(注意点)
今回はリクエストをいただいたので、なるべく添えるよう書いてみました。
100%妄想です
苦しんだり辛そうな表現があります
言葉遣いなど解釈違いでしたらすみません
長文で申し訳ないです
大丈夫な方はこのままお進みください
とある日のこと。
小柳が単独で調査の任務を行っていた。
他の3人は別の任務で戦っていた。
そこで大規模な爆発が起き、巻き込まれた3人は怪我を負った。
幸い命に関わるものではないが、暫くは戦うことはできないだろう。
しかしタイミングが悪く、連日、次から次へと「敵を討伐せよ」と指令が入る。
今戦えるのは小柳しかいない。
オリエンスからも応援が何度か来てくれたが、向こうも向こうで任務がある。
そういつでも来れる訳ではない。
どんな規模のものでも1人で対応していた。
小柳は毎日のように戦闘に明け暮れた。
早朝から現場を視察しつつ、敵をなるべく効率良く倒せるよう努力した。
自分がここで負けたら応援は来ないから。
とはいえ敵もレベルは様々。
深夜まで追い詰められた時もあった。
昼間に任務を終わらせても、またすぐ次の現場へ走った。
なので帰宅はいつも真夜中。
まるで気絶するようにベッドに倒れ込み、短めの睡眠を取ると、また次の戦場へ駆り出された。
ディティカの拠点では、そこそこ動けるようになった3人がリビングに集まっていた。
叢雲「なぁ、狼あいつ最近やばない?僕らの分の指令、全部ほぼ1人でやっとるやん。」
伊波「そうなんだよ!俺そろそろ行けると思ってデバイス見たら、すでにロウが1人で指令受けて終わらせてんの!やばすぎ!」
星導「あの寝坊出不精な小柳くんが、毎日早朝から外に出てるのすごいですよね。」
叢雲「それもそうやけど、どんな体力しとる?!もうしばらく顔見てへんし。」
伊波「でももう、明日からの予定は落ち着きそうだよ。小さい任務は俺たちで受けて、ゆっくり休んでもらお!」
星導「あーあ。長いお休みも終わりかぁ。」
伊波「そうだよ!休んでた分、頑張るよ!」
その日も小柳は日付が変わる頃に帰宅した。
慎重に戦ってきたおかげで、大きな怪我も無く、連日の戦いを乗り切った。
自分しかいないという緊張感のおかげで、感覚が研ぎ澄まされていたのだろう。
敵の攻撃の軌道ひとつひとつがしっかりと読めた。
今回、自分は大きく成長できた気がした。
デバイスを見ると、明日から伊波たちが復帰し、小規模な指令を任されていた。
やっとゆっくり休める。
そう呟いた瞬間、体の中で張り詰めていたものがプツンと切れた感覚がした。
気力やアドレナリンで無理やり動かしていた体が一気に重さを取り戻した。
シャワーを済ませ、倦怠感に耐えながらフラフラと自室へ入ると、急に目眩がして転んだ。
立ち上がろうとすると、なぜか足に力が入らなかったので、一気にぐっと立ち上がってみた。
すると体がフワっとした浮遊感に襲われ、目の前が真っ白になった。
朝日の眩しさを感じ瞼を開けると、自分が床に倒れていることに気付いた。
小柳「ん、、今何時?、、朝か。え、俺なんで床で寝てんだ?」
こうなった経緯をあまり覚えていない。
体の怠さは相変わらずで、熱も無いのに体が重い。四肢に力が入らない。
そしてこのフワフワとした感覚はなんなのだろう。
小柳「んだこれ、目が回る、、気持ちわり、、。」
なんとかベッドへ潜り込み、疲れかな、と考えてみた。
こんな少しの動きで息もやや切れている。
小柳「ま、、寝りゃ治るか、、ねみぃ、。」
カーテンから漏れる光が鬱陶しかったので、布団を頭まで被って眠りについた。
叢雲「結局、今日も狼見てへんけど、あいつ生きとる?」
伊波「まぁ、あれだけ動いてたから疲れも溜まってると思うよ。心配だけど、もう少し寝かせてあげよ?」
ガチャリと玄関の戸が開いた。
星導「お弁当買ってきました〜。」
夕飯パシリじゃんけんで負けた星導が、コンビニのお弁当を4人分買ってきた。
星導「あれ、小柳くんは?」
叢雲「まだ寝とるんやない?全然部屋から出てこん。」
伊波「何回か声かけてはみたんだけどね。」
星導「へー。じゃあ俺たちは先に食べましょうか。」
お弁当を誰がどれにするかでまたじゃんけんをしながら、ワイワイと夕飯を食べ始めた。
その騒ぐ声は小柳の部屋にも届き、重い瞼が少し開く。
小柳「、あいつらうるさ、、もう夜か、。」
体を起こしてみると、症状は寝る前の状態のままだった。
小柳「、、体だる、、。」
これだけ寝たので良くなってるだろうと思っていたが、予想は大きく外れた。
じっとりと冷や汗で衣服が少し湿っていた。
シャワーを浴びて着替えに行こうと立ち上がった。
浮遊感と目眩でフラフラする。
足元に気を付けながら部屋を出た。
壁に片手を添えながらゆっくり歩く。
