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『 …まぁ、そんなとこです 』
「 なんか、めんどくさい奴だな、そいつ 」
『 へ? 』
「 いやだって、女好きで人たらしのくせに幼馴染のお前に束縛もどきなことしてるとか、意味わかんねぇよ 」
確かに考えてみれば彼の言う通りだ
遊大に私のことをとやかく言う権利も束縛する権利もない
勝手に向こうがやってきて、私がしぶしぶ従っているだけ
『 確かに。私、もう遊大のそばにいなくてもいいかな… 』
正直、幼馴染だからというのは仕方ない部分もあるとは思っていたが、遊大の隣にいるのも限界だった
人たらしで明るく朗らかで誰とでも仲良くできる彼の周りには、いつも人だかりができていたし、女の子が多かった
彼女たちからしたら私は邪魔者以外の何者でもない
厭悪の目を向けられることは少なくなかった
「 やめちまえば。そんなに思い悩むくらいなら一度距離を置いて考えてみるのもありだろ 」
『 ん、それもそうか。…私、考えてみる 』
『 ありがとう。えーっと、 』
「 國神錬介 」
『 國神くん、話聞いてくれてありがとう。なんかスッキリしたや 』
「 それならよかった。俺でよければいつでも話聞くから。あんま思い詰めんなよ 」
『 うん。ほんとにありがとう 』
もう一度お礼を言って、互いに連絡先を交換して彼とわかれた
歩きながら、先程のことを思い返してみる
強面な雰囲気からは想像できないほど温厚な人で驚いた
私がなかなか言葉にできなくて、拙い文になってしまっても相槌をうちながら聞いてくれた
『 國神くん、か…。優しいなぁ 』