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デンジくん。本当はね。
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最初は任務だった。それ以上もそれ以下の気持ちもない、ただの狩り人と動物。
君が電話ボックスに入ってチャンスだって思ったの。でも、あまりに呑気に君を殺そうとしている女に花をプレゼントするからビックリした。花なんて貰ったことなかったから嬉しかった。
君はデンジっていうらしい。お店に遊びに来てくれて美味しくもないご飯を私の話すために毎日頼んでくれて、不思議と”楽しい”って感じた。
デンジくんは学校に行ったことがないらしい。それはなんかだめじゃん、ってことで私が勉強を教えることにした。簡単な漢字・・・というか金玉は読めるらしい、馬鹿らしくて笑っちゃった。だからね、夜の学校に行こうって誘ったの。デンジくんは乗り気だった。
デンジくんは意外と問題が読めた。英語は無理だったけど。それでデンジくんが「頭が熱い」っていうから泳ぎ方を教えてあげた。なんでだろう、ボムは水に弱くて攻撃されたらもう手に負えないのに、デンジくんを信じてしまった。案の定無邪気に遊んでるだけだった。
デンジくんを狙っているであろう男が私をチーズと言っていた。折角二人で楽しかったのに邪魔しないでほしいな。殺したけど。ここで一個気づいたことがある。私、普通の女の子として普通に暮らしたいんだって。
花火大会に誘った。ああ、これが女の子の気持ちなんだ。デンジくんと遠くに逃げて二人で暮らしたいって、思っちゃったの。でもデンジくんには好きな人が居て、仕事も楽しくて、断られちゃった。じゃあ、デンジくんの心臓をもらう私の”仕事”も頑張らないと。って思った。舌を噛みちぎってもう少しで取れそうだったのに、奪われちゃった。泥棒された。
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君は馬鹿だ。殺そうとした女を助けた。自分の服まで着せて、・・・君はもう少し油断したほうがいいよ。カフェで待ってる、なんて恋人みたい。
直前まで迷った。デンジくんに会いに行くべきか、・・・帰るか。でもね、デンジくんと二人で生活したいって気持ちが勝ったの。裏道を通ってカフェ近くまで来る。いた。デンジくんの後ろ姿が見えた。
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会えなかった。あのね、デンジくんほんとは私も
学校なんて行ったことなかったの。