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わー!今日も面白かった!!✨
鬼滅の刃、キメツ学園二次創作
n番煎じ
キメツ学園に無い設定有り
それでも良ければそのままスクロール〜。
*
今日は週の始めである月曜日。だが、空は荒れ模様でゲリラ豪雨が降っていた。その為、本来なら授業はあるが念の為寮で安静にしなさいと其々鴉から言われた。
「三連休となったことに嬉しいっちゃ嬉しいけど、雨だと鬼滅隊はあるのよねー」
「あーそっか。太陽が出てない分、雨の日も鬼は活動するもんね。それにしてもすごい雨」
寮の窓からは打ちつけるような雨が降っていた。風も強く、窓がバンバンと鳴っている。
「あっ、光った」
雷も鳴り、光った後爆発するような轟音が聞こえてきた。
「凄いね、なんか」
するとびしょびしょになった禰󠄀豆子の鴉が飛んできた。
「わ、銀杏、どうしたの?」
「今日ハ安全ノ為鬼滅隊ハ無シー! 柱ハ軍服ニ着替エルヨウ指示ヲ貰イマシター!」
「そうなの? お疲れ様、こんな土砂降りの中。少しこの寮で休憩して行ったら? ほらタオルもあるよ」
「アリガトー!」
禰󠄀豆子の鴉は「銀杏」と言う名前。鴉はとっても良い子な鳥だが、その中でも銀杏は特に頭が良い。
「それにしても柱は着替えなきゃ行けないのね…お兄ちゃん、大丈夫かな…?」
兄は柱なので、この土砂降りの中、校舎の見回りなどに赴かなければ行けない。せめてもの労いと思い、兄にメッセージを送る。
『鴉から聞いたんだけど、お兄ちゃん柱だからこれから鬼滅隊があるんだよね。頑張ってね』
そのメッセージと共にスタンプを添えて送る。すると意外とすぐに既読がつき、返信が来た。
『ありがとう、禰󠄀豆子。この土砂降りの雨の中の任務ってなんだかんだで初めてだから頑張るよ』
禰󠄀豆子はまた、『どんな感じだったか教えてね』と送ってスマホを閉じる。
「ねえねえ銀杏ちゃん、撫でてもいい?」
「イイヨー!」
「やったー! 有難う!」
真菰は嬉しそうに禰󠄀豆子の鎹鴉を撫でる。雨はどんどん強くなる。それに不安を覚えながらも朝食を食べなければなと思う。ただ、寮からは出られない。寮で安静にしろという指令が来てから校舎は閉められたからだ。
「ねぇ真菰ちゃん。朝食どうすればいいんだろう」
「んー、分かんない。ねえ銀杏ちゃん、何か聞いてる?」
「朝食ハマキヲサン、雛鶴サン、須磨サン達ガ届ケニ来テクレルハズダヨ! モウスグノハズ」
「ありがとう銀杏。銀杏は本当に賢いね!」
「ソレホドデモ〜!」
するとコンコンとノックされた。
「須磨ですぅ。朝食届けに来ましたぁ。両手塞がってるので誰かあけてくださぁい」
「はぁい。今行きます」
真菰は立ち上がり、ドアの方へ向かう。カチャリと開けると、重たそうな顔をしている須磨の姿があった。
「わぁー、わざわざお疲れ様です」
「ありがとう真菰ちゃん。大変だったんだよぉ。寮の中、入ってもいい?」
「勿論です。お手伝いしますよ」
「助かるわぁ」
交代交代でクーラーボックスや発泡スチロールの箱を寮の中に入れる。
「本当にありがとう。助かったわ。また後で回収に来まぁす」
「了解です!」
今日の朝食は洋食で、クロワッサンと目玉焼き、サラダ、バター、コーンスープが入っていた。
「おぉ〜、今日も美味しそう! 寮の中で食べるのって何だか新鮮だね! そうだ。パンだし、銀杏ちゃんも食べる?」
「食ベル!」
真菰はいい子いい子とほくそ笑みながらパンを少し千切って銀杏の口元へと運ぶ。銀杏はそれをパクッと嘴で器用に挟み、上を向いて喉へと促す。
「美味シイ!」
「食堂のご飯ってとても美味しいよね! 何でこんなに美味しいのか秘訣を知りたいなぁ」
「だよねー」
そう言いながら食べ進める。食べ終えた頃、鴉も「ソロソロ戻リマス!」と言って窓から飛び去る。ただ、天気は変わらず大雨だったが、あまり長居するのも申し訳ないと譲らなかった為、送り出す。
「この雨、いつまで続くんだろう」
「ゲリラ豪雨らしいからね。もしかしたら線状降水帯になってるかも。どちらにせよ暫くこの大雨は続くよ」
すると、真菰のスマホから大雨警報のアラームが鳴る。
