような声が聞こえた気がした。
兄様が大好きなのに。兄様の傍にはわたくしだけで充分なのに。
廊下を早足で歩きながら、ベラルーシは唇をきつく噛んだ。
その時、背後から、誰かが小走りで追いかけてくる気配がした。
日本「ベラルーシさん、お待ちください!」
ベラルーシ「なんですの! まだわたくしに何かご用がありますの!」
苛立ちを隠さずに振り向くと、日本は息を弾ませていた。ベラルーシの為に、わざわざ暖かい部屋から飛び出してきたというのだろうか。
日本「……これ、貴方のハンカチではございませんか? 先ほど、お席を立たれた際に、コートのポケットから落ちておりましたよ。」
日本は、ベラルーシの国旗と同じ、白と赤の刺繍が入ったハンカチを、差し出してきた。
ベラルーシ「……っ、結構ですわ! 汚らわしいものですから、すぐに捨てなさい!」
ベラルーシは乱暴にそう言ったが、日本は怯むことはなかった。
日本「そういう訳にはいきません。大切なものでございましょうから。」
そう言って、日本はベラルーシの手に、そっとそのハンカチを握らせた。手が触れた一瞬、日本の体温が、ベラルーシの冷え切った手に伝わる。
それは、兄様の力強い温かさとは違う。けれど、どこかホッとするような、優しさに満ちた温度だった。
日本「外は雪が深くなってまいりました。お気をつけて、お帰りになってください、ベラルーシさん。」
日本は、そう言って、優しく微笑んだ。
ベラルーシは、何も言い返すことが出来なかった。ただ、握りしめたハンカチの温かさと、日本の笑顔の残像だけが、ベラルーシの心を占めていた。
ベラルーシ「……っ、……馬鹿。」
小さな、ベラルーシにしか聞こえない声で、そっと呟いた。
「別に、お前のことなど……好きではございませんわ…馬鹿。」
その時、ロシアに対する想いとは違う、特別な感情が動き出した。
続編、出しましょうかね〜…
あっ、ありがとう御座いました!
コメント
2件
最高です 本当にありがとうございます