テラーノベル
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⚠
・微流血?
・不自然な方言
・あやふや口調
どうすることもできず、とりあえず悪いやつには見えんかったから体に刺さった矢を抜いてやった。
で外に放置するのもなんだか気が引け、血だらけの体を背負って自分の家に向かった。
俺より少し背丈が高そうに見えたけど、案外楽にかつげた。
包帯を適当に巻いて、柱に縄でくくりつけて、目が覚めるのを待った。
それからかれこれ4時間が経とうとしている。
そろそろ日昇っちゃうんちゃうか?これ…
何かあった後では遅いと思って、ゲームしたり風呂入ったりと頑張って起きようと粘ったけど、そろそろ流石にまぶたが重い。
まあ、相手も全身手負いやし、めっちゃ強く縛ったし、多分ちょっとくらいなら大丈夫やないか…?
そう思ってまぶたを下ろそうとしたとき、先程までずっと意識を向けていた方から物音がした。
驚いて降ろそうとしたまぶたをこじ開けると、そいつは自分の縛られた体を見て顔を真っ青にしていた。
「ッひ…」
弓を咄嗟に構えた俺の方を向くと、小さく悲鳴を上げ、縛られた身体を小さく丸めた。
「…おはよーさん。まずお前が人畜無害なこと証明してくれへん?」
俺の言葉が予想外だったのか、紅茶色の耳をぴくりとふるわせ、俺をじっと見る男。
別に俺だって怪我してるやつに無差別に弓引くようなやつではないんや。
「…わ、私の……?」
「おん」
「……こ、こんな見た目で、信じられないと思うんですけど、私は人間です。人も、喰ったこと無いですし、元々身体が弱いです、」
人を食うことを前提にした人間なんて人間やないやろ…更に怪しくなってくる。
「…体弱いん?」
「はい、えっと、筋肉とかもつきが悪いし、爪や犬歯の発達も遅れていて、人間並みです。」
俺が意味がわからないとでも言いたげな顔をしていると、慌てたように「違うんです!」と首を振り始める。
何が違うのかすらもわからん。
「あ、えっ…と…昨晩は、私が探していたものがこの辺にあると聞いて…本当に、迷い込んでしまっただけなんです。それをこの村の方々が見つけてしまったようで……多分、狼と見間違えたんだと思います。」
昨夜の夜のあの惨状は、多分追手を撒いたあとだったんだろう。
痛々しい光景が脳裏に浮かび、首を振って誤魔化した。
「ん〜…そう言われても、決定的ななんかはないん?」
「け、けっていてき…ですか…」
「……では、私を一度解放してみてください」
「は?」
何を言っているんだ、?こいつ
「それで私があなたに襲いかかれば有害、襲わなければ無害。
見ての通り私は手負いですし、非力です。万が一のことがあっても、あなたの弓で私を殺してください」
「どうですか?」
ヘラリと男は笑ってみせた。
自重したような笑いに心臓が少し痛くなる。
寝不足であまり働かない頭を懸命に回す。
こいつは多分、下手にこの村で悪さするより、森に帰るほうが自分の身のためだとわかっているはずだ。
それに自分には弓の絶対的な自身があった。こいつの言ってることは合理的っぽい。
「……わかった。話したあとは村に残らず、森に帰れ。もしお前が村に残るんやったら多分、村人総出でお前を殺しに行く。ええか?」
「はい、必ず」
「…俺がええっつーまで動くなや」
弓を短いナイフに持ち替え、一歩ずつ近づいて、彼の眼の前にしゃがんだ。
近くで見るとやっぱり、きれーな顔しとる。
縄をちぎる音が響いた。
「…ええで」
弓を構え直して合図をする。
解放された男はまず、あちこちに血が染み込んだシャツを見下ろし、「手当、ありがとうございました」って笑った。
ドアから出るように促してみる。
「……出ぇへんのか?殺すで?」
そういって更に矢を引いた。
男は腕を地面につき、ふらりと立ち上がると、すぐよろけて壁に手をついた。
それを一歩離れたところから見張る。
おぼつかない足取りで扉の方に向かっていったのを見届けて、弓を少しおろした。
これでやっと終わると思った、束の間。
ストンっと小さな音がして、慌ててみると、その男がまた倒れていた。
驚いて駆け寄ろうとして思い出す。
そういえば、特に大きな狼には、毒の塗られている矢を使うことがある。
海の、ちくちくしたよくわからんやつの毒と、でかい蜂の毒を混ぜて色々手を加えたやつらしい。
人間には効果は僅かだが、野生動物には生死を左右するほどの猛毒だと聞いている。
「…体だるいん、?」
「す、すみませ…だるい、?というか、力が入らなくて、」
もしかしたら毒が効いているのかも、?顔色もそこまでよくなかった
「ホンマ?」
「…はい…すみません、這いずっていくので、血で床汚しちゃうかも…」
「いや、ええけど…体弱いん、本当やったんやな。というか、もろい、?」
「あはは…」
男は乾いた笑いをこぼした。
うーん、やっぱ悪い感じはしない気がするんよな…
直感やけど…別に、有害な訳やなさそう。
「…まって、まだいかへんで!」
「っぇ、あ、え?」
亀よりも遅いんちゃうかってぐらいのペースで這いずりながら出口の方に向かう、紅茶色の頭を呼び止める。男は体を大きく跳ねさせてこちらを振り向いた。
「…ここ、おってええよ、治るまで」
俺が言うと、男は次第にパアッと顔を輝かせ、「本当ですか!!」と期待の眼差しを俺に向けた。
「おんw」
「ほんとに、ほんとに何から何まで、ありがとう、ございます……」
言い終わるやいなや、バタリと脱力して床に寝そべってしまう。
「あー…無理させすぎたんかなぁ、」
俺はまたそいつを家の中に運び入れ、今度はちゃんとベッドに寝かせておいてやった。
そういや、解毒剤持ってる友人がいたはず、とツテを思い出し、玄関のノブに触れた。
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