巡りゆく季節の中で、
私達は何を思い 何を知ったのでしょう。
出会い 別れを繰り返す中で、
私達は何を学んだのでしょう。
拝啓 大森元貴__
“愛してます。ずっと”
1998年
桜が舞う 暖かい春の日
高校三年生になりました。
不安や楽しみな気持ちを、
胸いっぱいに抱えて新学期を迎えましたが
初日から 痛くなるほど
頭が混乱することばかりでした—……
先生|出席とるぞ〜。呼ばれたら、元気良く返事するように!
-— “おおもり もとき”
大森|はい。
大守|はい。
大守|えっ、?
若井|ん…もしかして、同姓同名?
先生|苗字の漢字が 一文字違うな。
田中|てことは、結婚したら完璧同姓同名ってことじゃん!
大守|結婚だなんて そんな、
大森|……
彼は 冷めた目で私を見たあと、
目を逸らし 窓の外を眺めていました。
……。
私だって 色々言われて嫌な気持ちになったのに
そんな目で見てくるなんて、少し酷いじゃない。
腹が立った私も 目を逸らし、
先生の話を 真剣に聞くことにしました。
でも……
よく見ると 彼の顔立ちは物凄く綺麗で
いつの間にか、見惚れている自分がいました。
久保|ちょっと もとちゃん!
久保|これって、恋の予感がしない?
大守|そんなのしないわよ〜…
大守|美咲ちゃんまでからかう気なの?
久保|そんなんじゃないわよ、ただの 女の勘?ってだけで、からかったりなんかしてないわっ。
大守|女の勘…?
久保|気にしてる?
大守|しッ、してない!あぁ ほらもうすぐ号令の時間だから!
久保|気にしてるじゃな〜いっ!
NeXT → ♡…10
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