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今日も面白い…!!
鬼滅の刃、キメツ学園二次創作
n番煎じ
キメツ学園に無い設定有り
初等部ほんと設定無いからあやふやです。
それでも良ければそのままスクロール〜。
*
キメツ学園初等部の校舎は至って普通の学校と変わらないシステムだ。中等部高等部には寮があるが、初等部には無い。それは何故か。初等部の生徒には鬼滅隊に所属する権利がないからだ。その理由は勿論、幼過ぎるなどもあるし、鬼に対しての訓練ができていないから。一般人が鬼と対峙するなんて自殺に等しい。昼間は普通に授業をして、十六時頃から十八時まで部活と称して訓練をする。部活を担当しているのは柱達だ。生徒で柱の竈門炭治郎と胡蝶しのぶは偶にだが、主に教師が教えに来てくれる。
キーンコーンカーンコーン
六時間目終わりのチャイムが鳴る。六時間目終了のチャイムがなるまで初等部は表だ。チャイムが鳴った途端、裏へと変わる。初等部には軍服は支給されないので体操服を着て行う。
「小鉄君、準備できた?」
「輝利哉君、うん出来たよ」
同じ初等部である産屋敷輝利哉。このキメツ学園の理事長の息子だそうで頭が上がらないが、本人は普通に接してほしいとのことなので小鉄の友達だ。
ピーッとホイッスルが鳴る。集まれの合図だ。初等部の生徒は整列し、体育座りをする。
「今日も部活をするぞ。今日は柔軟からだ。二人一組でやれ」
「ねえ、冨岡君。あまり素っ気なく言わないでっていつもしのぶに言われているでしょう。私もそんなふうに言われたら悲しいわ」
青いジャージを着用しており、癖毛の髪を一つに括った、蒼いキリッとした瞳の表向き体育教師の冨岡義勇。それを黄緑とピンクの蝶の髪飾りをつけて、長いストレート髪が特徴で紫色のキラキラした瞳をした表向き生物教師の胡蝶カナエが悲しそうに声を掛ける。
「姉妹揃って…俺は普通に伝えているつもりだ」
「あらそう」
カナエは拗ねたように言う。
「カ、カナエちゃん? 喧嘩しちゃダメよ?」
少々胸が見えてしまうような服を着ており、ピンク色と鶯色の髪色という変わった髪を三つの三つ編みにしているのが特徴で鶯色の瞳の表向き国語教師の甘露寺蜜璃がオドオドとしながら仲裁に入る。
「分かっているわよ、甘露寺さん。ただ、毎度毎度ね?」
カナエは額に青筋を走らせ、怒りの笑顔を浮かべながら握り拳を作る。それに蜜璃は「ヒェェ…」と悲鳴を上げる。初等部も見て見ぬ振りをする。
「小鉄君、一緒に組もう?」
輝利哉が声をかけて来る。
「いいですよ」
そして皆、組を作り柔軟を始める。時折蜜璃がアドバイスしに来てくれる。
「ダメダメ、そんなんじゃ。もっとグッてしてグァァァよ!」
「甘露寺先生、オノマトペが過ぎて分かりづらいです…」
一人の生徒が突っ込む。
「あはは、ごめんね〜? 説明下手くそで…でもでも! 見てもらった方が早いかも! じゃあ君、一緒にやってみよう!」
「は、はい!」
もう一人の生徒は美人である蜜璃と一緒に柔軟ができるんだとワクワクする。ただ、その後地獄を見る事は露知らず…。無理やりこじ開けられた開脚に生徒の悲鳴が響いたのは直ぐのことであった。
「…賑やかだなぁ。あそこは」
「ある意味地獄な気もしますけど」
遠目で見ていた輝利哉は理事長の如く微笑む。小鉄は半目になりながらも感想を述べる。
「ずっと柔軟じゃつまらんだろう。やはりお前らには銃声に慣れてもらわなくてはな」
白衣を身に纏っており、首にはアルビノの蛇、口はマスクをつけているのが特徴で、黒髪に右目は金色、左目は深緑というオッドアイの表向き化学教師の伊黒小芭内がネチネチと声を上げる。すると初等部の雰囲気が変わる。一人の生徒が呟いた。
「やっぱり鬼滅隊に所属するんなら銃をやらないとなー!」
まぁ確かにその通りだと小鉄は心の中で頷く。
銃の練習はやはり恒例の的当てゲームで、どれだけ高得点の的に撃てるか競い合う。
バンバンと銃声が鳴り響く。
「輝利哉君上手ですね! 八点ですよ!」
「ふふっ、ありがとう。小鉄君」
少年らしい笑顔をする。
「お前らは他にやりたい訓練とかねェのかァ?」
ボサボサの白髪に顔面、胸元、腕などに傷跡があり、鋭い三白眼をしているコワモテの表向き数学教師の不死川実弥がぽりぽりと頭を掻きながら初等部に問いかける。
「まぁ、やろうと思えば崖登りとか罠だらけの山を駆け降りるとかも出来るが、初等部にとっては命懸けでもあるからな。理事長先生に許可を取らなければいけないだろう」
伊黒は横目で不死川を見ながら腕を組む。
(出来ることなら、やって見たいですけど…)
小鉄は悩む。すると輝利哉が小鉄に耳打ちする。
「小鉄君は、命懸けの訓練、やって見たい?」
「え? うん、そりゃやって見たいですね。鬼と戦うなら…」
そのコソコソ話が聞こえた生徒は挙手をして「やりたい」と言ってくれる。生徒は小鉄と輝利哉にウインクする。二人は「ありがとう」と礼をする。
