慶びの種

お悩み聞きます。

そんなお悩み相談サイトを見ることが多くなった。

私も相談してみようか。

サイトを開き、悩みを打ち込む。

送信する前に窓の外を見る。道を歩く同級生が見えた。ニコニコしながら、一緒にいる子と喋っている。

本当に腹が立つ。私だって、その輪に入りたかった。

画面を再び見る。そして画面をスクロール。

「……」

『親に虐待を受けています。でも助けを求められません。』

『友達がリスカしてました。私はどうするべきですか？』

『死んでしまいたい。自分には生きる価値がないんです。』

そんな感じの悩みが、ズラッと並んでいる。

「……はぁ。」

私はEnterキーを押さずに、Backspaceキーを長押しした。

こうやって、私よりも苦しんでいる人がいるのに、私の悩みをここで相談するべきではない。所詮私の悩みなんて、毎日を過ご

すうちに自然となくなってしまうような、底辺のものだ。そのはずだ。

でも――。

ベッドにダイブして、頭まで布団を被る。

明日、学校行きたくないなぁ。

布団から手を出して、ぬいぐるみをギュッと抱きしめる。

「朝よ。起きなさい。」

母の声で目が覚める。

「あと5分……。」

「今日の朝ごはん、フレンチトースト――」

「起きる」

昨夜泣いたからか、スッキリとした気分だ。昨夜の悩みが嘘みたいに消え失せるような感覚がする。

おいしいご飯を食べて、お気に入りの服に着替える。ランドセルの中身を確認し、最後に鏡の前で身だしなみを整える。

ポニーテールにした、こげ茶色に近い髪。Aラインのシルエットのワンピース。

よし。

今日もいいことありますように――

おまけ

主人公のモデルは、小学生時代の僕

ちなみに別サイトよりもクオリティUPしてる――と思う

が、この第1話の最後が気に食わないんだよなぁ……