若井side
ある日 病院に資料を取りに電車で向かおうと
駅のホームに並んでたら 急に女性が息を荒らげて倒れていた
「すみません この女性 運ぶの誰か手伝ってください。」
駅員さんが駆けつけてくれ、2人で駅の休憩所まで運んだ
目を覚ましそうにない彼女を少しだけ駅員さんに預け すぐそこの自販機でお水を買った
「あの、もしかして私って…」
彼女が目を覚まし焦った表情で頭をペコペコ下げて謝罪をしている
「いえ 、急に倒れたんでここまで運ばせてもらいました。」
「ご迷惑をおかけしてすみません。」
買ってきたお水を渡し 彼女が今は休めるように足早にその場を後にした。
症状を見ると重い病気では無い気がして救急車は呼ばなかったが、ちゃんと病院で見てもらってるといいな なんて医師らしい考えをしながら病院へ資料を取りに行った。
その2週間後
「 今日は常連の方3名と新規が1名か〜」
常連の患者様は若い女性ばかりで特に4月〜6月の転職の時期や入社シーズンに患者が増えたりする。
「 先生 5番の診察室へお願いします。
新規の患者様です 」
「 は〜い 。 こんにちは 担当します 若井滉斗です。」
そこに座っていたのは前回 助けたあの彼女だった。 へ〜 仕事帰りかな?よく見ると清楚な感じで可愛いな、
違う違う 診察 、診察。
「 こんな偶然ってあるんですね 笑」
カルテを拝見すると病院に行った形跡があり
話を聞くと 軽めの鎮痛剤を処方されている
「 ご職業は何を?」
「 あ、西高校の教師をしてます。そこで藤澤先生の紹介で…」
「 あ〜 そっか。涼ちゃん 音楽やめて 先生になったんだっけ」
懐かしい名前。 涼ちゃんは昔 仲良かったバンドメンバーの友達で キーボードだったっけな
今でも飯に行くくらいだけど 連絡は一応取り合っている仲だった
「 とりあえずこの薬と病院は一旦やめてここにまた来てください。」
症状と来週の予約を伝え とりあえず診察を終えた。 後から受付に聞いたら 涼ちゃんがお代を先に払ってったらしい。
後で電話1本くらい入れとくか。
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