「ふむ、この際悩むのも性に合わない。やりたい者はしっかり挙手をしろ」
すると半分以上が手を挙げた。
「初等部は意欲的で良いな。少し待っていろ。理事長先生に許可を取ってくる。もしOKだった場合、不死川。トランシーバーで伝えるから訓練用の罠を作れ」
「はいよォ」
不死川は腰に手を置きながら返事をする。伊黒は理事長室へと走っていった。教師達も裏で訓練を行なっている為、高等部よりも身体能力は良い。まるで風の如く消えていき、遅れて風がビュウと吹いた。
「俺たちもあんな早く風のように走れるのかな…」
「頑張ればきっとなれるよ」
生徒達はそんな話をする。すると思いの外早く不死川の胸ポケットからトランシーバーが鳴る。
『理事長先生から許可が降りた。数人で罠を作りにいけとのことだ』
「了解。んじゃお前ら初等部は待ってろ。煉獄と、宇髄、手伝えェ」
「うむ! 承知した! 生徒達の身体能力向上が期待できる罠を作ろう!」
「俺も派手に作ろうかねぇ? 爆発なんてしたら派手だと思わねえか? 罠のロープを踏んだらダイナマイト爆発とか…」
宇髄は悪い笑みを浮かべる。それを不死川が半ギレで「やめとけェェ!」と言う。
すると冨岡が、ポツリと呟く。
「…こういうのは、鱗滝先生が得意だったと思う…」
「あぁん? 声小せえんだよ。鱗滝ィ?」
鱗滝はキメツ学園の校務員として働いている。若い頃は柱として活躍した。
するとちょうど良いタイミングで鱗滝が裏山の掃除をしにこちらへ向かってきた。
「あ、鱗滝先生。少し宜しいですか」
「おや、義勇。どうした?」
冨岡のことをしたの名前で呼ぶ鱗滝。どうやら仲は親しいようだ。
「初等部の訓練用に裏山に罠を仕掛けようと思うのですが…手伝ってくれませんか? 手前勝手な頼みとは重々承知しております」
鱗滝は天狗の面をつけている為表情は分からない。だが、冨岡の堅苦しい発言に暫しポカーンとなったようだ。そしてはぁ、と溜息をつく。
「義勇…何度も言うとるだろう。儂は校務員、お前は教師。儂はもう校務員としての仕事しかない。生徒の為に力を尽くすのが教師というものだろう。裏山の罠など嫌がるわけがない。むしろ喜んでだ」
鱗滝は面越しでもまっすぐな瞳を義勇に向ける。
「しかし、初等部か。まあ難易度は低めにしないとな。ナイフ避けなどは辞めておこう」
鱗滝の「ナイフ避け」という発言に初等部全員耳を疑う。中等部や高等部はそんな刺さったら大怪我するような訓練もやっているんだ…と思う。
「罠を仕掛けるのは誰が行くんだ?」
「俺、不死川と、煉獄と宇髄だァ」
不死川が言う。鱗滝は了解の意味で頷く。
「では裏山へ行こう。残る先生は初等部に何か訓練を施しておきなさい」
「御意」
伊黒は頷く。
「では、初等部は今までやってきた訓練の中から好きなのをやれ。的当て訓練、柔軟、基礎体力を上げることも大事だ。何人かで鬼ごっこでも良いだろう」
初等部はそれぞれやりたい訓練を始める。その頃、裏山では話し合いながら罠を仕掛けていた。
「んで、鱗滝さんよォ、罠っつーのはどういうのがいいんだ?」
「王道なのは落とし穴だな。それとかロープを踏んだら丸太が飛んで来る物とか…下手したら大怪我はするかもしれんが、それくらいしなければ鬼と戦えぬだろう。強い体を作る、それがこの訓練の目的だ」
罠師でもある鱗滝に三人はほぉ〜となる。
「縄が絡んで足を引き上げるなんて面白そうだなぁ」
「罠を仕掛けるのがこんなに楽しいとは! よもやよもやだ!」
四人は楽しそうに罠を仕掛けていく。三十分程した頃、四人が戻ってきた。
「テメェらの為に罠作ってやったぞ」
「派手な悲鳴あげてみろ!」
「うむ! 基礎体力が見込める」
仕掛け人達は自信があるようだ。実際、下手したら大怪我するだろうなという感じの罠だった。
「おっと! 危ねー。ここ落とし穴ある…」
土が柔らかく、もう少し体重をかけていたら恐らく嵌っていただろう。
他にも、ロープに足を引っ掛けたら丸太が飛んできたり、土のようなものがのしかかってきたりとかなりスリリングな訓練だった。
「そこまで!」
煉獄が声を上げる。
「今日はここまでにしよう。それ以上やると死人が出るやもしれん!」
そう言ってはははと笑う。
「輝利哉君、大丈夫ですか?」
「小鉄君。うん、何とか。でも明日は酷い筋肉痛だろうな…」
うんうんと小鉄も同意する。
「じゃあ今日は此処までにしましょうか。各自着替えてランドセル背負ってかいさーん!」
甘露寺は笑顔で元気よく言った。丁度十八時になる頃だ。夏の真っ只中、空はまだ明るかったが、昼間よりは暗い。小鉄は初等部の制服に着替え、黒いランドセルを背負って輝利哉達に挨拶をする。
「では、また明日! 輝利哉君」
「うん、また明日。じゃあね、小鉄君」
小鉄の家はピザ屋さんだ。店名は『火男pizza』。なので、ピザの仕込みなどお手伝いがある。それに少し面倒くさいなぁ、と思うも、お手伝いなので精一杯頑張ろうと思う。
そして、鎹鴉の鳴き声を他所に小鉄は帰路へ着く。