テラーノベル
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ゾディアーク 「約束だ!」
バハムート 「あぁ!…ずっと…ずっと…大好きだ…!」
あの日、ゾディアークは死んでしまった。
バハムートの前で、幸せそうな笑顔を見せて…
あの戦いから600年が経った。
バハムートは最近、何かに熱中している。
ずっと声を出さないし、本ばかり読んでいて不自然だった。
俺 「何でアイツ…本ばっかり…」
ゼロムス 「どう考えても、アイツは不自然だ。何かあったのかもしれない…」
エクスデス 「…それが…アイツは何かを研究している様に見えた…」
アルテマ 「研究…ですか…?」
エクスデス 「何かの魂を使い、新たな何かを生み出そうとしている様に見える…」
至高神様 「お前達…」
俺 「はい…?」
至高神様 「アイツは…ゾディアークを復活させようとしているんだ…」
エクスデス 「復活…ですか…?」
至高神様 「あぁ、ゾディアークの魂を使い、もう一度復活させる気だ…」
ゼロムス 「そんなの…」
至高神様 「あぁ…私も間違っていると思う…」
アルテマ 「きっと…ゾディアークさんは望んで無いですよ…」
至高神様 「頼む…あの子を…止めてくれ…」
俺達 「はい!」
何処だ?何処にいる?バハムートは何処を探しても居ない。
俺達は必死に探した。
バハムートを止める為に。ゾディアークの幸せを守る為に。
そして、やっと見つけた。
俺 「バハムート!」
バハムート 「どうしたんだ?そんな怖い顔をして?」
俺 「何…してるんだ…?」
バハムート 「それは言えないなぁ」
エクスデス 「目的は分かっている…ゾディアークを復活させる気なんだろう?」
その瞬間、バハムートの目が急に冷たい目に変わった。
バハムート 「なぁんだ、バレていたのか…面倒だなぁ…」
ゼロムス 「こんな事、アイツが望んでいるとでも?」
バハムート 「何を言っているんだ?アイツは生きたかった。それなのに死んでしまった。
幸せを奪われた。だから願いを叶えるんだ」
アルテマ 「バハムートさん!ゾディアークさんの幸せは…!」
バハムート 「もう遅い、既に肉体は完成しているんだ。もう少しで目が覚めるさ」
エクスデス 「…!しまった!」
俺 「バハムート!もうやめろ!」
そして、バハムートは機械のスイッチを押した。
装置が動き出し、
そして、眩い光が俺達を襲った。
ゾディアーク 「…」
そして、目を開けた時、ゾディアークが立っていた。
アルテマ 「ゾディアーク…さん…?」
ゾディアークの目に光は無かった。
バハムートは嬉しそうな顔をしていた。
バハムート 「おはよう、ゾディアーク!」
ゾディアーク 「…?」
ゾディアークはバハムートを見て、首を傾けた。
エクスデス 「覚えて…いないのか…?」
バハムート 「あはは…何で…?魂をそのまま使ったのに…」
ゼロムス 「失敗したのか…バハムート、もうやめろ、このゾディアークを
眠らせてやれ」
ゼロムスは厳しい声でそう言った。
バハムート 「黙れ…黙れ!お前にゾディアークの何が分かる!?苦しんでいた
ゾディアークを救おうとしたんだ!何もしなかったお前に何が分かるんだ!」
バハムートは怒りに身を任せてゼロムスを怒鳴った。
ゼロムス 「…悪い…ごめんな…」
バハムート 「ゾディアークを頼んだ…じゃあな」
俺 「バハムート!」
アルテマ 「ゾディアークさん、一緒に付いてきてくれますか?」
ゾディアーク コクリ
それから俺達は、ゾディアークに言葉を教えた。
ある程度は話せる様になったが、ぎこちない喋り方だった。
俺 「ゾディアーク!おはよう!」
ゾディアーク 「おはよう…かおす…」
バハムートは、あれから何も話さなかった。
だが、俺は納得いかなかった。
