「はるく、おくすり、ちょぅだぁぃ…?」
藤士郎が僕の店に来てから早くも、半年がたった。
あれから、藤士郎は1ヶ月ごとに店に来ていた、だが最近はほぼ毎日来て薬を買っている。最初は、晴くんと一緒にいると落ち着く、最近は晴くんが居ないと生きてけない、と言ってくれるようになった。すっかり薬に依存してしまったようだ。薬に依存するということは僕に依存するということ、なぜならあの薬は僕が特別に藤士郎だけに作ってるものだからね。
「ねぇ、藤士郎。お薬に依存しちゃってさ。しんどくないの、?薬飲みすぎだと思うけどねぇ…。」
「ぜんぜぇん、くるしくらぃよ、?」
肉体的には快適な睡眠が捕れているんだ、そりゃあ苦しくないだろう。じゃあ、精神的には?薬は精神を徐々に蝕んで行っている。それに気づかず。否、気づかない振りをしているのだろう。
そうだ、何故藤士郎がこのような幼子の様な可愛らしい喋り方なのか気になった人も居るだろう。それは、僕が特別に調合した香の効果だ。それと、薬。あと、藤士郎から聞いた話によると僕の匂いや店の匂いが着いた場所や物を嗅ぐと頭がふわふわして僕のことしか考えられなくなるらしい。香の調合を何度も試した甲斐があった、嗚呼、成功だ。
「そぅ、だったらいいんだけど。」
使用容量を守らず、依存してしまった藤士郎の自己責任だ。僕が無理やり薬を辞めさせ元の生活に戻してやる義理はない。しかも、今は僕の言うこと何でも聞いてくれるし恋人じみたことをしても怒らないから僕にとっては得だ。
「ねぇ藤士郎今日家、泊まる?」
「ぇ、!いいの、やったぁ、!」
何時もは薬がないとどこで寝ようと、どんな寝具を使おうと眠れないが、僕の匂いが着いた場所なら薬に頼らずとも眠れるだろう。
「んふふっ、はるくんとおとまりっ!」
鼻歌を歌いながら僕の膝に乗っている藤士郎は本当に可愛い、食べてしまいたいぐらいにね。
弦月side
「ぁれ、僕何してたんだっけ……、?」
昨日の記憶が曖昧で、頭に霧がかかった様に思い出せない。
確か、出かけて、そのまま……。わからないや。 最近、急に記憶が無くなってしまうことがよくある。何時からだろうか、そうだ、あの晴藤屋に行った日から最初は1ヶ月周期で記憶がところどころ無くなって次は2週間に一回、最近はほぼ毎日。おかしい、絶対におかしい。今度神から授かった護符をもって晴藤屋、言って聞いてみよう。
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