テラーノベル

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⚠️あらすじを必ず読んでから閲覧してください⚠️

以下注意点↓

•色々血迷って書いたイタリア×日本の小説です。

•イタリアが日本大好きです。そしてかなり病んでます。

•色々あって日本が記憶喪失です。

•その他、捏造設定が大量にあります。

•無駄に長いだけの駄文です。

•恥ずかしくなったら消します!!!


久しぶりすぎる投稿がこんなグチャグチャの小説でごめんなさい🙇‼️

割と頑張って書いたので生優しい目で呼んでください…





初めて君を見た時、思わず息を飲んだことを今でもよく覚えている。何十、何百、何千と経った今でも覚えている。

私が見た太陽は、目を焼くほど美しく輝いていた。





草花の香りが私の鼻をくすぐる。その香りに誘われて沈んでいた私の意識が浮上した。

――草花?

違和感を覚えて、うっすらと目を開けてみると、辺りに何の建物もないことに気がついた。ビルもないし、スーパーもないし、住宅も見当たらない。見慣れた古びた街灯もビカビカと光るネオンの看板もないので素朴に光る月が一層映えている。まるで“彼”と初めて出会った時に戻ったような風景に、寝起きながら少し感動する。


――本当に、“彼”と出会ったあの草原みたいだ。もう今は夜だけど太陽が出ている時間帯はきっと、もっと美しいんだろうなぁ。草原の花が太陽の光に照らされて…ん?草原?


……いや、待て意味がわからん。何でこんな草原で私は爆睡をかましていたんだ?あとこの草原どこだ。

寝ぼけて回らない頭をガシガシと掻きむしる。

「あ、そうだ」

私はこの土地の調査を任されてここに来たんだった。そして一通り調査したその後、疲れ切った私はここでシエスタをしたのか。

流石の私も夜までぐっすり眠ることはないと思っていたのだが、どうやら私は自分の寝汚さを見誤っていたらしい。

「さて、どうしようか」

今から徒歩で帰るのは、正直かなり面倒だ。疲れも、眠った事で軽減されたとはいえまだ残っている。誰かに連絡して迎えに来てもらっても良いが、出来るだけ借りはつくりたくない。ならば“彼”は?“彼”は貸し借りなど気にしない、純粋無垢な性格だ。迎えに来てもらうには丁度良いだろう。そう丁度良い。

――丁度良い、んだがなぁ……

正直、“彼”を穢れた損得で利用するのは大いに憚られる。それに“彼”は案外冷酷だから、“彼”に利用した事がバレて失望でもされた暁には、唐突に音信不通になって徹底的に距離を置かれるかも知れない。最近ようやく再会できて、また仲良くなれ始めたんだ。それだけは何としてでも避けたい。

「でなきゃ80年も探し続けた甲斐が無いだろ」

80年。長かった。もし私が国の権化で無かったら、きっともう会えなかっただろう。この点に関してだけは自分の出生に感謝しよう。そのおかげで希望を抱き続ける事ができたのだから。だがまあ、会えたところで自分が傷つくだけだったとは、夢にも思っていなかったが。

まさか全てを忘れていただなんて。今でこそ懐いてくれているが、再会した当時は本当に……

「……イタリアさん?」

「っ!?」

背後から突如として聞こえた声に、私は思わず勢いよく振り向いてしまう。その反動か、はたまた本来ここにいるはずのない人物の登場に対する動揺か、頭がクラクラと揺れた。

――どうして“彼”が……

「よ、良かったぁ…ここにいたんですね」

「――日本クン」

「もう、探したんですよ?一緒にご飯食べに行くって言ったのに、全然来ないから……俺、何かしたのかなって」

息を切らしながらそう言う彼を見て、約束を破ってしまった気まずさに耐え切れず顔を伏せる。ふと彼を盗み見れば、見慣れた彼のスーツが汚れていることに遅れて気がつく。恐らく、本当に私を探し回っていたのだろう。

