「は….あぁぁぁああああぁ!?!?!」
『…..ふわぁ〜 、煩いよ滝ぃ………どうし((
「なんじゃその姿はぁぁあぁあッ!?!」
いいい伊作せんぱあああい!!!って
僕を所謂 、御姫様抱っこ??ってやつをして
六年長屋へと走り出した 。
滝が大声で言うものだから 、
三木や守一郎 、タカ丸さんも部屋から出ては
また大きな声を出すし 、
六年長屋へ行くには 、五年長屋の廊下を
通り過ぎないといけないんだけど
そこでも 、尾浜先輩と鉢屋先輩が叫ぶものだから
きっとみんなにばら撒くんだろう 。
一体 、僕はどうなってしまったんだろうか
心做しか心の臓あたりに重みがあって
少し体がふっくらと柔らかい感じがするけど
まだ目が覚めきっていないのかなぁ 、と
あくびをした
六年長屋につけば 、“六年は組”という
看板を見つけ 、その扉をバン!!と開けば
着替え終わって 、髪を結んでいたであろう
先輩方が居た 。
「おぉ 、滝夜叉丸に喜八…..郎、?」
「喜八郎…….なの?」
『??』
『もちろん 、あやべきはちろうでーす』
「 「 えぇぇぇええええ!?!?!?! 」 」
煩くて 、耳を抑えれば
我に返った伊作先輩が慌てて駆け寄ってきた
「き 、き喜八郎ッ…..その…っ 、体に異変は?!」
『んー 、少々肩が重いです 。』
「あ 、あぁ….それは通常だね…」
『….??』
『先輩 、どういぅ____』
そんな時 、むにゅっとした音と衝撃が走る__
『んっ…..』
「おぉ!!喜八郎のでっけーし柔けぇ!!」
「な 、なな七松先輩
なにしてんじゃああああ!!!!!」
後ろを振り向いた頃には 、
既に滝が七松先輩を追いかけ回していた
「……もそ 、喜八郎…小平太がすまない 。」
『あ 、いいえー…びっくりしただけです』
「それにしても小平太は後でお仕置だな」
「お….おい伊作 、?怖いぞ…」
「当たり前でしょ」
「てか喜八郎大丈夫!?
揉まれて気持ち悪かったよね
吐く?手突っ込んでいいなら吐かせられるけど」
『大丈夫ですよ…..!?』
伊作先輩はこういうときはいつも
普段の温厚で優しい性格が豹変して
少し怖いときがあるんだよね 。なんて思いながら
先程の出来事を振り返っていた
『僕 、もしかしていま…..』
『女の子になっちゃってます??』
なんて 、自分でも馬鹿なこと言ってるって
わかってるけど 、そう言えば伊作先輩は
ほんのり頬を染めて静かに頷いた 。
「そ…その…なんでこうなったかは
わからないけど 、そのぉ…」
『…はっきり仰ってください』
モジモジする伊作先輩を見据えたのか
代理で食満先輩が教えてくれた
「お前のその服はデカすぎて…その 、」
「緩いだろう….?」
『あぁ 、まぁ通気性いいですね』
「それだよッ….はだけ過ぎなんだよ…!!!」
『おやまぁ 、でもどうしろって…..』
くのたまから借りるのもあれだし 、
女装用の服だって元の自分サイズだから
ブカブカに決まってるし 。
あれよこれよと悩んで 、
四人で頭を抱えていれば 、再度バン!!と
襖が大きく開いた 。
「話は聞いたぞ喜八郎」
「…..想像以上に美しいな 、
いかんいかん 、喜八郎 。」
『….はぁい 、立花せんぱい』
「私の二年生頃の女物の着物が余っている」
「どれ 、着付けてやるからい組の部屋へ来い」
『いきまーす』
「ちょっと仙蔵!変な事しないでよね!」
「んなッするか馬鹿者!!」
「お前らアホのは組とは違うんだぞ!」
「俺と伊作を馬鹿にしたな!?」
「…..お前ら 、喜八郎が困ってる 。」
「すまない喜八郎〜!」
「全く 、留三郎が余計な話をするから」
「あぁ!?!」
『…..はぁ 、立花せんぱぁい』
『寒いのではやく着替えさしてください〜』
「それもそうだな 、よし行こうか」
そーして先輩は僕の手を引いて
おふたつ隣のお部屋へ連れてってくれた
ちょっと仙蔵ーー!?!って伊作先輩は
嘆いていたけど 、よく分からなかったな
そうしてい組の部屋の前まで行けば 、
先輩は無言で部屋を開けた 。
「お 、仙蔵…どうだったん…..だァ、?」
僕と 、立花先輩を交互に見たあと 、
1拍おいて悲鳴が聞こえた
「はあええぇええ!?!!!」
『うぅ……』
「汚ったない声を上げるな馬鹿文次!!」
「ちょ、ちょっと待て….仙蔵 、」
「幾ら喜八郎と付き合えないからと言って 、
喜八郎に似た女性を連れ込むのは 、
どうかと思うぞ……………..」
「なッ文次郎!!!!!」
何やら 、潮江先輩が
大きな勘違いをしてらっしゃるし
立花先輩が今にも宝禄火矢を放ちそうな
雰囲気だったため 、仕方なーく僕が
話してあげることにした 。
『潮江せんぱーい 、僕ですよ』
「は….?」
『綾部喜八郎でーす』
“はぁあぁぁあああ!?!?!?!”
