一面に咲いた綺麗な花々。
そんな花も、いつか俺達と一緒に _ 。
⚠︎︎ChroNoiR二次創作
「シスターサーシャ!」
教会に響き渡る幼い声。
この音色に、誰もが癒される事は間違い無い
声の元へと振り返る
手を後ろに回し
何かを隠す様にして此方へ走ってくるネイサンに思わず笑みが零れる。
足元まで駆けて来たネイサンの目線に合わせて足を屈めると
自然と頭上に手が伸びた
くすぐる様に頭を掻き回すと
ネイサンから可愛い笑いが漏れていた
「シスターサーシャ!今日四葉で栞を作ったんです
どーぞ!!」
照れる様に後ろから取って見せたのは
綺麗に潰された四葉の栞だった。
「ネイサンが作ったのか?
有難う。嬉しいよ」
感謝の意思表示と共に抱き締めて愛を伝えた。
果たしてこの愛に中身はあるのか。
「ネイサン!おいで。 夕飯の時間だ」
「シスターサーシャ!また明日」
「また明日。ネイサン、ロト。」
俺は人間に感情移入出来ない
してはいけない。
人間に対して好意も嫌悪も抱けない。
抱いてしまえば。
ただ、彼奴だけはどうも例外だった。
嫌いになる事は絶対に無いし
好きになっても罪悪感を持つ事も無い
でも、これはイケナイ事。
ナッテハダメな事。
それでも、俺は_
「サーシャ?」
「サーシャ?
…って、あれ〜、?」
サーシャを探し始めて30分が過ぎようとしていた
一緒に夕飯を食べようと思い
至る所を探したが、
どうも見当たらない。
いい加減空腹なので今すぐにでも見つけたいが
これ以上サーシャが居そうな場所に検討が
「…まさかとは思うけど、一応、ね」
「…サーシャ。」
「あ、叶。」
君が居たのは
僕達しか知らない
百合の花畑だった。
沢山の花に囲まれて1人佇んでいる君は
綺麗な白髪が風に揺られて
月に照らされたまつ毛や赤い瞳は、
周りの花々を背景にした。
ただ、君に吸い寄せられた。
「叶?どうしたんだ?」
久し振りの再会という訳でも無いのに
まるで何十年振りにサーシャの声を聞いたかの様に
何故が涙が溢れそうになった。
空腹も何もかもどうでも良くなった。
サーシャが纏う謎の雰囲気に
孤独と寂しさを感じた。
「サーシャ。君は、死なないでね。」
この寂しさを埋めるために、伝えた
伝えたくて伝えたというより
口が勝手に動いたに近かった。
今までサーシャに
生きてて欲しい
なんて考えた事は無かった。
サーシャは死なないと思っていた。
死んでも仕方ないと思っていた。
所詮旅仲間の関係だと。
それでも僕は
何処かで、サーシャに生きていて欲しいと
願っていたのかもしれない。
「なんだよ急に笑
俺は死なないよ」
その言葉だけで
人間は簡単に安堵してしまう
そんな事を
此奴が分かるのか。否か。
「叶。
お前も死ぬなよ。」
「頑張るよ。」
後日、
叶の背中には
記憶と引き換えに
白い翼が生えた。
END
コメント
6件
くろのわ最高だよ くろのわアニメ見れてないからいろいろ言えないけど、最高なのは超伝わったし、なにより解説が助かった!!さすがNANAちゃんです 読み切りで読みやすいし、解説が最初から説明してくれてて本当に分かりやすかったありがとう
解説⬇️