――そんなに必死にならなくても、とはいえないよなぁ

孤独を恐れる彼のことだ。大方、私に愛想を尽かされたとでも思ったのだろう。全く、私が重度の遅刻魔ということは世界の共通認識だろうに。だがまあ、彼に執着されるのはこちらとしてもやぶさかでは無い。こちらも彼に拗らせたモノを向けているのだから、拒否する理由もない。

「随分長い間ioのこと探させちゃったみたいで申し訳ないんね。心配かけてごめんなんね、日本クン」

いつもの調子で軽く謝る。我ながらおかしな口調と一人称だと思うが、自分を取り繕うにはこれが一番いいのだ。

「え、あ……ああ!いいんですよ?結果的に見つかりましたし」

そう言って彼が一瞬拍子抜けしたような表情をしたのを見て、私は少し動揺してしまった。

――何だ?何か言って欲しい言葉でもあったのか?

これは私の悪癖なのだが。私は彼に『彼が欲しがっている言葉をかける』という癖がある。ああもちろん。純粋な好意でそれをやっているわけではない。そうすれば彼が酷く喜んで、さらに私に全てを曝け出してくれるのを、私は知っているからだ。我ながら本当に、腐り切った性根をしている。

「えっ、と」

何かを言い淀む彼をじっくりと観察する。彼は全ての感情が表に出るので、実際に聞くよりこうして観察する方が彼の秘めた思いを探り出す事ができるのだ。

「そ、そうだ!イタリアさんはこんなところで何してたんです?もしかして寝てました?寝癖すごいですよ!」

「え、ああ」

逃したか

「まあ、そうだね。ここすごい寝心地良くって、つい夜までぐっすり寝ちゃったんね」

「ええ!?そんなクソくだらない理由で俺との約束すっぽかしたんですか!?」

「うっ…お、お恥ずかしい限りなんね」

相変わらずナチュラルに辛辣な言葉を放ってくる。このように、彼は純粋だがそれ故に無自覚に人を傷つける事がある。もちろんその逆の、無自覚に人を救う事もあるが。

――それが、まるで……

「まあ、取り敢えず帰りましょうか。ほら立てます?」

そう言って差し伸べられた手をぼんやりと見つめる。ゴツゴツとしてマメも沢山ある。正直綺麗ではない。それでも、それでも私にとっては愛おしい手。憎らしいほど愛おしい手なのだ。

だがもう、純粋な気持ちでその手をとることはできない。

そんな純粋な感情は、彼と出会ったあの草原に置いてきてしまった。

――なんとも、まあ拗らせてしまったものだ。

だがもう手遅れなのだ、何もかも。何十、何百、何千と燻らせて、腐らせて。美しさを失った恋など、ただの醜い執着でしかないというのに。私はそれを“愛”とも呼べぬままで、永遠に引きずって……それで……それで……



それで何になるっていうんだ。



「あれ、聞いてます?」

ああ、だめだ。今私の中で何かが切れかけている。

「あの、どうかしました?」

怪訝そうに私を見つめてくる彼の顔を見て、愛おしさと憎らしさが湧き上がってくる。

この感情を彼に吐き出す事ができたなら……。

彼の手を握り、あのやわらかな頬を撫でながら囁く事ができたなら。


彼の手を叩き、あの白い首を絞めて叫ぶ事ができたなら!


「イタリアさん?」

「……ははっ!」

――そんな事をして何になるっていうんだ。

彼を穢したくないから。彼に嫌われたくないから。彼を縛りたくないから。だから彼にはこの思いを告げないことにした。なんとしてでも、隠し通すことにした。全て自分で決めたことだ。責任転嫁も甚だしい。

「いや、ごめんごめん。ちょっと面白いこと思い出しちゃったんね!」

「え、なんすかそれ。どんなことです?」

「いやぁ、それは言えないんね」

だが今日ばっかりは…少しだけ。少しだけ出してみても良いのかもしれない。こんなに過去に思いを馳せるのも中々ないのだから。

ふと空を見上げると、そこには沢山の星を引き連れた美しい月の姿があった。だが何やら不満そうだ。周りに沢山の美しい星がいるのに。様々な人から愛されているのに。それなのに何かを求め続けている。

