コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「…それで、どうしたんだ?」
「…えっーと…その…」
「ゆっくりでいいよ」
私は茶を注ぎながら、彼女の顔を見ていた。
「実はだな、気になる人ができて」
「ほう、いい事じゃないか…」
なんだ、色気話か…と思いながら
ぽつぽつ聞いていた。
「その人はとても優しくて、だな」
「いつもいつも暖かくて、
一緒にいると落ち着くんだ」
段々、慧音の顔が火が出そうなくらい
真っ赤に染まっていた。
「ふーん」
「毎日会ってるんだ。」
「……………。」
「そして、この竹林に住んでいるらしくて」
私は何となく察して、話しかけてみた。
「おい、慧音」
「な、なななんだ?!」
「お前、回りくどいな…」
「いや…か?」
「あはは…いんや、面白くていいと思うぞ」
私は近ずき、
慧音の後頭を手に添え、
もう片方で手を握った。
「なっ、なにを―」
そしてゆっくりと唇を重ねた。
「…慧音も同じ気持ちなんだな。」
「妹紅も…好き、なのか」
「あぁ、お前に出会った時からな。」
慧音の真っ赤な瞳が潤み、
涙が溢れはじめていた。
「おいおい、泣く事ないじゃないか」
「いやその…嬉しくてだな…」
「…でも、慧音分かってるのか?私は―」
「重々承知している、その上でだ…」
彼女はじっと私の瞳を見つめた。
「ならば、お前が朽ち果てるその時までこの身を捧げようじゃないか。」
「……それは、どういう…」
慧音が私に問いかけようとしたその時
ドゴォォォォンッッ!!
「な、なんの音だ?!」
近くで弾幕同士がぶつかる音が響いてきた。「慧音、そこで待ってろよ!!」
「あぁ、ちょっと妹紅?!」
私は高く高く跳び走った。
(月が見える夜に一体何が…)
今日の月は満月…の筈だが、慧音がワーハクタクに変わっていない
(…アイツらのせいか?)
私は先を急いだ。
「妹紅…!」
私は妹紅が心配で心配で仕方なくなった。
言いつけを守らず、戸を開き外に出て走り急いだ。
すると
「うぐっ…」
数メートル走った時、身体の疼きがあった。
「…うがぉぉぉっ!!」
私は月の光を浴び、
上白沢…ワーハクタクへ変幻した。
走るスピードは倍に、爪は長く伸び
嗅覚は鋭く、牙はむきだし。
そして、長く真っ白い2本の角が生えた。
「妹紅…妹紅…」
私は歴史を追い求む獣の如く、妹紅の後をたどった。
「…やはり、来たか」
「またお前か…化け猫」
私には見覚えのある奴が居た。
化猫寺子屋児童襲撃事件の首謀者猫牙(びょうが)が…
「何しに来た猫牙!!」
「ここの教師に用がある…お前じゃぁない」
「!」
猫牙はまた大勢の子分を連れて来たようだ
「こいつが、妹紅………」
「弾幕騒ぎはお前らだな?」
「げひゃひゃ、お前ら2人をいたぶるために…なぁ?」
「馬鹿げたヤツらだ…慧音を置いてきて正解だ。」
猫牙は長い爪を出し、襲いかかってきた
「きしゃぁッ!!」
「…体術で勝とうと?」
パシッとその爪を全て掴んだ。
「な、なんだって?!」
「さぁ、勝負を始めようじゃないか。」
妹紅は紅い目をギラつかせた。