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るき(転生垢)
32
#雑談(?)
꒰ঌ甘咲ぬな໒꒱🍭@転生垢
4,236
朝。
カーテンの隙間から差し込む光が、寝室をゆっくりと明るくしていた。
先に目を覚ましたのは、いるまだった。
📢「……んー」
小さく伸びをして、隣を見る。
いつもなら、みことはもう起きている時間だった。
朝に強いみことは、目が覚めるといるまを起こさないようにそっとベッドを抜け出して、朝食の準備を始めることが多い。
けれど、今日は違った。
📢「……みこと?」
隣で丸くなっているみことは、まだ眠っていた。
いや。
眠っているというより、どこか苦しそうに眉を寄せている。
📢「……おーい」
いるまは、みことの肩を軽く揺すった。
📢「朝だぞー」
👑「……ん、ぅ……」
返事はあった。
けれど、いつもの明るい声ではない。
📢「……みこと?」
もう一度呼びかけると、みことはゆっくりと目を開けた。
👑「……いるま、くん……?」
📢「おはよ」
👑「……おはよぉ……」
ふにゃりと笑う。
その笑顔を見て、いるまは少しだけ首を傾げた。
なんだか、いつもと違う。
目元がぼんやりしているし、声にも力がない。
それに。
📢「……お前、顔赤くね?」
👑「……えっ?」
みことは慌てて自分の頬に手を当てた。
👑「そ、そうかな……?」
📢「うん」
いるまはみことの額に手を伸ばした。
触れた瞬間。
📢「……は?」
思わず声が漏れた。
熱い。
明らかに、いつもより熱い。
📢「みこと。ちょっと起きて」
👑「……んー……?」
📢「体、起こせる?」
👑「だいじょうぶ……」
みことはそう答え、ゆっくりと上半身を起こそうとした。
けれど、途中でふらりと身体が傾く。
📢「おっと」
いるまがすぐに背中を支えた。
📢「……ほら、全然大丈夫じゃねぇじゃん」
👑「……ごめんねぇ」
📢「いや、謝んなくていいから」
いるまはみことをそっと枕に戻した。
📢「ちょっと待ってろ」
ベッドサイドに置いてあった体温計を取り、みことに渡す。
📢「これ、使える?」
👑「……うん」
みことは素直に体温を測った。
電子音が鳴るまでの数十秒。
いるまはベッドの端に座り、じっとみことの顔を見ていた。
👑「……いるまくん?」
📢「ん?」
👑「……そんなに見られると、はずかしい……」
📢「今は恥ずかしがってる場合じゃねぇの」
👑「うぅ……」
ようやく体温計が鳴った。
みことが画面を見る。
👑「……あ」
📢「何度?」
👑「……38.2℃……」
📢「……はぁ?」
いるまの眉が寄った。
怒っているわけではない。
ただ、心配だった。
昨日まで普通に話していたみことが、今、こんなに熱を出している。
📢「……いつから具合悪かった?」
👑「……えっと」
みことの視線が泳ぐ。
👑「……朝、起きたら……?」
📢「昨日は?」
👑「……昨日は、元気だったよ?」
📢「ふーん」
いるまは、みことの顔を見つめた。
その返事が嘘だと決めつけるつもりはない。
けれど、何かを隠している。
長く一緒にいるからこそ、わかってしまった。
みことは、心配をかけたくないときほど、こうして笑うのだ。
📢「……みこと」
👑「……はい」
📢「なんか隠してる?」
👑「……っ」
ほんの一瞬。
みことの肩がぴくりと揺れた。
いるまは、それを見逃さなかった。
📢「……あるんだ」
👑「ち、ちが……」
📢「怒んねぇから。話してみ?」
優しい声だった。
だからこそ、みことは困ってしまった。
怒られるなら、まだよかった。
自分が悪かったと認めて、謝ればいい。
でも、こんなふうに優しくされると。
隠していたことまで、全部見透かされてしまいそうで。
👑「……」
みことは布団の端を握った。
👑「……昨日ね」
📢「うん」
👑「……いるまくん、帰ってくるの遅かったでしょ?」
📢「あー……うん。仕事、ちょっと長引いてたな」
👑「……それで」
みことは、少しだけ目を伏せた。
👑「……何かあったんじゃないかって、心配になっちゃって……」
いるまの表情が変わる。
📢「……何かって?」
👑「……事故とか、体調悪くなっちゃったとか……」
📢「……みこと」
👑「だって、連絡もなかなか来なかったから……!」
言葉が、少しだけ早くなった。
👑「お仕事なのはわかってたよ? でも、いつもより遅かったし、電話もつながらなかったし……。それで、もしかしたらって思ったら、なんか、じっとしてられなくなっちゃって……」
みことは布団を握りしめたまま、ぽつりと続けた。
👑「……外、探しに行っちゃった」
📢「…………は?」
いるまが固まった。
