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『クラスの陰キャ男子は”元”不良でした。』
Episode.21
ぷちぷち→👀
ぽん太→🐤
いむ→🐾
ひなこ→🎀
のあ→🍪
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
side:松海冬知 -matsumi futi
“今すぐ屋上へ向かえ!早くしねぇと手遅れになるぞ!”
頭の中で、そんな風にはっきりと声が聞こえた。
ぐるぐると渦を巻く思考に占拠されていた脳内は、きっとその声で正気に戻ってくれたのだろう。一気に鮮明に頭を回せるようになった。
「いってぇな!何すんだよ!」
そんな周りの声なんて、気にしている場合ではない。今はとにかく、アイツを……!!
👀『わり、今急いでるから!!』
「はぁ?!急いでるって……待てッ!!」
ぶつかった連中の怒りを買ってしまったらしく、後ろからは2、3人程度の不良が追いかけて来た。ただでさえ今は余裕が無いんだから、大人しく引っ込んでいれば良いものを……
🐾「待てよ、まずこっちで話させてくれ」
👀『っ、いむ…?!』
🐾「ぷっちー、今は俺らの方に集めるから!」
👀『いや、でも…』
🐤「うっさいっすよ!行くならさっさと行って下さい!!」
心の中でいむとぽん太に感謝をしながら走り出し、ようやくほとんど封鎖状態の屋上のある棟に着いた。
校舎の隣に設置された、錆びた金属で作られたフェンスで囲まれたボロボロの階段を駆け上がる。カンカンと鼓膜を刺激する甲高い音なんかは無視した。
触れるだけで指でも切ってしまいそうな手すりを無理やり掴んで、1秒でも早く頂上へ辿り着けるように思いっきり爪先に力を込めて階段を踏みしめる。
👀『はぁッ、は‥ッ…!!』
体力がどんどん失われて、段々と息が苦しくなって来る。頂上まであと少しなのに、そこまでの道のりが永遠であるかのように思えた。
👀(くそ、ッ‥!!あと少しだけなのに…!!!)
これほど、自分の体力の無さと、複数ある棟の中で唯一4階建てのこの棟のことを恨んだことは無い。
そもそも、俺はあの頃からあまり体力がある方では無く、大抵の相手は一撃で仕留められるように威力を重視していたのだ。
それにしても、これだけのブランクがあると昔の何倍も持久力が落ちているようだ。
本当に、何もかもが俺に対して悪い方向に進んでいるようにしか思えない。
フェンスと手すりの錆びで切れた指と手のひらの皮が、ぺらっと捲れて、真っ赤な血液が顔を覗かせている。見るだけで痛々しいし、手のどこに力を入れても出血が収まる気配なんて無い。
…なのに。今は、そんなことを気にしている暇なんてある訳無いのに…!!!
👀『っ、着いた…!!』
階段を登り終えて、屋上と階段を隔てる扉を無理やりこじ開ける。元々整備なんてされていなかったようだから開かないかと思っていたが、それは杞憂に終わったらしい。
……むしろ、屋上の設備の老朽化のお陰で普段より開きやすくなっていたのかもしれないな。
🍪「お嬢っ、待って下さい!!そっちは……!!」
👀『……これって、会長の声…?!』
どうして屋上から会長の声が聞こえたのか……なんて疑問を浮かべるのは少し不相応だろう。そもそも、昼休みのときに会長とひなこのツーショットを送られたのは俺だ。一番最初に見ているし、しかもあんなメッセージ付きなのだ。どう考えたって、あの3人の中じゃ俺が一番そのことを覚えていたはずだ…!
👀(っ、よし、開いた…!!)
鍵はこじ開けられても、何かが引っ掛かって中々開かなかった扉に体当たりして、扉を嵌め込んでいた金具を無理やり割って壊した。
後から弁償騒ぎの関連で会長や先生からの説教が怖そうだが、それは全てが片付いてからで良い。
俺の視界に映るのは、老朽化した、ところどころ穴が空いていたり、金具が外れているフェンス。
そして、そのフェンスの外側に立って、
地面へと現在進行形で飛び込んでいたのは。
俺の実の”姉”だった。
👀『”ねぇちゃん”ッ!!』
気が付けば駆け出していた。
きっと、あのときに少しでも躊躇していれば間に合わなかったのかもしれないな。
腕に、手に、指に。
全身に巡るすべての神経をそこだけに集中させて、必死で…
彼女の制服の生地を、掴んだ。
🎀「っ、ぷっちー…?!」
👀『……勝手にんな事すんなっつっただろ!この……っ、ばか…ッ、!』
🎀「……」
👀『心配、したんだぞ……!!』
🎀「……ごめんね、ぷっちー。」
🎀「ありがとう、ッ‥!」
涙を流していた。
ひなこが泣いていることなんて、子供の頃から一度だって見たことがなかったのに。
……ひなこが父さん達を殺しかけたときも、涙なんて流さなかったのに。
──────────────
あの事件が起きてからは、俺は泣いたことがなかった。
どれだけ悲しいことがあっても、笑顔を浮かべられるように努力して来た。
きっとそれは、ひなこも同じだったんだろうな。
👀『…お前まで、居なくなったら、おれ…!』
本当に、ひなこが生きてて良かった……
“アイツ”を失って、すぐひなこまで失ったら、俺は……
……あれ、アイツって、誰だっけ…?
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
side:???
“……やっぱ、か。”
忘れてて、良かったよ。
“良かったんだよな、オレの事なんて、覚えてるだけ無駄なんだし……”
それでも、もし我が儘を言ってよかったなら…
“オレのこと…覚えててほしかったなぁ…”
「……」
「…”トクベツ”だぞ。(ボソッ」
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Episode.21
『「ありがとう」をきみへ』 終了
Episode.22・・・2/8公開
次回もお楽しみに。
-作者より-
やっと書けたぁぁあぁあぁああ!!!!
ずっとひなこさんの飛び降りシーンが書きたかったのですが…そこまでに過去とか色々出さなきゃ行けなかったのでチャンスを失っていました。
いや書けてよかったぁ…最近はずっとひなこさんとMidくん視点だったので、久々にぷちさんの視点が書けて楽しかったです!
まぁシーン自体は全くもって楽しくないんですけどね…w
と、言う訳で!ここまで書いたと言う事は、お馴染みの暴露(?)シーンと日常シーンが登場します!
……と、言いたいところなのですが…!
その前にも1つ(良い意味で)泣けるかもしれないスポットを書きますので、どうぞお楽しみに!
やばい私の得意分野(シリアス&病み)終わっちゃったどうしよネタが無いッッ!!!!((((
コメント
4件
うああああ!!! ひなこちゃーーん!!! 最高です!! ぷちさんが助けてるのカッコよすぎます!!続き待ってます✨️