「ああ、もう本当これ心臓に悪いからやめてほしいよ」
そう愚痴りながら電源を切る。
「それ、スマホの音量関係なく爆音で鳴るもんね。私はこういう災害が起きる時は電源切っちゃうもん。寝る時とか睡眠妨害だし」
禰󠄀豆子はあははと言いながらそう言う。
「まぁねぇ。今は朝とか空が明るい時間帯でもあるから良いんだけど、寝る時とか本当最悪よね。まだ梅雨も終わってないしなぁ。ゲリラ豪雨になっても納得は行きますけども」
七月後半。九州の方は梅雨明けしたらしいが、東京や関東はまだ梅雨真っ只中だ。雨の日は憂鬱にもなる。兄はまだこの土砂降りの中校舎の見回りに行っているのだろうか。この寮からは東門が見えるので、覗いてみる。するとなんたる奇跡か、炭治郎と体育教師の冨岡義勇が居た。
「? 禰󠄀豆子ちゃんどうしたの? 窓見て」
「あ、お兄ちゃんが居たものだから、どんな様子かなぁと思ってみてた。ほら、お兄ちゃんと義勇さんがいるよ」
顎で指し示すと真菰も「本当だー」と言う。
「錆兎呼んでこようかな。錆兎、義勇さんと仲がいいから。きっと声掛けたら驚くぞー」
錆兎と義勇は錆兎が幼少期の頃関わりがあったようで何だかんだで仲が良い。あまり学園内ではそう言った行動は見せないが、錆兎の前では何故か義勇の口下手が治る。
真菰は男子寮の入り口まで行く。共用の寮に錆兎の姿は無かったので、授業がないからって寝てるのだろうと思っている。
「錆兎ー。ちょっと来てー」
真菰はドアノブの鍵穴から口を尖らせて声を発する。
「何だ?」
「東門に義勇さんがいるよー」
「何? 本当か!」
「本当本当。ほら来てー」
暫くして私服に着替えた錆兎が出てきた。そして窓を見る。真菰の言う通り炭治郎と義勇が居た。
「ね! 言ったでしょう。声掛けてみたら? ほら禰󠄀豆子ちゃんも。きっと妹が声掛けたらお兄ちゃん喜ぶぞー」
「もう揶揄わないでよぉ」
そう言いながらまた外を見る。外はまだ相変わらずの土砂降りで、雨除けでフードを被った炭治郎と義勇は施条銃を構えている。すると鬼が二体ほど飛び出していた。義勇は即座に反応し、一体の頸を刎ねる。炭治郎も匂いで察知し、もう一体の頸を刎ねる。そして微かに話し声も聞こえた。
「前に宇髄さんに聞きましたけど、西門は森が近いから頻繁に鬼が出ると言ってましたが、やはり雨の日だと西門に関わらず鬼が出ますね」
義勇は目上の存在で有る為敬語を使う。禰󠄀豆子は流石と思いながら黙って傍観する。
「そうだな。更にこの土砂降りの雨の中、太陽が出ていない分鬼にはうってつけだ。(炭治郎。この雨の中だ。風邪をひいてないか)大丈夫か?」
「え?」
炭治郎は目を点にして聞き返す。それに錆兎ははぁと溜息をつく。やはり恐ろしいほど口下手だ。義勇としてはこの土砂降りの雨の中の任務は風邪を引きやすいので炭治郎の状態を心配したつもりなのだろうが、その問いの部分が抜けている為炭治郎に意味は伝わってないようだ。そりゃ当たり前だ。
(もしかして、心配してくれてる?)
「あ、風邪などは引いてませんから大丈夫ですよ!」
「…良かった」
「意味通じたんだ…」
「お兄ちゃんは鼻が利くからね。きっと心配の匂いでもしたんじゃないかな」
「あーなるほどね!」
傍観者はほうほうと頷く。すると雨が少し弱まり、やがて止む。
「あ、雨止んだ」
「でも、すぐ降りそうな気がする。ほら、スマホ見たら二十分後にはまた降り出すって。ほら、赤色だよ」
「うわー、まだ降るの」
予報で赤色のレーダーが流れ込んでくる。それにうわぁと思う。でも垣間晴れて、それはとても幻想的なものだった。
「雨上がりの空って綺麗だよね」
「わかる」
兄達も休憩で門の壁にもたれかかる。禰󠄀豆子は兄に声をかける。
「お兄ちゃん!」
「…! 禰󠄀豆子! 見てたのか?」
「うん! 偶々窓覗いたら居たものだから」
すると炭治郎はあははとはにかむ。
「また後で連絡するからなー」
「わかったー!」
そう返してもう良いかなと窓を閉じる。最後に大きく手を振っている兄に振り返す。錆兎も義勇に手を振る。義勇は驚いたようにするも直ぐに振り返す。
すると須磨が「空きの食缶回収しに来ましたー」と声をかけるまでずっと手を振り続けた。