ズガァァァァァン!!!!
拳が主の胸を完全に貫通した。
「……ハハ……」
主は 血を吐きながら、それでも笑っていた。
「おいおい、……もうちょっと手加減しろよ……」
「ふざけんな。」
誌音は 冷たく言い放つ。
「お前のふざけた”筆”遊びにはもう付き合えねぇんだよ。」
手が さらに強く主の身体を握り締める。
「そろそろ、お前が”作品”になる番だ。」
バキィッ!!!
力を込めた瞬間、主の身体から 黒い煙のようなものが溢れ出した。
「くっ……!! これは……?」
誌音は反射的に 後ろへ飛び退く。
「お前は……本当に”傑作”だな……」
主は 胸に空いた穴を押さえながら、ゆっくりと膝をつく。
「……俺の”藁絵”……こんな形で使われるとはな……」
ボロッ……ボロッ……
主の体が ゆっくりと崩れていく。
「おいおい、冗談だろ?」
誌音は 警戒しながら主を睨み続ける。
「……終わりだ。」
主は かすれた声で呟くと、ついにその体が”紙”のように剥がれ、風に舞っていく。
「くそったれ……最後にもう一筆……描きたかったな……」
バサァァァァ……
主の体は完全に消えた。
静寂。
「……終わったか?」
しばらくその場に立ち尽くした。
だが——
「……あ?」
主の筆が、地面に残されていた。
ゆっくりと筆を拾い上げる。
「こいつ……まだ何か仕掛けてやがるのか?」
その瞬間——
カチッ
筆が動いた。
「!!?」
ズガァァァァァン!!!!
誌音の視界が 真っ暗になった。
コメント
1件
主ぃいいい…!?!?え死んじゃった…(泣(()死に方もかっけぇっすわぁ…((続き楽しみです、、!