ーカツカツカツ
コンクリートの上を歩く音が早朝の道に響く。
私・凪は、ゴミ袋を手にマンションの一階にあるゴミ捨て場の前に来ていた。
一つ二つとゴミを入れていき、最後にパッパッと手を叩きながら擦る。
寒い冬の時期に長袖一枚、短パンにタイツにサンダル。
凍え死んでしまいそうでスタスタと足速に階段を上がる。
ヒューと風が吹き、私の長い黒髪を揺らす。
ーガチャンッ
ドアと鍵を閉めて一瞬で、こたつに向かった。
「ふぅ、、、落ち着く〜」
安堵の息に乗せて一言呟く。
少しでも暖まるように身をこたつの中に入れる。
今でも、夢を見てしまう。
親がいない世界で私はずっと暮らしてきたが、慣れたとしても脳が「会いたい」と言っている。
だけど、
心の中でくらい夢みたっていいよね。