📢「……外?」
👑「……うん」
📢「昨日の夜に?」
👑「……うん」
📢「……お前、何着て?」
みことは、ますます小さくなった。
👑「……薄い服……」
📢「…………」
いるまは、しばらく何も言わなかった。
みことは恐る恐る顔を上げる。
👑「……いるま、くん?」
📢「……待って」
いるまは片手で顔を覆った。
📢「……いや、待て。いろいろ聞きてぇ」
👑「……ご、ごめんなさい……」
📢「だから、謝んなって」
そう言いながらも、いるまは大きく息を吐いた。
心配だった。
とにかく、心配だった。
自分の帰りが遅かったせいで、みことが不安になっていたこと。
連絡が取れず、ひとりで悪い想像をしていたこと。
そして、その不安を抱えたまま、薄着で外を探し回っていたこと。
全部が胸に引っかかった。
📢「……みこと」
👑「……はい」
📢「俺が帰ってこなかったら、心配になるのはわかる」
👑「……うん」
📢「でも、なんで連絡くれなかったの?」
みことは唇をきゅっと結んだ。
👑「……迷惑かなって」
📢「は?」
👑「お仕事中だったし……。何回も連絡したら、邪魔になっちゃうかなって……」
📢「……お前なぁ」
いるまは、呆れたように息を吐いた。
けれど、声は少しも冷たくなかった。
📢「俺が仕事中でも、心配なら連絡していいんだよ」
👑「……でも」
📢「出られなかったら、あとで返す。そんだけ」
みことは、ぱちぱちと瞬きをした。
👑「……怒らない?」
📢「何に?」
👑「……心配しすぎって」
いるまは、少しだけ目を見開いた。
それから、みことの額に手を当てる。
まだ熱い。
📢「……心配しすぎ、ねぇ」
小さく呟いてから、いるまはみことの髪を撫でた。
📢「俺だって、お前が帰ってこなかったら探すけど」
👑「……えっ」
📢「連絡つかねぇし、家にもいねぇし、薄着で外走り回って熱出してるって知ったら……」
いるまはそこで言葉を切った。
📢「……俺、多分めちゃくちゃ焦るよ」
👑「……いるまくん……」
📢「だからさ」
いるまは、みことの手をそっと握った。
📢「心配するの、俺だけにさせんなよ」
その言葉に、みことの目が揺れた。
👑「……っ」
📢「お前が俺を心配してくれるのは、嬉しいよ」
いるまは、いつもの落ち着いた声で続けた。
📢「でも、お前が自分のこと後回しにすんのは、嬉しくねぇ」
みことは何も言えなかった。
📢「俺が無事かどうか確かめるために、お前が具合悪くなったら本末転倒だろ」
👑「……ごめん、なさい……」
今度は、みことの声が少し震えた。
👑「……いるまくんに、何かあったらって思ったら……怖くて……」
📢「……うん」
👑「……顔、見たかった……」
最後の言葉は、とても小さかった。
👑「帰ってきて、いつもみたいに笑ってくれたら、それだけで安心できると思って……」
みことは、目を伏せた。
👑「……会いたかったの」
いるまは、しばらくみことを見つめていた。
それから、握っていた手を離し、そっと両腕を広げた。
📢「……おいで」
みことは顔を上げた。
👑「……いいの?」
📢「何が?」
👑「……ぎゅって、しても……?」
📢「……はぁ?」
いるまは、呆れたように笑った。
📢「今さら何言ってんの」
みことは、ゆっくりと身体を寄せた。
いるまは背中を支えながら、みことを優しく抱きしめる。
熱のある身体に負担がかからないように、そっと。
みことは、いるまの胸元に顔を埋めた。
👑「……いるまくん……」
📢「ん」
👑「……帰ってきてくれて、よかった……」
📢「……ただいま、みこと」
その言葉を聞いた途端、みことの腕に力がこもった。
いるまは、後頭部をゆっくり撫でた。
📢「……心配かけて悪かったな。連絡、もうちょい早く入れればよかった」
👑「……ううん。いるまくんは悪くないよ……」
📢「俺にもできることはあるだろ」
いるまはみことを抱きしめたまま、少しだけ身体を離した。
📢「次から、連絡つかなくて不安になったら、俺にメッセージ送って。何回でもいいから」
👑「……うん」
📢「で、返事待ってる間は、ちゃんと暖かいとこにいること」
👑「……はい」
📢「外探しに行くのは禁止」
👑「……はい……」
📢「あと、具合悪いときは隠さない」
👑「……はい……」
📢「よし」
いるまは、みことの額に軽く口づけた。
📢「……いい子」
👑「……っ、もう……」
みことの頬が赤くなる。
熱のせいなのか、照れたせいなのか。
いるまは、まだ少し心配そうにその顔を見つめた。
📢「……さて。今は説教より、熱どうにかすんのが先だな」
👑「……説教、終わった?」
📢「終わった」
👑「……よかったぁ……」
📢「お前なぁ……」
いるまは苦笑した。
📢「水飲める?」