リビングの方からは3人の声と食事の香りがした。
今は気持ちが悪くて不快な香りにしか感じられない。
小柳「そういえば俺、最後にちゃんとメシ食ったの、いつだっけ?」
ふと、ぼんやり浮かんだ疑問。
それと今の体調不良が繋がらなくて、別にいいか、と流してしまった。
シャワー室の前まで歩いただけなのに、少し息が切れている。
そこで片足がカクンと脱力した。
壁を支えに踏ん張ろうとしたが、そのまま床へ倒れ込んだ。
小柳「あぁもう、なんなんだよ、、。」
自分にイラつきながらガバッと立ち上がると、酷い吐き気に襲われた。
小柳「ゔ、、。」
片手で口を塞ぎ、ゆっくり座り込んで背中を丸め、吐き気が治るのを待った。
誰かが走ってくる足音が聞こえてくる。
叢雲「あー!狼おったー!!おい起きたら顔出せよ!」
伊波「やっぱり!物音したから起きてきたと思ったんだよね!」
星導「おはようございます。夜だけど。」
小柳「、、、。」
伊波「ロウ?こんな所でどうしたの?」
返事は返ってこない。
座り込んで俯く小柳の顔を覗き込んだ。
額には冷や汗を纏い、手で口を覆って目をギュッと閉じている。
くぐもった嗚咽が聞こえた。
小柳「、ぅゔ、、ぉぇ、、。」
伊波「大丈夫?!吐きそうなの?!星導ゴミ箱取ってきて!」
星導「今日何回パシられるんだよ俺。」
叢雲「体すごい冷たない?顔面も血の気引いて真っ白やん。ほんまに大丈夫か?」
叢雲は小柳の体をさすったり、様子を見ながらどこが悪いのか原因を探る。
星導が走って戻ってきた。
顔の下に空のゴミ箱を置いてあげた。
小柳がゴミ箱に顔を近づけ、体を震わせながらえずいた。
小柳「ぅえ、、ゲホッ、、はぁ、、ぉぇ、、ん、ごほっ、、。」
伊波が背中をさする。
覗き込むと顔色はすごく悪い。
気持ち悪くて吐きたそうだが、唾液が数滴落ちるだけだった。
少し落ち着いてきたところで、星導が一緒に取ってきていたタオルを手渡した。
小柳は無言で受け取ると、まだ気分が悪いのか、タオルを口元に当てたまま顔を上げる。
立ち上がる体力は残っておらず、壁に背を預けて座り直した。
小柳を囲むように3人も座る。
叢雲「これどうしたん?熱やないし、他の病気か怪我か?」
小柳「、、体怠い、のと、目眩とか、、急に気持ち悪くなって、、よくわかんねぇ。」
伊波「ただの疲れって感じじゃなさそうだよね。」
じっと小柳の顔を見つめていた星導が、小柳の手を掴み、指先の爪を観察した。
小柳「なんだよ、怪我なんてねぇよ、、。」
ポイっとその手を雑に離すと、次は顔に手を添えた。
3人が「、え」と戸惑っているのを無視して、星導は親指で小柳の下瞼をグイッとめくった。
星導「貧血ですね。素人でも分かるくらい重度の。ちゃんとご飯食べてましたか?」
小柳「あ、、。」
そういえば自分でもさっき、チラッと頭をよぎって、適当に流した疑問だった。
叢雲「おまえアホか!ちゃんと食えよ!どうせろくに寝てもなかったんやろ!戦いまくっとったくせに!そんなん、そうなるわ!」
伊波「ちょっと待って!重度って言った?!今から病院行くよ!」
叢雲「どうせ一旦入院やろな。おいタコ!狼の荷物、必要なもん持って行ったれ!」
星導「俺今日パシリしかしてないじゃん。」
4人でそのまま病院へ向かい、小柳は数日入院となった。
その後は体が回復するまで任務には行かず、しっかり休めとのこと。
本人は「もう充分休んだ」と言い、任務へ行こうとしたので、3人で監視した。
そしてみんなで何度も楽しく食事をした。
伊波「俺たちのためにいっぱい動いてくれたのはありがとう。だけど、まじで食事と睡眠はちゃんとしてくれ!」
小柳「すみませんでしたぁ。」
叢雲「まじでそのうち死ぬで。戦死はまだかっこいい響きやけど、食わんで死んだはダサいて。」
星導「小柳くんの生活、普段から終わってますもんね。」
小柳「おまえも人のこと言えねぇ生活してるじゃねぇか!」
星導「入院した人に言われたくないですー。」
小柳「うるせぇな、直しゃいんだろこれから!配信行ってくる。」
小さく舌打ちしながら部屋に戻っていった。
伊波「あぁ、回復しました報告の配信ね。」
星導「いえ、耐久系ゲーム配信って予告してましたよ。」
叢雲「絶対あいつ変わらんやろ。」
3人とも呆れた顔をした。
きっとこの先も、誰も何も変わらずに進んでいくのだろう。
なんとなく、4人はそんな気がしていた。
その方が、らしくて、面白いと思う。
コメント
4件
ふぁぁぁぁぁ!!!!ありがとうございます!神ですか?いやこれは誰がなんと言おうと神です。私は好きすぎてぶっ倒れそうですよ!!!こんな素敵な作品作りやがって感謝しかねぇだろぉぉぉ!!!ほんとにありがとうございます!!
神ですかァ....