――ああよく分かるよ、その気持ち。


「見てよ日本クン。月、すごい綺麗なんね!」

「え、あ!ホントだ!」

そう言って目を輝かせる彼を見て、またドス黒く穢れ切った感情が湧き上がる。

「ね、日本クン」

「はい?」

――…………

「日本クンはさ、月、好き?」

「え?」

日本クンが真っ直ぐな目で私を見つめる。その純粋な瞳が不気味だと思う。それなのに、私は見つめられると酷く興奮してしまう。その自分の気持ち悪い二面性が憎らしい。

「俺は、そうですね…好き、です。多分。……ていうか、しっかり考えた事がなくて。なんとなく、怖いところもあるんですけど。その、何か、惹かれるというか」

言葉を詰まらせながら曖昧な解答をする彼に思わず頬を緩めてしまう。可愛いと思ってしまった。

それを嘲笑と受け取ったのか、彼は慌てたように「え、えと、その、怖いっていうより不気味っていうか…」などと騒いでいる。そんな彼が面白くて思わず吹き出してしまう。それに羞恥を感じたのだろうか。彼は顔を真っ赤にした話を逸らした。

「い、イタリアさんは?」

「んー?io?ioは……好きだよ。綺麗だし、そんなに眩しくないし」

「え?好き嫌いに眩しさって関係あります?」

「さあ?ま、ioには関係あるんね」

「へぇー…」

そう言って考え込む彼を見て、自分の鼓動がいつもよりはやくなっている事に気がついた。

――私は一体何に緊張しているんだ?

「ふと思ったんですけど、月ってイタリアさんみたいですよね」

「……はっ?」

予想外の言葉に動揺して情け無い声が出てしまう。

月が私?考えた事もなかったが、言われてみれば確かにそうかも知れない。

「ほら、イタリアさんってすごい綺麗だし…眩しいっていうよりかは……なんだか、誰かに照らされてるみたいな…そんな雰囲気がありますし」

「そう、なんね?」

「はい!」

「まあ確かに…」

誰かに照らされてる、か。その通りだ。その通りだよ日本クン。ねえ、君は私が誰に照らされているのか分かってるのかい?分かってないだろうな。分かってたら今頃こんな事にはなっていないのだから。

ああ憎い。なんて憎い。

「そう言えば、イタリアさん。さっき眩しくないから月が好きって言ってましたけど……イタリアさんって眩しいの苦手なんですか?」

「そうなんね。よく考えたらそうかも知れないんね。例えば」

私は彼の方に顔を向け、そうして嫌な笑みを顔に貼り付けて言った。

「太陽……とか」

私の出した嫌な雰囲気に気がついたのか、彼の表情が少し引き攣った。

「た、太陽?」

「そう。ほら太陽って眩しいでしょ?その眩しさにioは何度も救われてきたんね。けど、それと同時に何度も目を焼かれてきたのも事実なんね」

「は、はあ」

「それでも共に歩むことにしたんね。孤独な太陽を支えたいと思ったんだ」

「……」

彼は静かに私の言葉に耳を傾けている。こんな言葉に耳を傾けたところで傷つくだけなのに。

「でも、それは間違いだったかも知れない。太陽を想えば想うほど、ioはどんどん息苦しさを抱えるようになったんね」

「イタリアさんは……太陽の事が嫌いなんですか?」

随分と飛躍した発言に目を見開いてしまう。

嫌い?まさか。

――嫌いになれたらどれほど良かったことか

「嫌い……な訳じゃないんだ。ただ、焦がれても、手を伸ばしても、どうせ届かない。その度に痛みや苦しみを味わうくらいなら……最初から……」

口の中が乾いてうまく言葉を発する事ができない。握りしめた拳が震えてしまう。

「最初から、無ければ良かったのに……とは思うよ。」

ふと彼を見ると、彼は酷く動揺した様子で目線があちらこちらに彷徨っている。どうやら鈍感な彼も、これが“例え話”だと気づいたらしい。肝心な『誰が例えられているのか』という部分には気づいていないようだけれど。


