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#ご本人様とは関係ありません
あざらし
402
7
蒼月
2,569
「ライ様!昨日は、その……大丈夫でしたか?」
朝、廊下でばったり会ったサクヤが、おそるおそるといった様子でライに声をかけてきた。
その瞳には昨夜のことを思ってか、心配の色がありありと浮かんでいる。ライは一瞬きょとんとしたあと、へらりと笑って見せた。
「大丈夫、俺ヒーローだから」
胸を張って言うライに、サクヤはほっとしたような、それでもまだ何か言いたげな顔をした。
けれどライはそれ以上何も語らず、ひらひらと手を振ってその場を後にする。
背中にサクヤの視線を感じながら、ライは昨夜ロウに刻み込まれた体の火照りがまだ消えていないことを悟られないよう、平然を装い続けた。
だが、夜になると、結局ロウに呼び出される。
「勝手に屋敷を彷徨いたバツだ。ライにはまだ躾が足りないらしい。せめてサクヤを連れて行け」
ロウの私室に足を踏み入れた瞬間、冷たい声がライを迎えた。今日は拘束台ではなく、部屋の奥にある椅子に座ったロウが、手に小さな注射器のようなものを弄んでいる。その針先がランプの灯りを反射してぎらりと光った。
「昨日あんなにイってたのにな」
月明かりだけが差し込む部屋で、ロウの指がライの背中をゆっくりと撫で上げる。
薬で敏感になった肌は、その指の通り道を追うように小さく波打ち、ライの口からはかすれた吐息が漏れた。
「……今日はサクヤに強がったんだって? 大丈夫、俺ヒーローだから、って」
ロウがライの耳のうしろに唇を寄せる。囁く声は低く、舌先が耳殻をなぞる。びくり、とライの体が跳ねた。
「でも昨日のライは、俺にしがみついて、泣いて、何度もイってたのにな」
「ぁ……っ♡ ち、が……♡」
「違わない。ほら、ここも。昨日は俺の指と器具でぐちゃぐちゃになって、まだ覚えてるんだろう」
ロウの手がライの腰を撫で、太腿の内側へと滑り込む。
触れるか触れないかの距離で、わざと焦らすように動く指先。ライは首を振って拒絶を示そうとしたが、体はもう言うことを聞かなかった。膝が震え、腰が浮き、ロウの手を求めるように内股がひくつく。
「……っ、ゃ……やめ、それ……っ」
「やめて、じゃない。昨日あんなに素直だったのに、朝になったら知らんぷりか。随分と強がりなヒーローだな」
ロウが口元だけで笑う。その整った顔が月明かりに照らされ、ぞっとするほど美しい。ライの心臓が跳ね、体の芯がじわりと溶けていく。
「サクヤに心配されて、嬉しかったか? 優しい言葉をかけられて、俺から与えられた熱を隠したか?」
「ちが……っ、サクヤは、ただ……ッ」
「ただ何だ。……まあいい。今のお前が口を開けば、どちらにしても可愛い鳴き声しか出ないしな」
ロウの指が、ライの腹をゆっくりと下りていく。昨晩さんざん責め立てられ、まだ敏感に腫れている場所へと近づくたび、ライの呼吸が浅くなっていく。涙がこぼれてロウの手を濡らした。
「昨日あんなにイってたのにな。今日もこうして俺の手の上で震えてる。……ライはやっぱり、俺のものだよ」
耳元で囁かれる言葉が、薬でとろけた頭の奥に直接染み込んでいく。抵抗しようとする理性と、体に刻み込まれた快楽の記憶がせめぎ合い、ライはただ、かすれた喘ぎを漏らすしかなかった。
「あ……っ、あ゙……ぅ…っ」
「ほら、また声が出なくなってきたな。……大丈夫。今夜は朝まで、昨日の続きをしてやるから」
ロウの声は甘く、けれど有無を言わせない冷たさを孕んでいた。ライの体は、その声を聞いただけでまたびくびくと震え、奥からじゅわりと熱を滲ませる。
頭のどこかで「違う」と思うのに、体はもうロウを待っていた。そのことを悟られてしまったようで、ライは泣きながら、ロウの肩にしがみつくことしかできなかった。
コメント
1件
うわあ……第4話、すごく重くて切ない回でしたね。朝のサクヤとのやり取りで「ヒーローだから」って強がるライの背中に、夜のロウの言葉が刺さる。「昨日あんなにイってたのにな」って囁かれるたび、ライの理性と体の乖離が痛いほど伝わってきて……。ロウの優しい声の冷たさと、それに抗えず震えるライの描写が、あまりに生々しくて胸が締め付けられました。続きが気になります……!