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人間は、死ぬために先に進む
死ぬために生きている
なのに、人間は死ぬのを嫌がる
おかしいと思わないか
僕は、死ぬために生きてきた
今日を、ずっと待っていた
僕の夢が叶うんだ
ああ、やっと死ねる
ここから飛び降り自殺をするんだ
学校の最上階から
身体がぐちゃぐちゃになって
跡形もなくなる
最高じゃないか
ここに靴を揃えておけば、自殺だとわかるだろ
誰もいない
この静かな場所で
僕は今
死にます
「あれ、飛び降りちゃうの?」
「えッ」
「私は死にたいなんて思ったことは無いけどな」
「、、、それは君が生きたいって思ってるからじゃないの?」
「そっか、私は生きたいって思ってるのかー」
彼女は何をしにきだんだろうか
死のうとしている理由を聞く、
止める
なにもしない
「私は、貴方が死ぬのを止めたい」
「、、、急に何」
「貴方が死にたいと思っている」
「、、、そうだけど」
「私は生きたい。真反対だね」
「だ、だからなに?」
「貴方に生きたいという感情を生み出させたい」
生まれるわけがないのに
「それが、私の使命だから」
使命、なんともわからない言葉だ
「何の話」
「だーかーら、私は」
「貴方に死んでほしくないの」
死んでほしくない
そんなことを思ってくれる人間がいたんだな
「で、僕にどうしろと?」
「貴方の1年間を、私に頂戴」
1年間
別に、死ぬのはいつでもいいか
生きる意味もないし
ちょっとくらい期間が延びても大丈夫だろ
「いいよ、あげる」
「その言葉、覚えててよね」
この人間は僕に生きる理由を生ませようとしている
それなら、僕はこの人間に死ぬということをどういうことか、
伝えよう
「僕は、君に死ぬとは何かを教えてあげるよ」
「いいじゃん」
「死にたい僕と、生きたい君の」
「「最後の1年間」」
「絶対に死なせない」
「はいはい」
「貴方の名前は?」
「え、君の名は。みたいな感じで聞くじゃん」
「今関係無いよね」
あと1年で死ぬ
名前くらい、いいだろ
「瀬屑玲生」セクズ レオ
「君は?」
「藤生矢音」フジセ シオン
誰だろうか
学校の生徒、ではあるとは思うが
顔も名前も見たことも聞いたことも無い
「瀬屑君ってさ、2年だよね」
「そうだけど」
なんで知っているんだ
「私1年」
ああ、だから知らないのか
新入生とは合う縁が無いから
知らないのはおかしくない
僕は先輩、なのか
「タメ口でいいよね」
「肩苦しいの嫌いだし」
あと1年の人生だ
最期くらい_っても、いいよな
「好きにすれば」
「ありがと」
「それで、なにするの」
「決行は明日から」
明日から
なんとも呑気だ
「別に悪くないでしょ?」
この日から、僕と君の
約束ができた
死にたい僕と生きたい君