「……ははっ!ごめんなんね、ioってば満月の日はなんだか変な気分になっちゃって、もー大変なんね!」

気まずさと居心地の悪さから、そう言って軽く笑っても彼は俯いて何も答えない。

「……か、帰ろっか?」

そう言って歩き出そうとした時だった。

「……イタリアさん」

「ん?」

「俺、イタリアさんの事が好きです。すごく」

「……」


真っ直ぐと、私の目を見つめてそういう彼から、私は目が離せなかった。


――彼が私を好いている?


心臓が張り裂けそうなほど強く波打っている。全身の血管が広がって、血が踊り狂っている。頭が茹だったように暑くなっている。


彼が私を好くなんて、そんなこと、絶対にあり得ない。

それなのに、私は浅ましく喜ぶことを止められない。

ようやく、ようやく私の思いが報われたのか?


「に、にほ……」

「だから…好きな人のことで悩んでいるならしっかり教えて欲しいんです。」


「だって俺たちオトモダチでしょ?」

そう言って彼は、優しくて残酷な太陽のように微笑んだ。


――ああ、そういう事か。そういう事かよ。


「……ああ、今度からはそうするんね」

「はい!」


クソッタレが。


「それにしてもイタリアさんに好かれてる人、かぁ……きっとその人は世界で一番幸せな人でしょうね!」

「へぇ、それはまた、どうしてなんね?」

怒りやら悲しみやらでのたうち回る心の中を必死になって隠しながら、出来るだけ優しく微笑む。

「だってイタリアさんみたいな、優しくて、賢くて、カッコいい人に好かれてるんですよ?そんな人世界一の幸せ者ですよ!」

そう言ってへにゃりと微笑む彼があまりにも可愛くて、可愛くて。

鼻先がツンと痛むのを無視して私は彼に同調でもするかのように微笑み返した。仕方ない。何度も経験してきた事だ。もう仕方がない。彼を憎んで何になる。冷静になれ。

何千年彼を見てきたんだ。もういい加減諦めろ。

なんて、未だ痛みで唸る弱い自分を説得していた時、とある些細なことを思い出した。


「そういえば、日本クン。君、さっきioが心配かけた事を謝った時様子がおかしかったけど……何かあったんね?」

「え?」

そう、私を軽く謝った時、彼は拍子抜けしたような、そんな表情をしたのだ。

「……」

「言えないんね?」

優しく、それでも少し圧をかけるようにそう言えば、彼は焦ったような表情になった。

「いや、あの俺は」

「ん?」

「お、俺は…だって…」

その瞬間、彼の目がキッと釣り上がった。

「だって……だって俺はあなたを必死になって探してたのに、あなたがあまりにも軽く謝るから!俺は捨てられたと思って焦ったのに……俺の心配なんか必要なかったみたいに軽く謝るから!!」

「!」

私はその予想外の発言にただ目を見開くことしか出来なかった。彼が私に恋ではない別の執着心を抱いていることは薄々分かっていた。だが、それがここまで重いものだとは思わなかった。

「そう……」

私の性格は、我ながら冷酷で複雑なものだと思う。しかし、どうやらそれは彼には適応しないらしい。

「……あ、ご、ごめんなさい…俺…その」

「良いんね。ioもごめん」

先程までの絶望が嘘かのように、私の心は踊っている。

全く、私も彼も一体何度これを繰り返せば気が済むのだろう。

「ねえイタリアさん。好きな人と結ばれても……俺のことは捨てないでくださいね」

そう言って切なげに目を伏せる彼の眩しさに私は……

嗚呼


――目が焼かれる。


「ははっ……」


そんな乾いた笑いは、一体どちらに向かってのものだったのだろうか。

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