ゾディアークを勝手に利用しておいて、何もしないアイツに腹が立った。
俺 「バハムート、やっぱり、俺はお前を許せない…」
バハムート 「どうするつもりだ?私と戦うか?」
俺 「良いぞ、ただ、俺が勝ったら、ゾディアークを眠らせる。それが条件だ」
バハムート 「良いだろう。格の違いを教えてやる」
あれから、何時間も戦って、ようやくバハムートの息も切れて来た。
でも、俺ももう限界だ。
バハムート 「いつまで立つんだお前は…!鬱陶しいな!」
俺 「うるせぇよ!お前がゾディアークを利用した事にキレてんだよ!」
エクスデス 「もうやめろ!」
俺•バハムート 「…!?」
エクスデス 「良い加減にしろ!ゾディアークが、争う事を望んでいるとでも
言いたいのか!?」
確かにそうだ。俺は自暴自棄になっていた。
ゾディアークは、俺達に笑っていて欲しいと言っていた。
こんな事…馬鹿だな…
バハムート 「…だったら何だ?ゾディアークが死ぬ事を望んでいるのか?ゾディアークは生きたいと言っていた。それを叶えて何が悪い?」
アルテマがバハムートの頬を叩いた。
アルテマ 「良い加減にしなさい!貴方はゾディアークさんとの約束を
忘れたんですか!?どんなになっても!心で繋がっている!だから幸せに生きると!
今の貴方は幸せですか!?心が無いゾディアークさんを見て!幸せなんですか!?」ポロポロ
アルテマは泣きながらバハムートに訴えた。
バハムートは、自然と涙を流していた。
バハムート 「…ずっと…一緒に居たかった…ずっと…隣に居て欲しかった…私…馬鹿だ…
ゾディアークの気持ちを踏み躙って…ごめんなさい…ごめんなさい…」ポロポロ
アルテマ 「だったら…最期に、伝えてあげてください…貴方の気持ちを…」
バハムート 「…うん…」
バハムート 「ゾディアーク」
ゾディアーク 「ばはむーと、どうしたの?」
バハムート 「今まで、ずっと側に居てくれてありがとう。私は、お前に出会えて幸せ
だった。だから、これからもお前を忘れない、ずっと、私の相棒だ」
ゾディアーク 「…?」
今のゾディアークに、言葉を理解する力は無い。きっと何を言っても分からないだろう。
それでも…
バハムート 「ゾディアーク、私と出会ってくれて、私に幸せをくれて…私の…相棒で
居てくれて…」
バハムートはゾディアークを力いっぱい抱きしめた。
ゾディアーク 「ばはむーと」
バハムート 「…何だ…?」ポロポロ
ゾディアーク 「わたし、たのしかったよ…」
バハムート 「えっ…?」
ゾディアーク 「みんながね、わたしにやさしくしてくれたよ。ばはむーとが、わたしの
だいじなひとだって、おしえてもらったよ。ばはむーと、わたしをつくってくれて、わたしを
だいじにしてくれて、ありがとう」
ゾディアークは嬉しそうに笑った。
今まで俺達で、必死に言葉を教えてきた。それは、きっとこの為だったんだ。
バハムート 「当たり前だろ…私は…お前が…大好きなんだから…」ギュッ
ゾディアーク 「ばはむーと、いままで、ずっとずっとありがとう。ばはむーとにであえて、
しあわせだったよ。ばはむーと、」
バハムート 「えっ…?」
最期の言葉の時、ゾディアークはぎこちない話し方ではなく、俺達が大好きだった時の
話し方だった。そっか、お前は、覚えてたんだな…俺達の事…ちゃんと覚えていて
くれたんだな…最後の最後で…泣かせにくるんじゃねぇよ…バカ…
バハムート 「私も…大好きだ…!ずっとずっと世界で一番大好きだよ!」ポロポロ
ありがとう。ゾディアーク、俺達はもう大丈夫だから、安心して家族の元に会い に
行ってくれ。俺達も、ずっとずっと
コメント
2件
ゾディアークさんを思うあまりの行動が、、でも最後は皆んなで笑って終われるハッピーエンドで良かったです!😊間違いをお互いに止められる、これが仲間ですよね!!