燃え上がる廃墟の中に、二つの影が向かい合っていた。
一人は、両面宿儺。
その四本の腕を悠々と組み、かすかな笑みを浮かべている。
もう一人は、乙骨憂太。
彼は無表情で、リカを背後に従えながら、宿儺を静かに見据えていた。
「ほう……貴様が乙骨憂太か。」
宿儺はゆっくりと歩きながら、ニヤリと笑った。
「五条を失った呪術界の“次なる最強”とやらが、俺の前に立つとはな。」
乙骨は答えない。ただ、懐から刀を抜き、構えた。
宿儺の笑みが深まる。
「黙して語らずか。つまらんな。」
次の瞬間、宿儺が消えた。
ズバァァン!!!!
爆音とともに、宿儺の攻撃が乙骨に襲いかかる――が、
「リカァ!」
乙骨の叫びとともに、リカが宿儺の腕を掴み、跳ね返す。
「ほう……?」
宿儺の目が細められる。
「なるほど、これはまた面白い。」
乙骨は静かに言った。
「……お前を倒す。」
宿儺は愉快そうに笑い、両の掌を開いた。
「試してみろよ。“次なる最強”?」