第14話「取り繕って強がって」
Kr視点
痛みを訴える足を無視してステージ袖に戻る。
👓
「いってぇ…」
目立たない所で右足首を確認すると、さっきの今であるにも関わらず分かりやすく腫れていた。多分こんなに腫れてしまっていたら、誰が見たって分かってしまう。
🐼
「やーん!」
👓
「うおっ!」
🦈
「折角ステージ終わったのになんつー顔してんだ笑」
📕
「今日いつも以上に良かったじゃん!この調子でコラボステージも頑張ろ〜」
👓
「…おう!頑張ろーぜ!」
急に後ろから飛びついてきたNakamuに続いてシャークんとBroooockが声をかけてくる。3人に明るく言葉を返して、何事もないかのように笑ってみせた。
確かに最後以外は凄く良かったし、俺もこのままの調子で踊りたい。
だけど──
ちらりと自分の右足首を盗み見る。衣装の上からじゃ分からない怪我には気づかれていない。なんなら最後のターンミスにも気づかれていない。
👓
(このまま隠し通せれば…)
俺にはまだ立ちたいステージがある、だからこんな事でステージを降りるのは嫌だ。
これくらいの怪我ならわざわざ捲くらなければ見られることはないし、気づかれることもないだろう。歩き方も立ち方もいつも通りにすれば問題ない。
俺はアイドル、これくらい平気だろ…?
🦈
「てゆーか楽屋戻らね?一旦休みたい。」
🐼
「そうだね、戻ろ戻ろ〜」
シャークんとNakamuの背を追って、楽屋までの道のりを辿る。
少し痛むがゆっくり歩けば問題ないし、楽屋で休めれば今日のステージくらいどうにかできる。
隣に立つのがスマイルだからどう見たって劣るに決まってる。ならせめて踊りきって迷惑かけないようにしないと….!
そう考えるのも束の間、すれ違うように前からBlack-Xの人達が歩いてくる。あっちの方向はレッスン室だからリハーサルでもしてたのだろう。まだ入りまで30分は空くのに本当に努力家な人達だ。
📕
「あ、お疲れ様です!」
👤
「お疲れ、ステージ見てたけど良かったよ。」
🐼
「ほんとですか!?ありがとうございます!!」
NakamuとBroooockが流れで話し始める。
あーあいつらは話し出したら長いんだよな。しばらくじっとしなきゃか….と思えば、早く戻りたいのであろうシャークんがお疲れ様ですと会釈しながらその横を通って行った。
俺も早く休みたいし、そう思ってシャークんの後に続いた時だった。
😊
「待て、きりやん。」
👓
「えっ、」
突然スマイルに腕を掴まれ引き止められる。あまりに急すぎて俺も驚きを隠せないまま、その場に立ち止まった。
NakamuもBroooockもシャークんも、先程まで話していた先輩達もみんな一斉に俺達を見る。この間の事もあってきんときには睨みつけられ、居心地の悪さは最悪だった。
スマイルに呼び止められた嬉しさと、腹立つようなタイミングの悪さに感情はぐちゃぐちゃになって、言葉に詰まる。
👓
「どうされました…?」
何とか捻り出した言葉は愛想の欠片もなくて、堅苦しい。静かな空気も今の俺にとっては苦しさを助長させるものでしか無かった。
数秒ほど静かにスマイルの言葉を待っていれば、突然美しいアメジストと視線が交わる。そして彼は口を開いた。
😊
「お前、怪我してるだろ。」
👓
「…ぇ、なんの事ですか?」
😊
「とぼけるなよ、俺は冗談なんか言ってない。」
👓
「嫌だな〜とぼけてなんかないですよ…!笑」
😊
「ダウト、俺に嘘つけると思うなよ。」
じわじわと逃げ道を塞がれていく。周りも一部始終を全て聞いているから逃げようったって逃げれない。
あわあわと混乱する俺に追い打ちをかけるかの如くスマイルは言葉を続けた。
😊
「言わないなら当ててやろうか?その右足首、ステージの最後ら辺で捻っただろ。」
To be continued.
コメント
16件
うあああああ好きですねはいもう結婚してくださいぜひ式に呼んでいただきたい(( いいですねいいですね、、、 最近更新早くないですか???????! 供給過多で死にますよ????????! 毎度ありがとうございます(?)!!!!!!! 無理しないでくださいね!!!!!!!!!!
ふぅっ⤴⤴フッフッフーー!!⤴︎⤴︎⤴︎︎いいよぉ!些細なことを気づける男ぉ!!その名はぁぁ?ス・マ・イ・ルーーーー!おお!イケメンだぁ....✨これこそ𝑵𝑶,1だッ異論は認めないಠ~ಠそれこそダウト!(ダウトの意味知らんけど...( ◜▿◝ )いやぁきんさんもいいよッ!そのまま闘争心燃やしちゃってッ!
はああ…最近毎日主様の投稿を通知で知って喜んで、 読み終わって悲しくなるを繰り返しております… smさんがかっこよすぎる…!!!し、krさんは 抱え込んでい過ぎる…!!次も楽しみにしてます!!💖