テラーノベル
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はじめての音
「初心者?」
振り返ると、そこには目を奪われるほど整った顔の男子がいた。
少し長めの髪。
ふわっと優しそうなのに、目が合うとかっこよくて心臓が跳ねる。
「え、あ……う、うん」
「そっか。じゃあ俺が教える」
さらっと言って、彼は笑った。
「俺、那月。フルート担当」
その笑顔は、ずるいくらい綺麗だった。
⸻
放課後。
「指ここ。力入れすぎ」
那月が後ろから奏音の手を包み込む。
「ひゃっ……!」
「……びっくりしすぎ」
くすっと笑う那月に、奏音の顔は真っ赤になる。
「だ、だって近い!」
「奏音が危なっかしいから」
そう言いながら、那月はすごく丁寧に教えてくれる。
息の入れ方。
音の出し方。
指の動かし方。
奏音が少しでもできると、
「うまい」
「今の音好き」
「才能あるかも」
って、まっすぐ褒めてくれるから。
気づけば、奏音は毎日部活へ行くのが楽しみになっていた。
コメント
1件
那月くんの「今の音好き」って褒め方がすごくずるいですね。初心者の奏音が毎日部活に行きたくなる気持ち、すごくわかります。後ろから手を包み込む距離感とか、奏音の「ひゃっ」っていう反応とか、高校生の甘酸っぱい空気がぎゅっと詰まってて、読んでいて胸がきゅっとなりました。続きが気になります!