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第十話 星核を巡る戦い
星の都の地下。
ゼロが消えた後、静寂だけが残っていた。
レインは手の中にある黒い欠片を見つめていた。
黒星騎士が最後に残したもの。
ただの力の欠片ではない。
そこには、確かに意思のようなものが残っていた。
「……」
リリアが隣に立つ。
「後悔してる?」
レインは首を横に振る。
「分からない」
「でも」
欠片を握る。
「あいつは最後に、自分の意思で選んだ」
「それだけは無駄にしたくない」
リリアは少し黙った。
そして小さく言う。
「あなたは本当に星喰いらしくない」
「それ褒めてる?」
「……たぶん」
少しだけ空気が和らぐ。
しかし。
アークの声が響いた。
『警告』
『第二星核の反応が変化』
レインが振り返る。
「第二星核?」
巨大な黒い結晶。
先ほどまで静止していたはずのそれが、ゆっくりと脈打っている。
まるで心臓のように。
『解析』
『第二星核は単なるエネルギー源ではない』
『封印装置として機能している』
「封印?」
リリアの顔色が変わる。
「まさか……」
「何?」
彼女は震える声で答える。
「星喰いが封印した存在」
「その封印が弱まっている」
次の瞬間。
地下施設全体が大きく揺れた。
壁に亀裂が走る。
古代都市全体が悲鳴を上げているようだった。
「何が起きてる!」
レインが叫ぶ。
『封印対象、覚醒開始』
『推定復活時間』
『十時間』
「十時間……」
リリアは剣を握る。
「急がないと」
「何をすればいい?」
「封印を強化する」
「方法は?」
リリアは中央の水晶を見る。
「第二星核を正しく起動させる必要がある」
レインは目を細める。
「つまり……」
「俺が使うしかないってことか」
二人は都市中心部へ向かった。
そこには巨大な祭壇があった。
中央には星の形をした台座。
第二星核を置く場所。
レインが近づく。
すると。
『適合者確認』
『最終試験開始』
周囲の空間が変化した。
「また試練かよ……」
目の前に現れたのは。
もう一人のレイン。
「……俺?」
姿も声も同じ。
だが。
その目には感情がなかった。
『未来の可能性を確認』
『星喰いによる破壊』
偽のレインが手を伸ばす。
すると世界が変わる。
燃える街。
崩壊した大地。
逃げ惑う人々。
その中心にいるのは――
黒い力を纏ったレイン。
「違う……」
『これが星喰いの未来』
『力を求め続けた結果』
偽のレインが言う。
「お前は結局、怪物になる」
レインは拳を握る。
「……」
怖かった。
本当にそうなる可能性がある。
力を使うほど、自分が変わってしまうかもしれない。
でも。
「俺は……」
レインは前を見る。
「未来の俺に決められるつもりはない」
黒い光が集まる。
「俺が怪物になるかどうかは」
「俺自身が決める!」
偽のレインが攻撃する。
黒い星の力。
同じ力。
同じ速度。
しかし――
レインは攻撃を受け止めた。
「俺はお前を倒すために来たんじゃない」
「……?」
「受け入れるためだ」
偽のレインの動きが止まる。
「怖い」
「この力が怖い」
「でも、それを理由に逃げたら……」
「本当にお前みたいになる」
レインは手を伸ばす。
《星喰い・救済》
黒い光が偽のレインを包む。
すると。
偽の存在は消えていく。
『試練達成』
『第二段階認証』
『能力解放』
《星喰い・星核接続》
現実へ戻る。
レインはゆっくり目を開けた。
手の中の第二星核が光っている。
「成功した?」
『肯定』
『星核との接続完了』
その瞬間。
空間に巨大な映像が浮かんだ。
そこに映ったのは――
白い仮面の男。
ゼルグ。
しかし、その隣にはさらに別の存在がいた。
黒い王座。
そこに座る影。
『準備は整った』
『新たなる星喰いが生まれた』
ゼルグが跪く。
「我が王」
レインの表情が変わる。
「王……?」
影がゆっくり顔を上げる。
『ようやく会えるな』
『我が後継者』
アークが震える。
『警告』
『存在解析不能』
『対象名称――』
『始原星喰い』
世界の始まりから存在した、最初の星喰い。
その目覚めが近づいていた。
レインは拳を握る。
「俺は……」
「一体何と戦うことになるんだ」
答えはまだない。
しかし。
星喰いの本当の物語は、ここから始まる。
コメント
1件
第10話、めっちゃ熱かった!偽の自分との戦いで「受け入れる」って選択をするレイン、かっこよすぎる…。怖いから逃げるんじゃなくて、未来を自分で決めるって stance、まさに星喰いの主人公だわ。最後の始原星喰いの登場で世界観が一気に広がったし、続きが気になりすぎる🔥 封印のカウントダウンも焦らし方が上手い!