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次の日の7時。
スマホのアラームで目を覚ますとホコリっぽいような、金属と砂が混じったような匂いが鼻を通る。
『あー…あの人、起きてるかな…』
あの人、というのは私の父。
訳あって私は父親が嫌いだ。
今は”思春期だから”って理由にしといて。
『物音はしない…』
やってることが空き巣の手口だよ…と心の中でツッコミながら足早に自分の部屋に行って制服とリュックを手に取る。
『ご飯はコンビニで買えばいいや…』
『……行ってきます』
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『わ…すご…何あのヴィラン…』
駅の近くで何やら人集りが出来ていた。
原因は巨大化したヴィランをシンリンカムイが捕まえようとしていたからだった。
『…まあいいや…』
また歩き出そうとした時、ペンが転がってくる。
デザインは”あの”オールマイト。
余程オールマイト好きなんだな、と思っていると緑のモサモサが話しかけてきた。
???「す…すみません!それ!僕のです!」
『あ…はい…どぞ…』
???「あれ…もしかして──…さん?」
『ん…?』
頭に?を浮かべるとその人が手に持った” 将来のためのヒーロー分析”と書かれたノートが目に入った。
『……もしかして、緑谷さん?』
出久「う…うん!久しぶり…だね!」
『…今もヒーロー目指してるんだ』
出久「うん…”無個性”だけどね」
緑谷さんは少し気まずいそうに下を向いた。
そりゃそうだ。この社会じゃ”無個性”はバカにされていじめられる対象だから。
緑谷さんも幼馴染とかクラスメイトにいじめられてたっけ。
『…別に無個性でもいいんじゃない』
出久「え…?」
『ヒーローなりたいならなればいいし、
周りの目は気にすることないと思う』
出久「そうだよね…!ありがとう!」
『頑張れ』
出久「うん…!!」
小学校の卒業式以来に再開した私達はその駅前で別れた。