テラーノベル
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このお話は――
君達の住んでいる太陽系第三惑星・地球から、5光年?10光年?
……まあそのへんは我輩もよくわかってないでありますが、とにかく天の川銀河のどこかにある、とある星のお話。
まだ地球人が知らない星で、君達人間によく似た知的生命体達が、わりと普通に暮らしている――そんな場所であります。
……と、初っ端からやたら壮大な話になってしまったでありますな。
でも安心してほしいであります!
本編はなじみ深~い、単純なラブストーリーでありますから!
え?なんでそんなことを知っているのかって?
ふふふ……よくぞ聞いてくれたでありますな。
何を隠そう我輩こそ――
このお話の主人公でありますから!
華麗「オイ、誰に向かってしゃべってるんだよ」
明「ふふふ。なんでもないであります」
華麗「あっそ。じゃあいいわ」
明「え~、なんか冷たくな~い?」
(軽く肩をすくめる)
明「まあそれはどうでもいいとして!本日で我輩と華麗殿は、付き合って半年記念日でありますよ~!」
華麗「……ふ~ん。たかが半年だろ」
明「記念日はなんぼあってもいいでありますからね~!ということで!最初から振り返ろうではありませんか!」
華麗「最初っていつからだよ」
明「最初は最初であります!」
華麗「はぁ?だから――」
明「それでは本編に~レッツゴー!!」
華麗「だから誰に言ってるんだよ!?」
――これは、君達人間によく似た、とある異星人たちの。
よくあるようで、ちょっとだけおかしいラブコメディ。
最後まで、ご静聴よろしくお願いいたします。
俺の名前は来栖華麗。
こんな名前をしているが、実際は根暗陰鬱の引きこもりド陰キャだ。
周りからは「似合わない」とか「根暗に改名しろよ」なんて言われる始末。
……まあ別にいい。自分でもそう思ってるし。
そんな中でも「似合ってる」なんてほざく、目腐れ野郎が一人だけいた。
そいつは――
「やっぽーい☆く・る・すく~ん!」
「……おー、なんだよ。また仕事か?鬼上官さんよ~」
この騒がしいアホ面の成人男性は、星野明。
こんな名前が似合ってるとか言ってきた張本人だ。
俺がまだここで二等兵やってた頃、こいつと初めて会った。
「ええと、君は来栖華麗二等兵……かな?」
「なんで写真載ってる名簿見ておいてそんな自信なさげなんだよ」
上官のくせに、情けなく「う゛っ」と呻く。
「だ、だってぇ……一回間違えたから~」
ほんと情けねぇ。これでも上官かよ。
「華麗、綺麗な名前だねぇ」
「あーはいはい、似合わないっすよね――」
「まさに体より名表すってやつ?」
「……はい?」
「だからぁ、体より名表――」
「は゛い゛ー?!目でも腐ってるんですかぁー?!」
「そ、そんな言う?!」
――これがあいつとの初対面だ。最悪すぎる。
「なぁーに考えてるのぉ~来栖殿~」
「あ~……いや、なんでもない」
「そぉ?あっ、それで~」
「はいはい、仕事の話ね」
こんなやつだが、一応は俺に命令する側の立場である。
「なぁんだ、ちゃんと話聞いてたんだ。じゃあいろいろ話すけど~」
さっきまでのふざけた空気を切り替えて、明は説明を始める。
「□□が△△で~、少佐殿からのご要望で○○○が▽▽で~」
こはる
244
めんだこ🐙
6,077
雪チョコ
4,190
13,649
……仕事モードに入ると、一応ちゃんとするんだよな、こいつ。
(……こうして見ると、無駄に顔いいんだよな)
二重で、睫毛長くて――
「ちょいと~聞いてるでありますかぁ~?」
「……聞いてなかった」
「はい?!もう一回説明するのめんどくさいんですけどぉー?!」
……ていうか何考えてるんだ、俺。
(……疲れてんのか)
「あ゛~だりぃ~」
「はぁ?!ちゃんと話を聞いてなかった来栖殿のために、我輩が!大切な時間を割いて!二度も!話してあげてるんですけど~?!」
あっ、アホ面に戻った。やっぱブスだわ。うんブス。
「ちゃんと話をきけ!!」
――そう、これが俺らの日常。
特別もクソもない、ただのくだらないやり取り。
これからラブストーリーが始まるなんて、想像もつかない。
……本当にな。
なんで俺ら、付き合ってんのか。
いや、ほんとになんでだよ。
……まあ、俺が捻くれてるからか。
(自分で言うなって話だが)
まあこんな調子でだらだら続くが――
最終的にはちゃんと恋愛に発展するらしいんで。
聞いたからには最後まで、よーく耳かっぽじって聞けよ。
コメント
1件
うわっ、めっちゃおもしろかった!! 最初のナレーター?が明ってオチ、完全にやられたよ…「であります」口調で宇宙人設定なのに、明がめっちゃ人間臭くてかわいい。華麗の「ブス」って心の声とか、根暗ド陰キャ名乗ってるのにツッコミが冴えてるギャップが好きすぎる。 しかも最終的に恋愛に発展するって冒頭で言っちゃうの、ずるいなあ。これからどうやってあの2人がくっつくのか、気になって仕方ないよ。 続き楽しみにしてるね、29炒めさん!🥀