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俺はしがないフリーター(25才)。
去年は彼女と別れ、働いていた会社が倒産し、本当に散々な1年だった。
無駄にでかい神社に年越し前から並び待っているのだが、周りには顔のいいカップルばかりがいて嫌気がさしてきた。リア充爆破しろと願ってやろうか、なんて思いながら目の前の女のつむじを眺める。
「ねぇちょっと、痛いわ…逃げないからもうちょい優しく握って」
小声で女の声が聞こえた。女にしては声低いなと思いながらも、話の内容の方が気になり顔を上げて見てしまう。
そこには何とも美しいロン毛の女と、明らかに不釣り合いな黒フードを被る豚のような男が立っていた。パパ活か?と思ったがこんな年越し前にパパ活やろうという気になる女はそうそういないだろう。
しかも話から”逃げる″という単語が出てきた事が気になりそっと体を動かし2人の間を見ようとした時、年越しの鐘が鳴り響いた。
ゴォ〜ン
一斉に猿の如く騒ぎ始める人間共。俺は軽く耳を塞ぎ一瞬2人から目を離してしまった。
急いで視線を戻すとそこには彼女なしの俺に対して見せつけるように、女の口に舌を入れ込み満足げにこちらをみる豚を男がいた。
視線があった瞬間、恐怖と怒りが同時に湧き上がる。冷や汗もするし、列を飛び出し逃げたくもなった。
男の顔全体に掘り込まれたタトゥー。外国人が持つ青い瞳。太っていなかったら完璧な容姿になっていただろう。
「んッ…やッ!…ッ~~~!!」
必死にディープキスを止めようとしている女を見て、俺は下の方を熱くさせながらも今年初勇気を出すことにした。
目の前でキスされている女は俺のタイプだったから、あわよくば助けてくれたお礼ですと言って連絡先を交換してくれるかもしれない。
男と目が合ったことをいい事に、自分が思っていたより数十倍弱々しく戦闘力皆無な声で男に言った。
「あ、あの〜…か、彼女嫌がってます…よ..汗」
そういうと男の眉間にシワがより、ディープキスを辞め次は俺にディープキスする勢いで近づいてきた。
ちびりかけたその時男は鼻息をフッと鳴らし俺の耳元で
「こいちゃ男やで。にぃちゃん暇なら遊ぼうや」
!?目の前にいるこの美しい女性が男!?
あり得ないと思いながら、男のする遊ぼうという提案に心が踊る感覚がした。
「3pや。どうせこの後何も予定ないんやろ?」
そうだ…何も予定なんかない。明日はシフト入ってなくて…一日中寝る予定でそれで…。
何の刺激もない日々が毎日続いている。俺はもうおかしくなりそうだった。そんな中の3p提案。答えは決まってる。たとえこの男がヤクザだろうともうどうでもいい。
「わかった。遊ぼう。」
その答えを聞いていち早く反応したのは彼女だった。
「えっ、嫌よ!3pなんてアタシ嫌!んッ!?」
「全く、よく喋る奴だよ。約束、忘れたんか?」
そう男が言うと彼は静かになった。約束とは何だろう。気になるがそう深くは考えず、初詣を済ませてから男達の家へと向かった。
〜男の家〜
「安心し、にぃちゃんを痛い目に合わせる気は毛頭なんし、お客さんやからな。」
そういうとわざわざ先に中に入るよう進めてきて俺は美しい男と共に先に家の中に入る。
すると最後に男は鍵を閉めた。驚く俺を見て男は笑いながら、「そいつぁ出て行かんようにするためやから」といって俺を納得させてくれた。
中は広くかなりの財産を所有していることがわかる。どこも綺麗に掃除されこの豚男が暮らしているとは思えなかった。
一番広いリビング。そこはまるで小さな動物園のような外観だった。
リビングの真ん中には透明なガラス張りの部屋があり、中には変な形の椅子とベッド、天井から吊り下がる鎖や謎の機械まで。実験室を連想させる道具の数々。すぐにここが何をする部屋かわかった。
「凄いだろう。どれも特注品だ。」
「特注品…」
空いた口が治らない。この豚男は狂っている。そう確信しながらもそっと美しい男に目を向ける。彼は目に見えてわかるほど小刻みに震えていた。これからやられる事がわかっているのだろう。そっと抱き寄せてやりたい衝動に狩られるが、豚男から殴られそうなので辞めておく。
「おい、ルナ入れ」
そう言われると彼は豚男に従いそっと身を透明なケージに入れる。
入ったのを確認すると男はドアを閉めた。
「にぃちゃんこっちきぃや。上手いワインあってな、こいつ見ながら飲もうや。」
そういうとワインのボトルとワイングラスを持って来て、透明なケースの目の前に設置されたカウンター席に誘導してくれた。
座ると目の前に彼が見えて胸を弾ませる。
継がれるワインと共に彼は顔を赤く染め上げそっと服に手をかける。