👑「……うん」
📢「じゃ、ちょっと待ってろ。持ってくる」
いるまが立ち上がろうとすると、みことの手が袖をつまんだ。
👑「……いるまくん」
📢「ん?」
👑「……すぐ戻ってくる?」
その声があまりにも心細そうで。
いるまは、もう一度ベッドの端に座り直した。
📢「……戻ってくるよ」
👑「……ほんと?」
📢「ほんと」
👑「……どこにも行かない?」
📢「水、取りに行くだけだって」
👑「……うん」
それでも、みことの指は袖を離さない。
いるまは、その手を見下ろしてから、ふっと笑った。
📢「……じゃあ、こうするか」
つままれていた袖を少し引き寄せ、みことの手を自分の手のひらで包む。
📢「水取りに行く前に、もう一回ぎゅーな」
👑「……っ!」
みことは驚いたあと、嬉しそうに目を細めた。
いるまは、ベッドに負担をかけないように身をかがめ、みことをそっと抱きしめる。
📢「……はい、充電完了」
👑「……まだ……」
📢「ん?」
👑「……もうちょっと……」
いるまは、思わず笑った。
📢「……はいはい。今日は特別な」
そうして、もう少しだけ。
みことが安心するまで、腕を回していた。
***
それから、しばらくして。
水分を取ったみことは、再びベッドに横になっていた。
いるまは体温をもう一度確認し、必要なものを手の届く場所にまとめていた。
👑「……いるまくん」
📢「んー?」
👑「……お仕事は?」
📢「今日は予定ずらした」
👑「……えっ!?」
みことが、ぱっと目を開く。
👑「だ、だめだよ!お仕事あるんでしょ!?」
📢「調整できるから大丈夫」
👑「でも……!」
📢「みこと」
いるまは、少しだけ真面目な声で名前を呼んだ。
📢「今は、自分のこと心配しとけ」
👑「……っ」
📢「俺のことは、俺がちゃんとするから」
みことは、しばらく黙っていた。
やがて、布団から手を出し、いるまの指先をそっと握った。
👑「……じゃあ」
📢「ん?」
👑「……今日は、そばにいてくれる?」
いるまは、握られた手を握り返した。
📢「……いるよ」
👑「……ずっと?」
「ずっと。少なくとも、お前が安心して寝られるまではな」
みことは、ほっとしたように笑った。
👑「……えへへ」
📢「何笑ってんの」
👑「……うれしい」
📢「……そっか」
いるまは、みことの髪を撫でた。
📢「……なら、よかった」
みことは目を閉じた。
まだ身体は熱いし、頭もぼんやりする。
でも、もう不安ではなかった。
すぐそばにいるまがいて、自分の手を握ってくれている。
それだけで、安心できた。
👑「……いるまくん」
📢「ん?」
👑「……次からは、ちゃんと連絡するね」
📢「おう」
👑「……薄着で外も出ない」
📢「当たり前だろ」
👑「……あと、具合悪くなったら、ちゃんと言う」
📢「よし。約束な」
みことは、小指を差し出した。
いるまは少し笑って、その小指に自分の小指を絡めた。
👑「……約束」
それから、みことはもう一度、いるまの手を握った。
今度は、袖をつまむのではなく。
ちゃんと、手をつなぐために。
👑「……おやすみ、いるまくん」
📢「まだ朝だけどな」
👑「……えへへ。じゃあ……もうちょっと寝るね」
📢「ん。おやすみ」
いるまは、みことが眠りにつくまで、そばで静かに手を握っていた。
その寝顔が少しずつ穏やかになっていくのを見届けてから、そっと額に手を当てる。
まだ熱はある。
だから、油断はできない。
けれど。
📢「……ほんと、心配かけやがって」
そう呟く声は、どこまでも優しかった。
📢「……次は、ちゃんと俺にも心配させろよ」
みことは、眠ったまま小さく身じろぎした。
いるまの指を、きゅっと握り返す。
いるまはその手を見て、少しだけ笑った。
心配するのは、お互いさま。
大切だからこそ、不安になる。
大切だからこそ、守りたいと思う。
でも、どちらかひとりだけが無理をする必要なんてない。
ふたりで心配して、ふたりで安心して。
これからも、そうやって一緒にいればいい。
いるまは、みことの手を握り直した。
📢「……早く元気になれよ、みこと」
朝の光が、ふたりを優しく包んでいた
コメント
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るきさん、第3話読みました! みことが熱を出した原因、いるまくんを心配して薄着で探しに行ったせいだったんですね…。いるまくん、怒るよりも先に「心配するのは俺だけにさせんなよ」って優しく言えるの、成熟した関係だなあと感心しました。最後の「もうちょっと」ってだだをこめるみことが可愛くて、思わずにやけました。日常の小さな出来事を丁寧に描くのが本当にお上手ですね!