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「承太郎…君が好きだ!」

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「承太郎…君が好きだ!」

1 - ぼくは承太郎が好きだ。

♥

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2022年07月30日

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「承太郎…君が好きだ…!」

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

 ぼくは承太郎が好きだ。冷静沈着でかっこいい彼が好きだ。でも恋人になんかにならなくていい。彼はみんなから愛されていてみんなから必要とされている。だからぼくだけ特別なんて、あってはならないんだ。でもこの気持ちは抑えることはもう難しい。承太郎が他の人と付き合ったりしてくれればいいのにな…。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

承太郎に好きな人が出来たらしい。承太郎の周りにいる女の人からの噂だ。承太郎の好きな人は真面目で冷静で、でもたまに最高に可愛いい人…らしい。少しでも期待したぼくが馬鹿だった。話を聞く限りとても可愛らしい人なんだろう。承太郎の恋が実るといいな…。ぼくの気持ちも抑えられるだろう。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

あの噂を聞いてから、ぼくは承太郎と少し距離をとった。『承太郎の好きな人』との関係が進んで欲しいからだ。ぼくがいると邪魔になってしまう。

「…のになぜ!君は着いてくるんだ!承太郎!」

学校からの帰り道、何故か承太郎が後ろに着いてくる。

「…嫌なのか?」

嫌じゃない。違う。そういう訳じゃあない!君のついて行くべき相手は僕じゃないだろう。なぜぼくの後ろを着いてくるのか…。こっちは君のために距離を取ろうとしているのに。

「なんの用なんだ。用がないなら忙しいから今度にしてくれ。」

「…」

無言で見つめてくるんじゃあない。君身長高いから怖いんだよ。

「…悪かった。また出直す。」

…ふぅ。これで一旦大丈夫だ。さて、帰るとするか。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

「…」

「…」

…今日も着いてくるのかっ。なんなんだ。何を考えているのか分からないぞ。

「おい花京院。お前好きな人居んのか。」

…え。まさか君からそのような話をしてくるとは…。

「い、居ないよ。そんな人。承太郎はどうなんだ?噂になっているが。」

「俺は居るぞ。」

嘘をついてしまった。しかし、本当にいるんだな。好きな人。もう少し聞くか…。いやいや。これ以上探りを入れるのは承太郎と相手の方に失礼だ。やめてこおう。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

「…ごめん承太郎。昨日は嘘をついた。」

「本当はぼく、いるんだ。好きな人…」

ぼくは自分の顔がとても熱くなっているのを感じた。目の前に本人がいるのだから、仕方がない。

「な、…。誰だそいつは。どんなやつなんだ。教えやがれ。」

少し怒っている…?なぜ君が怒るんだ。嘘をついていたから…?しかし教えろと言われても。本人に言えるわけが無いだろう。

「それは…言えない。君には言えない。すまない。」

「…」

機嫌を悪くさせてしまった。しかしなぜそんなに怒るのだ。

「気を悪くしたなら本当にすまない。」

「…別に怒っちゃいないさ。すこし気になっただけだ。」

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

次の日の朝、僕はいつも通り学校へ行った。いつものように教室に行くと、承太郎がぼくを呼んだ。

「おい花京院。  お前放課後暇か?」

周りがザワザワしている。そりゃそうだ。あの『空条先輩』が2年生の教室に来ているのだ。

「暇だけど…。なにか用でも?」

「いや。デートしようかと思ってよ。  暇なら校門に来い。待ってるぞ。」

な、え…?まさかまさか。承太郎の好きな人って…いやいやそんなはずは。きっとぼくの勘違いだ。全く。承太郎はぼくのこと、友達としか見ていないんだから。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

…とか思いつつ結局期待してしまう自分が鬱陶しい。放課後になるまで期待してしまう自分が嫌になる。僕はそのまま校門まで向かった。

「空条先輩!  このあとお茶でもどうですか!?」

「JOJO!私と一緒に帰らない?」

…とてもじゃないけど近づける感じじゃあ無いな。用事があるとかでそのまま通って行こう。やはりぼくみたいな人が承太郎とで、デート…なんてするもんじゃあないよな。

「鬱陶しいぞこのアマ。  俺は人を待っているんだ。  お、ちょうど来たじゃあねぇか。」

うっバレた。やはり一緒に帰るしかないようだな…。

「お待たせ承太郎…。」

す、好きな人とデートか…。こんなに夢のようなことが起きてていいのだろうか。…承太郎は好きな人と一緒に帰らなくていいのだろうか。

「承太郎、いいのか?  ぼくじゃなくて君の好きな人と一緒に帰らないと。」

「?  あぁ。  今一緒に帰ってるぞ。」

「え…」

ちょっっっとまってよ!いまなんて!もしかして…。ぼくは少し考えた。しかし、もう抑えられない。もしかしたら、という期待をしてしまう自分がいやだ。それなら全部伝えて振られた方がスッキリする。

「承太郎…ぼくは君が好きだ!」

「どうしようもなく好きなんだ!  だけど君は好きな人がいるといった!  だからぼくはなるべく君から距離を置こうとしていたんだ!  しかし君はぼくが勘違いするようなことばかりして!  何がしたいんだ!」

目頭が熱い。涙で顔が滲んで見える。あぁ。承太郎。君は今どんなことを思っているだろう。ぼくに好きだとかいわれて気持ち悪がっているだろうか。

「…それは本当か花京院。」

「本当だよ。ぼくは承太郎が好きだった。」

「なら俺とお前は両思いだな。」

…。まさか…。承太郎の好きな人って…ぼくだったのか…?

「…本当かい?承太郎…!?」

「あぁ。  俺なりに頑張ったつもりだったんだが。  やはり気づかれていなかったのか。」

「好きだぜ花京院。  愛してる。」

ぼくは涙が一気にこぼれた。嬉しさのか悲しさなのか怒りなのか…。そんなことはどうでもいい。

「嬉しい…。  ぼくも大好きだ。  愛しているよ承太郎…」

承太郎はぼくに顔を近づけ、唇を軽くくっつけた。嬉しい。ぼくは好きな人とキスをした。

「正直、お前に好きな人がいるという話を聞いた時…妬いたぞ。」

「…。ふふっ。  意外と可愛らしいのだな。」

ぼくたちはこの日、恋人同士になれたのだ。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

晴れて恋人になれたぼくたち。この後のことはまた別の話…。

おわり!!

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コメント

7

ユーザー

凄く素敵な承花でした! これからも頑張ってください!

ユーザー

スッゲー好き。天☆才☆か!?

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