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晩夏
_青空を切る軌跡
___プロローグ___
入道雲はまだ高く浮かんでいるけれど、風が少しだけ涼しく感じる頃。
私はそのだだっ広い空に大きく浮かぶ入道雲を、ただぼーっと見つめていた。
__ピューッッ!!
ジャベリックスローが青空をかけ抜け、私の横を一直線に横切った。
その姿、音、形…あぁ、そうだ。
_焼夷弾 ( 焼夷爆弾 ) の様だ。
__バンッッ!
スタートを告げる銃声のけたたましい音。
今日はそう、体育大会だ。
“ジャベリックスロー”
羽根付きのターボジャブという道具を使い、やり投の要領で飛距離を競う陸上競技。
自分の種目が短距離走だった私は、団の中でも一丸となって後ろから声援を送っていた。
___ピューッ!
…その音を聞いた瞬間、胸の内が騒がしいほどに弾んでいた。
怖いのか、それとも真っ青な空に一直線に先陣をきるようにしてとんでいるのが凄いのか、よく分からなかった。
…でも、凄く”綺麗”だった。
その様に思えたのは一体何故だろう、自分自身を疑うように思いっきり青空を見上げた。
すると胸の奥が少しずつ落ち着いていく気がしたのは気のせいだろうか…
〔 まえがき 〕
はじめまして、沫と申します。
このたびはこの作品を開いていただき、ありがとうございます。
今年2025年は、戦争終結から80年が経ちます。
戦争の悲劇を忘れないために、そして終戦80周年記念ということで、戦争についての小説を書
いてみようと思いました。
至らない点も多いですが、少しでも皆さんに平和について考えるきっかけになれば幸いです。
日本が二度と戦争に関わらないこと、そして世界中の争いが終わることを、心の底から願っています。
※本作品はフィクションです。
実在の人物や施設、歴史的事実などとは無関係なものとしてお楽しみ頂けると幸いです。
〔 キャラクター設定 〕
・主人公 : 私 (白石 瑛茉 しらいし えま )
・年齢/学年 : 中学3年生
・性格 : 感性が少しズレていて、普通の人が言わないような比喩を口にする。
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瑛茉は、ジャベリックスローを「焼夷弾みたい」なんて言ってしまう少し変わった子です。
けれど彼女にとってはそれが、美しいものを見つけたときの素直な感想なのです。
… 表現が過激に聞こえたら申し訳ございません。
しかし、瑛茉の独特な感性をどうしてもそのまま伝えたかったという作者の切実な思いを理解していただければ幸いです。