そろそろお馴染みの声が聞こえたところで
僕は 、我が自慢の作法委員会委員長
立花仙蔵先輩の手を貸してもらって
あっという間に可愛い町娘のような姿になった
「最後は 、紅を指してやろう」
『それぐらい自分でやりますよ…?』
「いや駄目だ 、私がやる」
『じゃあお願いしまぁーす』
一応礼儀として断りはいれたけど
この先輩は一度やると決めれば
とことんやるお方だから 、こちらが折れてやる
「………完璧だ 。」
『おぉ…完璧な町娘ですね』
『こんな別嬪さんを作り上げれるのなんて
立花先輩くらいですよぉ〜??』
「なに 、お前は元がいいからな」
『褒めてもなにもでないですよ〜』
「……喜八郎」
『??』
『はぁーい 、せんぱぃ______?
先輩は最後まで喋らしてはくれず 、
途中で遮ってくれた
『…..せんぱい?』
「….お前は 、雰囲気もくそもないな…笑」
まぁ 、そこがお前のいい所だ 。なんて 、
頬に紅をつけたかってくらい染めて彼は言った
『….何故 、紅を塗ったのに口付けを?』
思ったことを口にしただけだけど 、
先輩は一度キョトンと顔を固めたが
すぐに微笑んで僕の頭を撫でた
「その答えは 、」
「お前が元のお前に戻ったときに教えてやろう」
『….??』
『変なせんぱい』
「くははっ…いまは変な先輩でいいさ」
「ほら 、伊作の部屋へ戻ろう」
着物で動きずらい僕を支えるように
先輩は僕の後ろをそっと歩いた
もう少しのところでは組の部屋に手を掛けれた
でも 、怖くてやめた
ドロドロとした 、憎悪に近い気配が
一 、二 、、、、、十を超えていると思う…
僕が 、おずおずとしていると 、立花先輩が
ひとつため息を着いたあとバン!っと開けた
「お前ら…..喜八郎が怖がっているだろう」
そう先輩が呆れながら言っても 、
みんなそれを聞こうとしなかった 。
「おほー….喜八郎 、随分めんこい女になったな」
「流石の俺でもこの可愛さは真似れねぇな…」
「やばい 、ちょーどタイプどうしよう兵助」
「….綾部が 、、女?….本当に 、?/ / 」
「可愛いよ 、喜八郎」
『おやまぁ 、ありがとうございます』
『五年生の皆さん〜』
普段よりも高くなった地声に慣れないけれど 、
一応褒められたのだからお礼はしないとね
戸の目の前で先輩方と話をすれば
六年生の 、ろ組の 、体育委員会委員長で
さっき僕の胸をいきなり鷲掴んで揉んできた
変態せんぱいが頬を腫れさせては
僕の目の前で土下座をしだした
「えぇっと 、なんて言うんだっけ!」
「……この度は」
「この度は!!!」
「私の不適切な行動により」
「私の不適切な行動により!」
「不快な思いをさせてしまい」
「不快な思いをさせてしまい!」
「申し訳ございませんでした」
「申し訳ない!!!!」
『……中在家先輩 、ありがとうございました』
「….もそ」
「仙蔵のお古 、良く似合っている」
『おやまぁ…!ありがとうございます〜』
騒いでいる七松先輩は放っておいて
中在家先輩と少し話をしていれば
ぴょんっと伊作先輩が寄ってきて 、後ろには
食満先輩 、潮江先輩まで来られていた
「ん〜!可愛いよ可愛すぎる!!!
普段桃色なんか着ないから新鮮でいいね!」
「少し首を出しすぎじゃあないか?
桃色って 、そんな色気振りまいて
どうする気だ!?それに…..((
「うるせぇな留三郎…..親父クセぇんだよ」
「おぉ 、仙蔵にはその服はちと
おなごモノすぎたからな 、似合って良かったな」
まぁまぁと食満先輩を宥める伊作先輩と
ブチ切れてる食満先輩と
僕の頭をいつまでも撫でくりまわす潮江先輩
「おい文次郎 、少々口が働き過ぎやしないか?」
「口に宝禄火矢を詰め込んでやってもいいんだぞ」
「怖ぇんだよ馬鹿!!」
ここのおふたりも仲がいいのか悪いのか 、
なんて思っていると 、部屋の奥の方から
バタバタっと駆け寄ってきた人たちは____
「んんすんごく可愛い!!可愛いけど!!!」
「あぁぁ….汗 、髪が崩れてるッ直させて!」
「お、おい喜八郎っ!」
「大丈夫か?お腹は痛くないか?
その 、あの…..血は出てない ((
「このアホヱ門が!!!!!」
「公の場で何を言うかと思ったら!!!」
「なんだとこのバカ夜叉丸!!!!」
至る所が騒がしくて 、煩いなぁなんて思いながら
外を眺めていれば 、不意にずうっと黙っていた
四年は組 浜守一郎が声を出した
「いやぁ 、にしても喜八郎は可愛いなぁ」
「もっと好きになっちまうよ 。」
『おやまぁ 、ありがとう守一郎』
『僕も守一郎たちが好きだよ』
なんていえば 、守一郎がなぜか怒られているし
みんな焦っている様子だったけど
女の体のせいかすんごく面倒くさくって
やめちゃった〜
その後すぐに安藤先生の所に伊作先輩と向かえば
「これはご都合の忍術のひとつだから」って
いつか治るみたいだし 、不治の病でもないから
いっかなんて思ってる 。
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「喜八郎!俺達五年生と朝食食べるだろ?」
「綾部先輩ー!!三年生の席あいてまーす!」
「ぼくたち二年生とたべてくださーい」
「綾部先輩は僕達一年は組と食べるのー!!」
「はッ、ここは六年生の所だよな???」
「….まぁ 、たまには
他の学年と食べるのもいいんじゃないか」
コメント
4件
可愛い!!やばい神作すぎる
うおおおおお七松先輩しつけられてる笑笑