桃青小説となっております。実在するご本人様方に一切関係ございません。苦手、耐性がない方はお帰りください。
今回はぽんと思い浮かんだものを思うがままに軽く書いたので多分内容薄いです。ただただスパダリを見たいという願望と日常を描きたかっただけです。鈴木もスパダリに抱擁されたいです(切実)。
そういえば最近暖かくなってはいるものの夜はとても冷え込みますね。皆さん、体調に気をつけて。
寝れない。隣では恋人が心地良さそうにすやすやと眠っている。ふと枕元の小さな時計を見れば深夜の2時を指していた。
「ぅう〜ん…」
唸ってみるものの、もちろん眠くはならない。どうしよう…。
月明かりだけが差し込む寝室には、僕が動いたときに出るシーツの擦れる音だけが静かに響く。ゆっくりと起き上がって隣に居る恋人を起こさないように静かにベッドから降りた。リビングの控えめな電気を付けてソファから色違いのブランケットを2枚手に取る。そのままベランダに向かった。
「やっぱり夜は冷えるなあ…」
冷えた風が頬を撫でていく。
2人で住むこともあって、大きいマンションを選んだ。部屋も大きいのに比例するようにベランダも大きい。そのおかげか2人でベランダに出ることが多いと思う。いつもはさとみくんと2人で月を眺めたり、綺麗な空が目に映れば2人で写真を撮る。椅子に座ってさとみくんが作ってくれたホットミルクを飲みながら朝焼けを見る日もある。でも今日は1人だ。やっぱり少し心細いし…、寂しい。
ずっと忙しくて、一緒に住んでいる彼ともなかなか顔を合わせる日がなかった。どっちかが帰るまで待てずに寝てしまう。朝はどらかが早くて先に出てしまう。触れ合う時間も少なくて、そう、癒しがなかった。それと疲れに伸し掛るように目に入る、この活動をしている以上逃れることの出来ない心無い言葉。いつもなら簡単に流せるそれも、針のようにグサグサと刺さった。きっと少し疲れちゃってたんだと思う。いつの間にかぼろぼろと暖かいものが頬を伝っていた。
「っひ、く…うっぅ……やだ、よぅ」
止まることを知らないそれは床と自分の腿にシミをつくっていく。夜だから、独りだから、そんな要素があるからなのかな。
僕はひとりぼっちじゃなにも出来ないんだ。料理も、洗濯もなにも。独りじゃ何も出来ない。さとみくんに呆れられてないかな、僕に飽きちゃったりしてないかな。活動だってリスナーさんをちゃんと、笑顔にできてるのかな。分からない、分からないよ。誰かから向けられる言葉だって僕じゃどうすることも出来ない。リスナーさんが嫌な思いをしてるのに、無力、その他になかった。メンバーは強いのに、そんな言葉気にしないでみんなを幸せにしてるのに。僕は、それができてる…?
「うぅ”〜…ひっく、つら、ぃ…も、むりな、っだよぉ…」
もう無理なのかもしれない。苦しいのも辛いのも耐えられないよ。
「…!!」
「どしたの、ころん」
突然、寒さで冷えた背中が暖かい体温に包まれ、後ろから香る大好きな匂いが鼻を擽った。
「さ、とみく…」
「ん、俺だよ。大丈夫、大丈夫」
「っ〜〜」
柔らかいくせっ毛が首元に擦り付けられて、大きな手が頭を優しく撫でる。ただそれだけなのに、空いていた大きな穴が塞がれる気がした。
「ぅ、ひっぐ、ぅ、さと、さとみ、ぐっ、」
「うんうん、ここにいる」
「ずっと傍にいる」
胸板に縋り付きながら子供みたいに泣きじゃくった。
「…ぁりがとう」
「ん、落ち着いた?」
さっきまで俺の胸元で泣きじゃくっていた子は泣き止んでいた。柔らかいストレートな髪に指を通し、サラサラと梳かした。すると腕の中にすっぽりと収まる彼は擽ったそうにくふふっといつもの笑顔をうかべた。目元は赤いまんまで涙の痕も残っているけど、いつものころんだった。
「擽ったいよ、さとみくん」
「撫でられんの好きじゃん」
「まあね…」
頬を緩ませた俺の大好きな笑顔を浮かべ胸元に擦り寄る。
「ころぉん、言いたくなかったら言わなくてもいいけど、後々聞かれて面倒くさくなるの嫌だろ?」
「面倒くさいのは嫌だなあ、くふ」
なぁに可愛い顔しちゃって。その笑顔好きだよ。
「…なんかね、少し疲れちゃった」
「最近忙しかったでしょ?それで、多分疲れが溜まっちゃって」
「…うん」
「リスナーさんをちゃんと笑顔にできてるかなとか、メンバーは頑張ってるのになんで僕だけ落ち込んでるんだろうって」
「それでね、忙しかったって言ったでしょ?それでさとみくんと触れ合う時間も少なくなってたじゃん。それで、僕は、独りじゃ何も、っできないし、飽きられちゃったかもって思っちゃって…だめだよね、僕」
「ころん」
普段でも小さい体を小動物のようにもっと縮こませて下を向いているその子に優しく声を掛ける。
「ころん、こっち向いて」
「……ん、?」
「俺のこと好き?」
そんなこと聞かれると思ってなかったんだろう、目を大きくして俺を見てくる。お前、それ目落ちちゃうよ。普通でも目でかいんだから。
「…、き」
「ん?聞こえなかった、もっかい言って?」
「すき…さとみくんのこと、好き」
「俺も同じだよ。飽きたりなんかしない、ころんが大好き。」
「えっ」
「もしどっかで泣いてたら俺が飛んでく。苦しい思いしてるなら俺がずっと隣にいる、今みたいに」
「苦しいときは頼ってよ。俺、ころんのこと大好きだからさ」
「っ───」
また大きな目をさらに大きくして俺の目を見るころん。その目にだんだんと涙を溜めていく。
「うぇえ、っさどみぐん〜、ぐずっ」
「泣ぁくなよ〜w よちよちよちよち」
ひとりじゃ家事もできなくて、気持ちを伝えるのも何かをするのも全部全部不器用で。でも優しくて、みんなのことをよく見てて、誰よりも努力家で。そんなころんに俺は惚れたんだよ。朝起きたら美味しいご飯を作って沢山甘やかそう。そう心で決めて。腕の中で眠る、愛しい天使の頬に軽いキスを落とした。
──世界一愛しい俺の天使──
コメント
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時差失礼します😖 文字だけなのに頭には2人が思い浮かぶ💭表現の仕方とかが本当に素敵です🥲 ブクマ失礼します🫶✨
えっも…最高すぎます! フォロー&ブクマ失礼します🫶🏻 時差コメ失礼しました🙏🏻
めちゃめちゃ素敵なお話ですт ‧̫ т ♡ ぶくしつです!