テラーノベル
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初投稿です。
小説なるものを投稿すること自体初めてなので手汗が止まりません。
解釈違いやキャラ崩壊を起こしている可能性が十二分にある糖度高めのむだしきです。
それでもいいよという方だけスクロールしてください。🙌
暖かい日差しが瞼を指し、真っ暗な視界を淡く照らした。
朝か、と思い目を開けると、視界いっぱいに美しい紺が広がった。
少し目線を下げれば、愛しい恋人が無防備で柔らかな表情でまだ寝息を立てていた。
四季が付き合って既に数ヶ月が経っていた。最初の頃は「ムダ先と一緒に寝るとか、なんかこそばゆくて恥ずい!」と言って照れて中々眠りに付けなかった四季も、今や二人で布団に入ればすぐに自分の腕の中で眠るようになった。
初めの頃の初々しい四季も愛しかったが、今の自分に身を任せきって柔らかな表情を浮かべる四季はいっとう愛おしい。
羅刹を卒業してしばらくだったが、未だ幼さの残るその顔を見つめながら髪を優しく靡かせれば、なんとも言えぬ幸せそうな顔を浮かべるのだから、いつまでも撫でていたくなる。
「んぁ…むだせん?」
撫でられる感覚で起きたのだろうか、蕩けた紅が瞼の下から顔を出し、ふわふわとした口調で自分を呼んだ。
「起きたか、おはよう四季。」
「ん、…はよ。」
そう言って柔らかく微笑む四季に口付けすると、「んへへ」と嬉しそうに笑った。
「なーむだせん、今日ってひさしぶりのきゅーじつじゃん?」
「あぁ、そうだな。」
「どっかいこ〜ぜ〜」
「たまにはいいな。」
「へへ、やった〜。どこ行こっかな〜」
今日は久々に2人の休みが重なった日だ。四季が在学していた頃よりも桃との諍いは頻度は減ったものの、それ自体が無くなった訳では無いのでまだまだ忙しい。
その上、四季は本島で活躍しているが自分は羅刹で教鞭を取っていることもあり、必然的に物理的な距離が離れる。
今日はたまたま都内で応援要請があり、ついでという形で休養を貰えたため、愛おしい恋人の家に転がり込みそのまま二人で寝た。
正直疲れもあるため四季の家でゆっくり触れ合っていたい気持ちもあるが、まだ眠気の残る甘い声でデートの誘いをされてしまえば断ることは選択肢にすら入らない。
「おれさ、観たい映画あるんだ!」
「じゃあそれを観に行くか。」
「あと、美味い飯屋が近くにできたんだぜ!」
「なら昼はそこで食べるとしよう。」
あとなあとな〜、とやりたいことを楽しそうに話す四季に思わず目を細める。
「ん、どしたん?ムダ先。」
相槌を打つのをやめたからか、四季がこちらを覗き込んできた。
「いや、気にすることじゃない。ただ、俺にこんなに穏やかな時間がくるなんてな、と思っただけだ。」
朝起きて、恋人の愛らしい寝顔を見て、起きておはようと言って、甘く口付けて、ゆっくりと会話する。
昔の自分はそんな温かな未来を想像することなんてできなかったし、一生訪れることなんてないと思っていた。
だから伴侶は一生つくる気はなかったし、仲間たちとともに平和を実現させるだけだと思っていた。
けれど四季が現れて、世界がより色づき、気づけば心が満たされていた。
自分の隣には昔からの仲間がいてくれたから、そこまで心がすさんでいたわけでも乏しかった訳でもない。
ただ四季が現れてからは、心に溢れんばかりの温もりが注がれるようになった。
それがどんなに幸せで尊いものなのか、当人は知る由も無いのだろう。
そんなことを考えていると、四季が頬を赤らめて嬉しそうに言った。
「俺も、ムダ先と会えて、付き合えてめーっちゃ幸せ。」
頭をグリグリと胸に押し付けて腕を自分の背に回す四季に「ほんとうにこいつは、」とある意味恐ろしく思った。
「本当にお前は俺を惚れ込ませるのが得意だな。」
「へへ、ばれちったか。」
軽やかに笑う四季の額に唇を落とすと、それ以上緩まるのかと思うほど頬を緩ませた。
「ねえムダ先。」
「なんだ。」
「やっぱり、もうちょっとこのままでいい?」
「…あぁ、お前とならどこで何をしてても、俺は満足だ。」
「ずりぃの。」
お互いもう一度、優しく強く抱き締める。
この幸せな時間を噛み締めるように。
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