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僕はずっとポッターに嫌がらせをしてきたのに。どうして君は優しさなんて見せるんだ?
放っておけない彼の性格に少し胸が痛む。
「…僕なんかに…やさしくするなよ」
思っていたよりも弱々しい声が、床に落ちる。
「…なんで?」
狡い質問だ、と思う。
勘違いしたら元には戻れない。
僕はポッターが嫌いで、ポッターも僕が嫌いだ。
僕たちの関係は憎み合う敵。
それだけなんだ。
…少しでも特別な表情を見たいなんて
憎らしさを全面に出した姿を、僕が一番良く知っていると思うことが、いつからか少し、誇らしくなったことも。
全部、言えないんだ。
「…僕は君が嫌いだ」
「じゃあなんで、そんな顔で僕を見るんだ?」
ハリーの手がゆっくりと頬に触れる。
視線を上げると、まっすぐなエメラルドの瞳と視線が絡む。
「…それ以上は本当にダメだ。後戻り出来なくなるぞ」
「僕たちは元から憎みあってるだろ?これ以下があるとは思えないね」
「…そうだったな」
「傷付いた、って顔しないでよ」
ぜんぶ顔に出るよね、なんて
「傷付いてなんかない、勘違いだ」
「それは悪かったよ」
無言で見つめ合う。頬に置いた手を滑らせて唇に触ると、ドラコがぴくりと肩を震わす。
「…拒まないと、僕、何するか分かんないよ」
拒まないといけない、そんなこと、とうに分かってる。
でも、体が動かない
存外、自分はこの男に惹かれてしまっているんだ。
この状況が嬉しい、胸の高鳴りを、言い訳出来ない程には
「…好きにしろよ」
ハリーが驚いたように目を見開いた。
「…勘違いしてもいいの?」
すぐに食いつくハリーかおかしくて、肩の力が抜けた。
もう、僕の負けだ
「勘違い?するのは僕のほうだ」
え、と驚いて頬を赤らめて困惑するハリーに笑みが漏れる。
先程あんなに自分を翻弄していたのに…
そんな所は可愛いだなんて、自分も絆されてしまっているようだ
頬から離れてしまった熱が恋しくて、
なんて言い訳をして、そっと唇を重ねた