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srhb
ご本人様とは関係ありません
目が覚めると真っ白な天井があった。
どうやらベッドの上のようで横には恋人が寝ている。
ここはどこだ?
恋人を起こさないようにベッドから降り、部屋を散策する。
扉も窓もない。
なんなんだ一体。
ふざけてるのかと思いあたりを見るがなにもない。
「ンぅ…せらお…?」
恋人が目覚めたようで俺の姿を探す。
「おはよう、雲雀。」
恋人に駆け寄り頭をなでると彼はへにゃりと笑った。
「せらお、ここどこ?」
「俺もよくわかんない…。」
状況を確認していく。
俺は何かを忘れてるような…。
そう考えたところで耳にノイズが走ったような感覚になる。
「?」
「せらお?どうしたんだ?」
「いや…。」
何かを忘れているような気がする、なんて言えなかった。
俺は彼と一緒にいられればそれでいい。
…?
本当に?
こんなわけもわからない部屋で?
「せらお?本当に大丈夫??」
「…。雲雀は何か違和感みたいなの感じない?」
「え?うーん…。いつもよりふわふわする?」
「そっか。」
ふわふわか。
俺にはあんまりわかんないけど。
「ま、出れなくてもせらおと一緒ならうれしい。」
また上目遣いで俺を見つめる彼。
何か違和感を感じる。
「せらお、ちゅーしない?」
そう言って俺に触れる彼。
その体温は恐ろしいほど冷たくて。
「っ‼‼‼」
とっさに振り払った。
「せらお…。なんで、そんなことするの?」
悲しそうに怒ったようにこちらを見る彼。
その瞳はいつもと違い真っ黒で。
「お前は、雲雀じゃない。」
「なんで、なんでなんでなんで‼‼‼姿も声も手に入れたのに。せらおが好きなあいつになったのに!!」
「雲雀はそんな愚かなことはしない。」
「なんで?わかんないじゃん。せらおを手に入れるためなら何でもするかもしんないじゃん。」
「雲雀は俺が嫌がることを絶対にしない。」
そういったところでまた耳にノイズが走った。
『…ら、…ます、』
なんとなく聞いたことのあるような声がしてそれに耳を澄ます。
『セラ…きこ、ます…か?』
「凪ちゃん?」
『よかった。届いたようですね。端的に説明します。あなたは今催眠を受けて部屋に閉じ込められています。脱出のために奏斗が扉を破壊しようとしてます。』
「雲雀は?」
『たらいは、あなたが攻撃を喰らったとたん意識を失って…。』
「なるほど了解。」
凪ちゃんとやり取りをしていると彼の姿をした誰かがワナワナと震えだす。
「うそでしょ…。こんなに早く解けるなんて…。」
「俺たちにチームワーク舐めすぎだね。」
『?そこに誰かいるんですか?』
「おそらく俺に催眠かけた張本人と雲雀の意識飛ばしたやつ。」
『…。56すなよ。誤っても。』
「だいじょうぶ。後で地獄見せるから。」
ドゴンっガラガラ‼‼‼‼
と大きな音がして壁が崩れ落ちる。
「セラいたぁ‼」
いろいろな道具を持った奏斗が現れ敵に銃を向ける。
「何でこいつひばの姿してんの?やりづら。」
「奏斗…。」
「うっわ声までひばかよ。」
「俺が本物やとは思わんの?」
「思わないね。ひばはそんなメンヘラじゃない。」
そう言って銃をぶっ放す奏斗。
弾は当たらないけどそれに驚いたのか敵は気絶する。
敵の姿がぼやけて女の姿になった。
「やっぱり雲雀に化けてたんだ。」
「誰?こいつ。」
「確か前の任務で助けた子かな?」
「あーね?惚れられたんか。」
「多分。」
「女の執着こわぁ。」
そんなことを話しているとバタバタと足音が聞こえる。
「せらお‼奏斗‼」
扉のがれきをよけながら雲雀が走ってきた。
「雲雀、起きたんだ。」
「せらお怪我ない?大丈夫?」
「うん。全然平気。」
「僕の心配はないんかい。」
「奏斗は平気やろ。たぶん。」
「怪我してたらどうすんのさ。」
「血の匂いせえへんから大丈夫。」
「鼻がいいなぁ。」
「雲雀、大好き。」
俺の唐突な告白に目を丸くする雲雀。
「急にどうした??」
「言いたくなってさ。」
「俺も大好きやぞ‼」
「このバカップルはほんとに…。」
奏斗があきれたようになんか言ってるがどうでもいい。
もう二度と彼を間違えることの無いようにしたい。
だから俺は愛を囁く。
その唇にキスを落とした。
そうしてこの任務は終わった。